断片日記

断片と告知

化粧なんて

黒い襟の部分に日焼け止めがついて困る、と買ったばかりの上着の、襟の白っぽくなった部分を見つめながら嘆くと、冬に日焼け止め?と驚かれる。本屋で働いていたころ、化粧もしないシミだらけのわたしの顔を見た同僚が、日焼け止めくらい塗ったら、と言ったときから、季節に関係なく、毎日日焼け止めを塗り続けている。日焼け止めは夏だけに塗るものだと教わらなかったし、太陽はいつでも空にあるから。ただ今日のように、空から白いものが舞う日にまで塗っている、自分の頑固さが可笑しくて。