断片日記

断片と告知

コロナの春 4月23日から4月29日

4月23日金曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。あまった唐揚げもらう。終えて、S家の冷蔵庫に唐揚げを入れ、池袋に行こうと東通りの新栄堂書店の前を通ると、面出しに置かれた『一度きりの大泉の話』が眼に入り、買う。レジで、75周年なので75円分の割引チケット作りました、ともらう。池袋のビックリガードでSと落ち合い、東上線上板橋まで。電車のなかでずっと『一度きりの大泉の話』を読む。5時、Sの父親の彫刻が置かれた図書館の前庭へ行く。図書館、区、建築家の人たちに来ていただき設置の仕方について再検討する。Sが図書館で岡本潤のことが載っている人名事典のページをコピー。岡本潤はほら、南天堂書店の2階の仲間のひとりでさ、雑司ヶ谷霊園に墓があると言われているけど見つからない人、とS。5時半、常寿司へ。生ビール、島らっきょう、新子刺し、穴子焼き、握りをいくつか。途中、店のテレビで緊急事態宣言のニュースが流れると、いつから?この店どーすんの?酒はどーなんの?と、店主と客とで意見が活性化。東上線、人身事故で止まってるらしいよ、なども。ときわ台まで歩き、動いていた東上線で池袋まで戻る。スタバでラテを買い飲みながら帰る。今日のタモリ倶楽部ねこの特集らしいよ、と見てみると、工事現場などで使うねこ車の特集だった。各地のメーカーが新しい機能のねこ車、電動、折りたたみ、などを作っていると知る。帰ってからもずっと『一度きりの大泉の話』読む。S家泊。

東京都の感染者数、759人。

 

4月24日土曜日

曇り。ナスアスパラツナパスタ。Sはスマホで緊急事態宣言で影響のある業種を調べながら、リストから本屋が消えた、あ、でも1000平米を越えたら休業だ、今日市場行く予定なんだけどやってんのかな、などいちいち疑問を声に出している。古書会館に電話し、あ、やってますか、なんのお達しもなく通常営業です、って会館のフクシさんが言ってた、とS。往来座はどーすんの?金もらえるなら休む、もらえないなら休まない。昨年もまったく同じ会話をした。Sは往来座へ。仕事の絵。古本屋も休めば1日2万円給付があるとお達しが流れ、明日から休む店、休まない店がツイッターでつぶやきはじめる。明日からどうなるのかわからないので念のため、夜、往来座でチャリを借り、新宿の世界堂本店まで行く。店員が床に点々とたれている青い絵具を拭いている。レジで会計をしていると、横の女性が店員に、ここは明日はどうするの、と聞いている。明日も営業します、8時までの時短営業になりますが、と店員。行きは明治通りをまっすぐきたが、帰りはゴールデン街、ラブホ街を抜けて帰る。8時少し前くらいだが、飲み屋にも道にも人はあふれ、街は閉まる気配がない。往来座に戻ると、近所のiさん夫妻、めずらしいことりのHちゃん。とろりみかんのお酒、本搾り。ねぇ、見た?46って数字が浮かんできたんだって、とn。9時から不忍ブックストリームの配信開始。横で酒飲みながらパソコンに向かってしゃべるSを見る。ゲストは高松の古書店な夕書。間違えて入った就職先で半年間オムライスを作り続けた客の話からはじまり、馬の鳴き声で終わる。ハナマサで買い物。Sは、明日どーしよっかなー、どーしよっかなー、と100回くらいつぶやいている。3万だったら休むんだけど、つまんないんだよね、休んで通販だけしてるの、決めた、やっぱりやろう。『一度きりの大泉の話』読み終わる。尻とモモにブツブツができ、かゆいのでキンカンを塗る。S家泊。

東京都の感染者数、876人。

 

4月25日日曜日

晴れ。小松菜肉うどん。ブツブツかゆみ治る。Sは昨夜のユーストを見直し、タイトルを考えている。オムライスデイズ★ハンバーグナイツ、を提案。昨日さ、夜となりのローソン100はふつーにやっててね、だからなんだって感じなんだけど、とS。何度目の緊急事態宣言だっけ?と聞くと、3度目の緊急事態宣言、とS。5月3日のマームとジプシーの公演「路上」のチケットを予約していたが、LUMINE0の臨時休館が決まったため公演延期の知らせ。チケットは払い戻しとのこと。仕事の絵。夕方、少し雨。夜、往来座へ。店って楽しいな、とS。本搾り。ジュンク堂書店は営業しているが、三省堂書店は西武が閉めているので営業していない、とのこと。saさんと『一度きりの大泉の話』の話。miくんと「あのこは貴族」の話。かしゃかしゃの人はじゃぁどうしたらいいんですか、ぼくはずっとあのかしゃかしゃですよ、とmiくん。かしゃかしゃの男は映画のなかでハナちゃんと椿山荘で見合いをし、庭の三重塔をスマホで撮りそのままカメラをハナちゃんに向け無言のまま連写し続けた男。miくんがあの男の物語を書けばいいよ、とn。miくんを池袋そばまで送って別れる。夕飯は、てきとーなパスタ、トマト。S家泊。

東京都の感染者数、635人。

 

4月26日月曜日

晴れ。ブロッコリー豚肉のカレー、ルーはカレーの壷マイルド。仕事の絵。ここ数日、道を走る救急車の姿、どこかから聞こえる救急車のサイレンの音、がとても増えた気がする。Sは休日。車で一度往来座を見に行き、帰ってからはずっと布団で寝ている。わかった、二日酔いだ、とS。夜、描き終えた絵をファミマでスキャン。Sと本搾り飲みながら西友まで散歩。途中、ずっと工事をしている都電沿いのミニストップの前の道にトンネルの出口が出来ていることに気がつく。サンシャイン60くまざわ書店に行くも、サンシャインのなかは成城石井しか明かりがついておらず引き返す。一部の店舗をのぞき臨時休業中と貼り紙。西友で買い物。夕飯は、トマト、山芋のざく切り、サバの味噌漬け、西友で買った鶏天、ざる蕎麦。ジョニー・トー監督の「盲探」観る。7人ぞろぞろと連れ歩いている姿は楽しいが、微妙。M家泊。国内のコロナでの死者が1万人を越えた、とのニュース。

東京都の感染者数、425人。

 

4月27日火曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。シフト変更になり今日から火曜日も出勤。火曜は混むと言われていたが思っていたほどでもなく気持ちのいい忙しさ。あまった炒飯おにぎり2個もらう。往来座へ。往来座のパソコンでデータを金沢へ送る。店番tとSに炒飯おにぎり渡すとその場で食べだす。日本の古本屋のサイトが不安定らしく、あ、またメンテナンスになった、とパソコンをにらみながらt。ツイッターに書かれていた、21時半復旧をめど、を伝えると、えー困る、いまの時期みんな日本の古本屋があるからお店開けなくてもなんとかやっていけるのに、と口では言いつつ、顔がしーしー笑っている。タイタイうれしそう、とS。S家で明日から描く仕事の絵の資料探し。夜、往来座へ。本搾り。大倉のぞくが肉の棚に肉がなく、精肉売り場の人員が少ないためいまあるものしかありません、と貼り紙。ハナマサで買い物。夕飯は、トマト、スモークサーモンと玉ねぎのマリネ、ツナブロッコリーパスタ。ツイッターで銭湯「そしがや温泉21」のアカウントが、「昨日東京都から銭湯組合までサウナ営業の中止要請が入ったとの連絡がありましたため、本日よりサウナとミストサウナのご利用を中止させていただきます。まことに申し訳ございません。期間は緊急事態宣言が解除されるまでとし、その間は昨年と同じくミニプールと日替わりジャグジーを無料開放致します。」とつぶやき。同じくツイッターでかぴぱら堂が、「無店舗で催事・即売会メインに営業している古本屋さん。イベントが軒並み中止になり、生活の糧を一挙に奪われました。リアル店舗と違い、休むかどうかの選択肢すらありません。無店舗出張販売小売店にも、休業協力金支給が絶対必要です。業界として国等に要請するよう全古書連に要請文を送りました。」と要請文の画像つきでのつぶやき。M家泊。

東京都の感染者数、828人。

 

4月28日水曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、S家。仕事の絵。夜、往来座へ。本搾り。ハナマサで買い物。夕飯は、大豆豚つくね鍋。M家泊。

東京都の感染者数、925人。

 

4月29日木曜日

小雨。納豆ご飯。祝日だが食堂アルバイトへ。終えて、往来座へ。4時過ぎuと散歩開始。明治通りを六又ロータリー越え飛鳥山に向かって歩く。途中、風で傘がおちょこになり、無理矢理ひっくり返した傘の骨が絡まり死んだかとんぼの脚みたいになる。ハナマサの先を左折すると両脇に団地群、石神井川を越えて何本目かの道を右折。北区の銭湯「加賀浴場」へ。大きなビルの1階に飯屋とコンビニとコインランドリー加賀が入り、横の階段のぼって2階に加賀浴場の入り口がある。道に面して「ゆ」と書かれた丸い看板。入ると右手に大きな細長いロッカー式の傘入れ、正面と左手に下足箱。のれんをくぐるとスナックの様な茶色い革、赤い別珍のソファが並ぶロビーがあり、ロビーに面してフロントがあるが人はおらず。フロント左手に女湯の入り口、引き戸を開けると右手に番台がある。入浴料470円。右手の壁沿いにロッカー、鏡、中央に島ロッカーがふたつ、6人分のベビーベッド、壊れたマッサージチェアが2台、血圧計、ベンチが2台、身長計、貴重品用ロッカーが並ぶ広い脱衣所。洗い場、入ってすぐ右手に立ちシャワー、壁沿いにカラン。真ん中に島カランが一列、左手に脱衣所と平行に壁に沿ってカラン、そこに平行にもう一列島カラン。正面奥に、右手から赤いランプのつく赤外線?泡風呂、大きめ浅めの湯船、左手の壁に折れてぬるめの湯船がある。湯船の縁は茶色の小さな四角いタイルで、なかは深い青緑のようなタイルで覆われている。湯船のうえの壁には、正方形のタイルで、上からオレンジ黄色、下に向かって青、緑にグラデーションで彩られ、ところどころ白いタイルになり、ヨットとカモメの絵がプリントされている。右手の男湯との境の壁には、クラシックカーとその前に立つクラシックモードのドレスを着た女性の絵がプリントしたタイルが繰り返し貼られている。天井は真っ白な板で端に向かってゆるやかに傾斜している。洗い場もとても広い。番台の女将さんに銭湯遍路の判子をもらう。判子の絵柄は王子の狐。冷蔵庫に缶ビールはなく、緑茶のペットボトルを持って番台へ。70円、いま半額なの、と番台回りの石鹸やなにかを指差しながら女将さんが言うと、あらそれなら買うわ、と着替えていた年配の女性が冷蔵庫からオロナミンCを何本か出し番台に持って行く。夫がやってたんだけど去年死んじゃって、もうずっと闘病してたんだけどね、お嫁にきて50年、金婚式っていうの?は出来たんだけどそのあと死んじゃってね、ここは出来て65年くらい、昔は古い建物だったんだけど建て替えて、いま掃除していた人は夫の妹さん、わたしと妹さんともう一人とあと社長がいてここをやってるんだけど、夫の家は兄弟がものすごく多くてね、石川出身で、それで加賀浴場、きれいに見える?でももう配管も奥もボロボロでね、寿命よね。加賀浴場は4月30日の営業を最後に廃業する。明日来ると混んでるだろうから、お疲れさまでした、と常連客たちが番台に向かって声をかけている。あなたこの帽子もらってくれない?2回しかかぶってないから消毒して使ってよ、ちょっと色が地味だけど、と常連客が常連客に灰色のフェルト帽をあげている。ロビーの壁にはコインランドリーの由来のプレート。「コインランドリーの由来。昭和四十年、三菱電機により全自動洗濯機が考案されたのをきっかけに、洗濯コーナーを開設して三十年が経過致して居ります。現在、皆様に愛用されて居りますコインランドリーの元祖(創始者)は、当浴場の社長です。今後共、ご利用賜ります様、お願い申し上げます。当浴場主敬白」。1階のコインランドリー加賀をのぞくと、古い洗濯機がいくつも並び、故障中の貼り紙も多い。スニーカー専用の洗濯機もあるが、煙突が取り外されこれにも故障中の貼り紙。ここも明日で閉めちゃうのかなぁ、とu。飛鳥山から明治通りを一本入った旧街道沿いようのな古い家並みが残る道を歩き、都電沿いに出て大塚まで。大塚駅北口にはいつの間に出来たのかピンク色に発光するオブジェが建ち並んでいる。uが大塚駅に入る日比谷花壇でサブスクの花を一本受け取り、駅ビルでおかずをいくつか買い、大塚駅の南口からバラの咲く都電沿いを雑司ヶ谷まで帰る。u宅でuが作ってくれた豚肉と卵のナンプラー煮込み、ナスとひき肉の炒め物、チーズ、味噌キュウリ、大塚で買ったおかずなどつまみに飲む。飲んでいるとSから電話、往来座を終えてSも来る。飲みつつ、任天堂スイッチでリングフィットアドベンチャーをして遊ぶ。体を動かしていると猛烈に酔いが回り、片付けも手伝わずに帰る。寂しい、とu。S家泊。

東京都の感染者数、1027人。