断片日記

断片と告知

充電中

王子から借りたiPodで、音楽を聴く。繰り返し流れているのは、ボエーズのオリジナル曲とカバー曲のふたつ。やる前にたくさん聴いておいたほうがいいですよ、と瀬戸さんに言われ、数日後のスタジオ入りに合わせて、いつもこうして借り物の小さな機械を耳にはめている。小さな機械はたまにしゃべる。単調な女の声でしゃべる。曲名をつぶやくのが常なのだが、今日は、バッテリー不足です、と単調につぶやき、そのまま止まった。充電をしに、王子の家を訪ねる。パソコンと小さな機械を短いケーブルでつなぎ、充電してもらう。その間、王子のいれてくれたお茶を飲む。ヒヨドリってどんな鳥ですか、と王子が聞く。どこにでもいるんじゃない、と答えながら王子の部屋の窓を開け、目の前の桜の木を見る。雀もメジロヒヨドリもいない。いなかった、と笑って答える。帰りに雑司ヶ谷霊園を通ると、木の枝にたくさんのヒヨドリがいた。