断片日記

断片と告知

蓼喰ふ虫

久しぶりにかえる食堂へ。久しぶりにみどりのカレーを食べ、久しぶりに梅酒のカキ氷を食べる。カキ氷は今日明日で今年は終わりだそうで、ぎりぎり間に合って良かった。
隣に座るかえる食堂常連のSさんが、不思議なカレーを注文している。今日は加熱した納豆で、と聞こえた気がする。なんだろうと話を聞けば、かえるさんとSさんで新しいカレーを開発中だそうで、前回来たときは、カレーの上にそのまま納豆を乗せた納豆カレー、今日はカレールーと納豆を一緒に煮込んだ加熱版納豆カレー、とのこと。その出てきた加熱版納豆カレーをSさんにどうぞと勧められ、誘惑に勝てず、一口いただく。以外にうまい。納豆が嫌いでなければいける味だ。でも何かが足りないような、とブツブツ言っていると、そうなんですよ、とのことで、まだまだ開発途中らしい。
そのSさんから、前回の「外市」に行ったんですよ、と言われて驚く。しかも、あの本買おうかどうか2〜3回迷ったんですよ、と言われ、死闘篇のことですか、と聞くと、男同士・・・のほうです、と言われてさらに驚く。そうか、やはりあの本の良さがわかる人がいたのか、それもこんなに近くに。しかし、昼下がりのカレー屋のカウンターで、あのモデルがいいですよね、そうなんですよあのフツーっぽいところがいいんですよ、とキワドイ話をしていていいものだろうか、どうなのだろうか。しかもこのSさん、食の好みが変わっていて、さっきの納豆カレーの辺りからそんな気配が漂ってはいたのだが、さらに深く話を聞けば、臭い食べ物が好き、とのこと。その臭いレベルも半端ではなく、家の冷蔵庫にはあの「世界一臭い缶詰」でおなじみのシュールストレミングが常備してあるという。特に缶に残ったスープをソースにしたパスタは絶品でした、とのこと。夢は世界三大臭いものを食べることだそうで、1つはこのシュールストレミング、あとの1つは、韓国料理のホンオフェ、もう1つは、イヌイットキビヤック。漫画「もやしもん」を読んだことがある人には、お馴染みの恐ろしい料理たち。食に関して貪欲だと自分では思っていたが、このSさんの話を聞くと、自分の場合は貪欲なのではなくて単に意地汚いだけだったのね、と気づく。ちなみにSさんの友人は、わざわざ外国に串刺しのカメムシを食べに行くような人です。
シュールストレミング
ホンオフェ
キビヤック
キビヤックの「製法」と「賞味法」を読んで、おいしそう、と思えたあなたはえらい。