断片日記

断片と告知

地震

朝、地震があった。不思議なもので、地震の起こる直前に、いつも目が覚める。体の下の布団の下の家の下の地面の下のもっと下のほうから、不思議な違和感が伝わってくる。上を向いて寝ているときは背中をとおして、下を向いて寝ているときはお腹をとおして、その違和感がブルブルと伝わってくる。ズンッ、と大きな揺れが来るのはその後だ。揺れが小さければ、そのまま布団に横たわり、揺れが収まるのを待つ。揺れが大きいと思ったときは、一応起きて周りを見渡し、地震が収まるのを待つ。今日の地震は、はじめのブルブルが変わっていた。腹の下を、小さな車輪がいくつも回っているような、振動があった。こんな変わった振動なら、ものすごい大きな地震がくるかもしれないと構えていると、本が落ちるくらいで、大した被害もない。でもせっかく起きたのだからと、トイレに行き、また寝ることにする。新聞を見てみれば豊島区は震度2で、震源地の千葉県も震度3で、体の感覚もそんなにあてにできないものだと知る。