断片日記

断片と告知

観覧車

メシ食いに行こうぜ、と電話がかかってくる。何か美味しいものが食べたいな、と答えるわたしに、カロリーの少ないものな、と電話の向こうの人が言う。こんなこと言う人だっけ、と、うれしいような、可笑しいような。
観覧車のようなものだといつも思う。お台場にあるような、大きくゆっくり回る観覧車もあれば、蒲田のデパートの屋上にある、あっという間に一周する小さな観覧車もある。どちらにしろ、ドアを開け乗り込み、一周したら必ずおりなければならない。素敵な眺めの一番高い場所で、いつまでも止まっていてくれればいいのだけれど、観覧車はそこからゆっくり下降していく。できることなら、とても大きくとてもゆっくり回る観覧車に、死ぬまで乗っていられればいいのに。目の前に回ってきた、観覧車の小さなドアを開けるたびに、いつもそう思う。