断片日記

断片と告知

見世物

オープンアトリエの日。水彩画を描くのにも飽きたので、汚い作業着に着替え、床の座布団の上に座り、見に来たお客さんには背中を向け、ひたすら黒いオイルパステルで絵を描く。気にせずいつものように絵を描こう。そう思うものの、やはり背後が気になる。唐突に上野動物園のパンダを思い出す。いつ行ってもガラス張りの部屋の隅っこで背中を向けて寝てたり、笹を食べたりしていたあいつ。こっちを向け、タイヤに乗って遊べ、と念じても尻を向けて知らん顔している。その姿と今の自分の姿が重なる。
夕方、Aさんと池袋駅前のキンカ堂で布地を選ぶ。生成りの少し厚めの生地。来月の「月の湯古本祭」に布地のブックカバーを2人で出す予定。私が布に版画を施し、Aさんがそれを縫う。出来上がりがどうなるのか、今から楽しみ。
買い物も済んだので赤ちょうちんの焼き鳥屋でAさんと飲んだくれ。まだ日が落ちていない時間に飲むのはうれしいこと。生ビールがうまい。レバーの焼き鳥もうまい。おかかとシソのまざった焼きおにぎりもうまい。退屈君と向井さんも乱入してきて閉店まで飲む。今日もいっぱい食べて飲んだ。幸せなことだ。