断片日記

断片と告知

夏と空

昨日のこと。
何もしたくない1日がある。どこかに出かけたいがどこに行けばいいのかわからない1日もある。ぼんやりした頭にメールが届く。今日はフットサル目白台公園2時過ぎからですよ。そうかと思い出かける。自分の頭で何も考えたくないそんな日は、誰かの頭にそのままのっかってみるのもいい。
公園に行く途中のスーパーで6本入りのアイスを買う。自分用に冷たいお茶も買う。公園の中の野球場の横の金網で囲まれたフットサルコート。知った顔を見つけて手を振り、はじめての顔にこんにちはと言葉をなげる。ベンチに座る知った顔に買ってきたアイスを渡し、とける前に食べな、と知らない顔たちにアイスがわたる。
ベンチに座りながら、間近で無邪気に駆け回る男たちの姿を見たのはいつぶりだろう、と考える。中学から女子校に行った私は、それが小学校以来のことだと気づく。まだ小学生の男も女もそれほど体格差のなかった頃から、今日のこのコートを駆ける男以外のなにものでもない生きもの、その間の男たちの姿が、私の頭にはない。その手も足も胴体も、どこから見ても男なのだと、自分とはまったく違う生きものなのだと、そんな当たり前をいまさら知ったことに驚き、こんな場所でひとり動揺している。
アトリエに行くのをやめる。今日はもう少し歩きたい。
空が青いのに雨が降る。どこかで狐が嫁入りをしている。