断片日記

断片と告知

あの頃

朝の新聞で粟津潔さんの訃報を知り、夜中のニュースで忌野清志郎さんの訃報を知る。
絵の学校に行っていたとき、仲良くなった女性がいた。私よりも何才か年上だったが、同じ級の同じ時間帯で学んでいるうちに、いつの間にか親しくなった。彼女は京浜東北線の某駅で一人暮らしをしていた。学校帰りに映画を見て、ギャラリーを周って、学校がない日は一人暮らしの彼女の家に遊びに行き、そのまま泊まったりもした。彼女といると楽だった。自然体という言葉は彼女のためにあるのではないかと思われるぐらい、遊んでいても寝ていても、彼女の横にいるのはとても楽だった。そんな彼女がよくカセットテープを貸してくれた。はじめて聴く音楽ばかり、ゲルニカフィッシュマンズ、そしてRCサクセション。彼女の編集した音楽が裏表にびっしりと詰まったカセットテープを何度も何度も聴いていたあの頃。忌野清志郎さんの訃報を知り、そんなあの頃を思い出す。