断片日記

断片と告知

狼男

帰り道、夜空を見上げたら、月がこの世のものとは思えないくらい、ぴかー、と光っていた。狼男のように、月に向かって、うぉうぉ、言ってみる。狼男が、人から人狼に変身するときは、どんな気分なのだろう。ものすごい気分の昂揚なのか、それとも苦しかったり痛かったりするのだろうか。毎回、服が破れるのは悲しくないのだろうか。月が出そうな夜は、お気に入りの服を着るのを控えたりするのだろうか。それとも外出自体を控えるのだろうか。