断片日記

断片と告知

コロナの春 5月5日から5月11日

5月5日金曜日

晴れ。気持ちがいい。もらった要冷蔵のうどんを要冷蔵とは知らずにだいぶ外に放っていたうどん。茹でたうどんをちぎり少し食べてみる。念のためSにも食べてもらうが大丈夫そうとのこと。シソミョウガ卵をのせた冷やしうどん。しこしこでうまい。夕方、uが盛岡で買ってくれた絵をM家で探すが椿の絵をまとめた中に見つからず、慌ててS家に戻り絵が入った引き出しを開けると奥のほうにしまってあるのを見つける。往来座でuと落ち合い、丸ノ内線淡路町まで。池袋のホームのどっちに丸ノ内線がとまってるかいつも賭けしてるの、とu。道すがら椿の絵がなくて慌てた話。大事なものだからといつもと違うところにしまいかえって見つからなくなる、あるあるだよね。すずらん通りの入り口の文房堂で額装。丁寧な店員さんに相談しつつ、絵とuの部屋の雰囲気に合う額縁とマットを決める。並びの古本屋でポパイの東京特集のバックナンバーを買う。ビール飲みたいとuがランチョンのほうを向いて言うので、ここで飲んだらもう帰って飯作れなくなると説得。ミニストップで缶ビール買い飲みつつ後楽園まで歩き、丸ノ内線で池袋に帰る。西武の地下で買い物、往来座に声をかけてからu家へ。白ワイン。uの長野の実家からまた山菜が届いたそうで、こしあぶはのおしたし、こしあぶらの肉巻き、こしあぶらとスモークサーモンのパスタ、こしあぶら飯。うまい。往来座閉店後、Sも来る。最近のイライラすることについて話すと、階層があがったからじゃない?ムトーさんはもうそこにいないからじゃない、とu。つまりもう若くないのだ。1時すぎまで飲む。S家泊。

東京都の感染者数、906人。

 

5月6日土曜日

晴れ。気持ちがいい。二日酔いと腹がいっぱいでぐだぐだ過ごす。Sはなにも食べずに往来座へ。わたしはしばらくしてチンした飯にかつおみりんをかけて食べる。昼過ぎ、山手線で上野まで。公園口の改札がずいぶん前に変わったことは知っていたがこんな端っこの暗い場所になっていたとは知らなかった。前はホームから通路にあがった瞬間、改札の向こうに上野公園の緑と東京文化会館が見え、上野に来たぞーという気になったがもうそれもない。東京国立博物館の前の噴水も半分くらいになった。公園の人混みは芸大あたりまで来ると空きだし歩くのが楽に。公園の大きな木々が風でざわざわ揺れていて気持ちがいい。芸大の陳列館で「解/拆邊界 亞際木刻版畫實踐」(脱境界:インターアジアの木版画実践)とパンクの展示を観る。版画で刷った表紙をざくっとまとめたZINE。布地やTシャツに刷られた版画。谷中霊園を抜け、諏訪台通りから道灌山坂をくだり、谷田川通りを駒込まで歩く。途中、大きな銭湯が2軒「千歳湯」「松の湯」があり銭湯セットを持ってこなかったことを後悔する。駒込近くの田端銀座という商店街を抜けて駒込駅へ。キャラクターのペンギン・タバギンののれんがあちこちにさがる。山手線で目白まで。Sに新しくギャラリーが出来たと聞いていたので探す。立ち飲みビール屋のあたりにあるはずと歩くがなかなか見つけられず。隣りのビルの奥の非常階段のあたりにさりげない看板を見つけ、矢印に向かって地下におりる。TALION GALLERYで「不透明な幽霊」展観る。星野武彦さんの滲んだようなトランプの油彩にぐっとくる。目白通りのリコス、マルエツで買い物しS家に帰る。夜、鍋の仕込みをしてから往来座へ。焼酎のお湯割り、本搾り。saさん。目録で探求書が見つかった話。大阪京都は寺でやる古本市が多いけど東京はないね、あっちで冷やし飴はじめて飲んだけどおいしい、寺や神社が生活に密着しているからでは、と。ハナマサで買い物。夕飯は、ごぼう大根水菜鶏肉の鍋。麦チョコを少し。映画「クライマッチョ」観るもすぐ寝落ち。夜中、あ、猫番忘れてた、と言いながらSは近所の猫番へ。S家泊。

東京都の感染者薄、1062人。

 

5月7日日曜日

雨。uにもらったコシアブラで、コシアブラベーコンパスタ。ゴットタンで地元最強伝説の回、見る。板橋にもそういう人いた?と訊くと、隣町の中学にそんな兄弟がいた、とS。「クライマッチョ」どうだった?と訊くと、説明だった、イーストウッドを説明するリード文だけというか、「RRR」観たあとだからかもしれないけどびっくするほど辛かった、とS。Sは往来座へ。絵。夕方、食堂からライン。tさんの体調が悪く明日出勤することに。夜、Sと車でK会長宅へ。ブツ、本の買い取り。往来座におろし、ブツの商品化。K会長宅に放っておかれた赤ワインをみなでこわごわ飲む。ちょうどワイン飲みたかった、あーおばちゃんいい気持ち、とn。干し椎茸の味がする、とS。みなで1本飲み切る。後から来たsaさんとみなで、買い取りで入ったジェンガを番台でやる。nの負け。ハナマサで買い物。夕飯は、ごぼう小松菜豆もやし豚しゃぶ鍋。麦チョコを少し。早々に寝る。S家泊。

東京都の感染者薄、2345人。

 

5月8日月曜日

雨。寒い。玉ねぎナスごぼう豚肉カレー。粗品と怪奇どんぐりRPGの動画見る。tさんが休みなのでいつもより30分早く食堂アルバイトへ。慣れてる人ばかりなのでそこまで大変ではなく。終えて、M家へ。今朝から台所の工事がはじまり人が出入りしている。金曜までかかるって、なにもできない、とシンクとコンロのカウンターがなくなった台所を見ながら母。往来座へ。昨日の続きでブツを商品化し引き出しにしまう。asさん、ru先輩。本搾り、焼酎のお湯割り。ru先輩に岐阜名古屋旅行の顛末を聞く。名古屋で泊まったホテルに巨人の選手も泊まっていたとru先輩が興奮している。岐阜城のロープウェイは行きも帰りも1時間以上並んだそうで、しかし城からの眺めはとてもよかった、と。慌てて行ったが徒然舎もいろり庵も楽しんでくれてよかった。閉店後、またSが飲みに行きたいと騒ぐので、Sとnと東通りの硯やへ。生ビール、とろ鯖、アスパラのおひたし、オニオンスライス、ゲソ揚げ、冷やしスパイシーカレーうどんをnと半分ずつ。コンビニの店員のネームプレートって本名じゃなくていいんだって、という話からそれぞれどんな名前をつけるか考え、マーガレット野村、八番、駄々柘榴朗、と決まる。おいしいだけじゃなく、会計がいつも安くて驚く。ミニストップで買い物してS家に帰る。麦チョコを少し。早々に寝る。S家泊。

東京都の感染者数、1331人。

 

5月9日火曜日

晴れ。母にもらった餃子と納豆ご飯。Sは納豆は食べず。食堂アルバイトへ。忙しい。tさんは明日も休むことに。終えて、S家へ。掃除洗濯。猫毛がすごい。しばらくして古書会館に出品に行っていたSが戻る。再配達の電話を郵便局に何度もしているが繋がらず。昼飯に卵かけご飯と冷凍庫にあったベーコンを全部食べたとのこと。金沢に手紙書く。夜、Sは名画座手帳会議へ。本搾り飲みつつマルエツまで、買い物。ひとりでふらふら飲みながら歩き、考えが浮かんで消えていくのが気持ちがいい。夕飯は、ベーコンじゃがいもブロッコリージェノベーゼパスタ。パスタは微妙にあまっていた茹で時間10分のショートパスタ、7分と3分のロングパスタを一緒に茹でて消費。うまい。Sから携帯電話そっちにない?とnの携帯から電話。ない。会議が終わり往来座で見つけたようで、鏡に写る携帯を持ったSの写真が送られてくる。しばらくしてS帰る。会議では旧作邦画の旧作はいつからなのかの提案。Sの夕飯は、ごぼう大根小松菜舞茸ブリ鍋。生姜きいててうまい、大根うまい、とS。早々に寝る。チョコプラのマネーのクズ、パンプキンポテト編見る。面白い。S家泊。

東京都の感染者数、の発表が8日で終了した。

「都はこれまで、日々の新規感染者数の発表に加え、新規感染者数や検査陽性率の週平均など、直近1週間の感染状況を表す指標を原則毎週木曜日に公表してきた。だが、分類引き下げに伴って全ての感染者の情報を把握できなくなったため、いずれの発表も8日が最後となった。今後、日々の発表は行わず、都内419か所の「定点医療機関」から報告された感染者数などを18日から原則毎週木曜日に公表することになった。」とニュースで。

 

5月10日水曜日

晴れ。もらったカツと賞味期限のきれたうどん。うどんはミョウガと卵をのせて冷やしで食べる。食堂アルバイトへ。忙しい。こないだ硯やにいましたよね、と食堂に来た学生に言われる。終えて、S家へ。掃除。疲れてなにもやる気せず。のっぽさんの訃報。夕方、Sと車で川口まで買い取りへ。山手通りを行くと中山道の交差点で渋滞につかまりいらいらするので、今回は明治通りから王子、赤羽、川口ルートで行く。空いていて楽。川口周辺の高層マンション群を見、知ってる?いま川口ってIT長者が住んでんだって、とS。ダンボール14箱ほど車にのせ、また雑司ヶ谷に戻る。ファミマで缶ビールを買い、Sと散歩しながら東池袋マルエツまで。買い物。道すがら、人の弱みにつけこむような仕事よくできるよ、と最近のいろいろで疲れているS。M家の台所工事が終わらず、もう毎日弁当ばっかりでいやだ、外に食べに行きたい、と母が言うので焼き鳥屋に予約の電話。夕飯は、ごぼう小松菜大根鶏肉ソーセージの鍋。麦チョコを少し。映画「隣人は静かに笑う」観る。どこから計算だったのか、狙われたらおしまいではないかと怖い。佳作だね、とS。S家泊。

 

5月11日木曜日

朝方地震。台所の水が出ず。断水。晴れ。寒い。起きると断水は直っている。ベーコン玉ねぎブロッコリーのトマトパスタ。水曜日のダウンタウン、見る。和田まんじゅう。食堂アルバイトへ。tさんはまだ本調子ではなく早退することに。明日も休むことになりわたしがかわりに出勤する。アルバイト終えるころ、雨と雷。S家へ。開けっ放しの窓から雨が入りあちこち濡れている。夜、往来座へ。SとM家で母と落ち合い、目白通りの鳥常へ。生ビール、焼酎のお湯割り、鳥とごぼうのサラダ、エシャロット、合鴨のスモーク、ガーリックポテト、冷やしトマト、焼き鳥いろいろ。はじめの焼鳥の皿が来たとき、わーおいしそう、と母がもらすと店主がうれしそうに笑う。どれもうまい。母の父母・俊郎とトシ子。とし子は鬼子母神通りのときわ木の裏手に住んでいたらしく高田小出身のちに六又ロータリー近くの雑貨屋に。俊郎は飛鳥山そば。子どものころ六又ロータリーそばの雑貨屋によく連れて行かれたが、母の実家とは思わなかった。雑貨屋は化粧品からポリバケツのような手広く家で使うものを扱っていた。幼稚園の同級生だったミカちゃんには『エコエコアザラク』を教えてもらい、お姉ちゃんのユキちゃんは自作のドールハウスが部屋中にあり、母の母の姉妹のおばあちゃんがよく四角い火鉢で煙管をふかしていたのを覚えている。母の母は、母が高校生のときにお産で母子ともに亡くなり、母の父も早くに癌で亡くなった、とはじめて知った。「水もれ甲介」の話をSがすると、あんたお父さんに乳母車のせられてロケ追っかけて見てたじゃない、と母。3歳くらいだと思うが、覚えていない。ファミマで買い物して帰る。早々に寝る。S家泊。