断片日記

断片と告知

「耳朶とスプーン」終了しました

個展「耳朶とスプーン」、終了いたしました。
普通のギャラリーの普通の展示は1週間から長くても10日間ですが、マルプギャラリーの展示は1ヶ月間です。普通の3倍から4倍の長さです。経験したことのない1ヶ月間という長さの展示は、気の遠くなるような時間に思えましたが、はじまってみればあっという間に終わっていきました。個展最終日、最後のお客さんを見送り、片付けをはじめます。壁から1枚1枚額縁をはずし、ひとつずつ箱に収めていきます。ギャラリーは、何もなかったかのような素っ気無い空間に戻っていきます。この瞬間が、いつも寂しくてなりません。1ヶ月という長い展示ならば、そんな気持ちにはならないだろうと思っていたのですが、やはりダメでした。長ければ長い分、思い入れも強くなるのかもしれません。
マルプギャラリーは、昨年までは池袋のそばにあったのですが、この4月に要町に移転してきました。「耳朶とスプーン」は、移転後第1回目の柿落とし展示でした。はじめての場所、はじめての展示、どれだけの人が見に来てくれるのか、ギャラリーの人にも私にも全く見当のつかない幕開けでした。そんな心配を吹き飛ばすように、初日から最終日まで大勢の方たちにご来場いただきました。道に迷った方、意外と簡単に来れたよという方、長い時間じっくりと絵を見てくださった方、差し入れをくださった方、お花をくださった方、ありがとうございました。芳名帳に書かれたお名前とコメントを見ながら、感謝の気持ちでいっぱいです。
私はとても恵まれています。好きな絵を描いて、展示させてくれる人たちがいて、それを見に来てくれる人たちがいます。こんなに幸せでいいのでしょうか。この幸せが長く続くように、これからも絵を描いていきます。今後とも、どうぞよろしくお願いします。