断片日記

断片と告知

活版つるぎ堂

不忍ブックストリートで「秋も一箱古本市」を担当している青秋部のおふたりと、荒川区にある活版印刷所「つるぎ堂」の見学へ行く。雑司が谷とはまた違う入り組んだ細い路地の奥、古い建物の入り口に「活版剣堂印刷所」と小さな表札が出ている。引き戸を開けると一面に活字の入った棚、そしてインクの匂いが鼻をつく。大きな印刷機が2台、小さな印刷機が1台、最近入れたという中くらいの印刷機が1台、ある。ここに版をのせて、ここにインクをつけて、紙はここに置いて、このレバーを引くとこうなって、と実際に機械を目の前に説明されれば、本で読むよりも活版の仕組みが素直に頭に入ってくる。おじいさんの代からはじめられた剣堂活版は、お父さんが継ぎ、息子のつるぎ堂さんは他の仕事をしながら活版の仕事もし、自分の作品も作っている。
活版印刷つるぎ堂ブログ
見学を終え、西日暮里の町へ出る。韓国料理屋「大栄」でナンダロウさんと合流し、焼肉を食う。すでに夕飯を食べてきたという青秋部のふたり、酒も食も細いつるぎ堂さんを前にして、ひとりひたすら肉とつまみを食い、生ビールとまっこりを飲み続ける。お店のママさんはなぜかテレビに映る魚の鯖に夢中で、お会計、と声をかけるナンダロウさんを気持ちよくシカトする。