雑司ヶ谷の友人、うーちゃん宅で夕飯をご馳走になる。廊下の窓から欅並木の先っぽと、葉の落ちた枝の間からスカイツリーが見える。一人暮らしにしては大きな冷蔵庫を開けると、実家でもらったビール券で買ったという缶ビールが冷えている。
蓮根きんぴら、蕪のアンチョビあえ、豆苗炒め、切り干し大根のソムタム風、をビールを飲みながら台所に立ち、ぱぱぱ、と作る。その間に鍋でブリ大根まで煮ている。最近味が決まらないんだよね、と言うが、うーちゃんの作る料理はどれも美味い。わたしはひたすら飲み食べながら、うーちゃんが台所に立つ姿を見たり、テレビを見たり、いい身分の旦那のようだ。普段テレビはほとんど見ないが、うーちゃんの家でうーちゃんの手料理を食べながらみんなで見るテレビは、友人の家というより、親戚や家族が集まる実家のようで、子供の頃の正月の景色を思い出す。しめは釜玉うどん、デザートはイチゴを食べた。