9月3日金曜日
雨。寒い。ミートソースのショートパスタ。いつものジャガ芋の塩味とかよりよっぽどうまい、とS。Sが塩味と言っているのはジェノベーゼ。わたしは好きだ。Sは往来座へ。夕方、家に寄ってから、護国寺まで散歩。坂をのぼった交差点の右手にある銭湯「大黒湯」へ。のれんはオリンピック期間中、ヤマザキマリさんの絵柄。のれんをくぐると右手にロッカー形式の傘入れ、右手と左手に下足箱。自動ドアが開くとフロントがある。フロントの左手が女湯の入り口。脱衣場の天井近くに大きな絵が2枚、男湯のほうにも2枚かけられているのが見える。同じ銭湯の絵だが周りに描かれた人や季節が違う。脱衣所と洗い場の境の床に柄物のタイルが敷かれているのはどこか関西の銭湯っぽい。洗い場。右手に別料金(100円)のスチームサウナ、手洗いの流しがついた立ちシャワーがふたつ、正面右手から薬湯、ジェット泡付きの大きめの湯船、端に小さく浅い子ども用だと思われる湯船。ジェットは薬湯との境の壁につけられ、目の前に銀色の柵があるのでしゃがんでつかんで腰にジェットを当てる。天井は体育館のようにゆるく丸く、その真中にここでしか見たことのない八角形の湯気抜きが開いている。その横に長方形の湯気抜きもついている。湯からあがり、女将さんにスタンプラリーの判子をもらう。八角形の湯気抜きって東京ではここだけですか?とたずねる。わたしなんにもわかんないの、お嫁に来て40年にもなるのにね、うふふふふ、と女将さん。脱衣場にかかっている絵についてたずねると、文京区の銭湯「富士の湯」の絵だとのこと。話を聞いていると同じ文京区の銭湯「ふくの湯」の店主が冊子「1010」最新号を持ってやって来、あれってなんのやつだっかかしら、と絵を指しながら女将さんが聞いている。絵は「SENTO MUSEUM 2017」開催時に富士の湯にかかっていたもの。「富士の湯」なくなっちゃったのよ、そのときうちはね、タイルでなんていうのかしら、ほら波の、浮世絵の、と、冊子「文京の湯」を開きながら説明してくれる。「文京の湯」を見ると、北斎の「神奈川沖浪裏」を大きなタイルでドット絵のように表現したものが、奥の壁、男湯との境の壁に広がっていて楽しい。冊子を読む。子ども用だと思っていた小さな湯船は水風呂らしい。大黒湯の初代は岡嶋乙次郎さん。昭和5年から建っていた銭湯を昭和24年に買ったのがはじまり。その後、郷里の子ども達を呼び寄せ、昭和25年に建てた同じ文京区の銭湯「豊川浴泉」を三男の三郎さんに継がせ、他にも四谷三丁目、神田、新宿河田町と合計5店の銭湯を子ども達に残した、とある。以前来たときに聞いた、戦時中は銭湯を閉め、落語をやっていたことも書かれている。文京区の各銭湯の歴史と、ペンキ絵師中嶋盛夫さんがペンキ絵を描く様子を撮った写真など、とても充実している。文京浴場組合が出している「銭湯のある街あるき」という折りたたみマップももらう。こちらも地図がきちんとしており歩く人にはとても便利だ。紗綾型の模様を染めた「Tokyo Tokyo FESTIVAL」の手ぬぐいをもらう。目の前の春日通りを新大塚経由で大塚まで歩く。途中、uに教えてもらった栃木県の製麺屋、中沢製麺のアンテナショップ「東京生麺なかざわ製麺」でラーメンスープの素、チャーシュー、生の細麺を買う。ラーメン、蕎麦、ヤキソバといろいろな生麺がひとり分から買えて面白い。そこからブックオフ、山下書店、古着のタンポポハウスを周り、本搾り飲みながら帰る。東池袋のマルエツで買い物。帰り道には「東池袋自動車暴走死傷事故」で亡くなった母子の慰霊碑が建つ小さな公園がある。いつも花束がいくつかとジュースやお菓子などが供えられているが、今日は大量の花束が慰霊碑の前に供えられている。禁錮5年の実刑判決、と昨日ニュースで流れていた。夕飯は、オクラと納豆のねばねば蕎麦。10時過ぎ、S帰る。今日は手帳の詰めの詰めで遅くまでの編集会議。Sの夕飯は、カツオのたたきの薬味のせ、切り昆布のポン酢和え、温かいミョウガ蕎麦。パラリンピックの試合でアナウンサーが、勇気をもらいました、と言うたびげんなりする。Sはまた夜1時半までと言いながら動画を作っている。S家泊。
東京都の感染者数、2539人。
9月4日土曜日
曇り、雨。昨日、製麺所で買った麺とスープとチャーシューで豚骨ラーメン。マルエツで買った味玉と刻んだ万ネギものせた。スープは普通だが麺もチャーシューも店のラーメンみたいでうまい。Sは同じ具で煮干しラーメン。タマ(猫)がクローゼットのなかでうんこをしている。Sは往来座へ。洗濯ものがたまったので、大きいバスタオル類だけ洗濯し屋根のあるところに干すも乾く気配がない。夕方、要町まで散歩。ブックオフの2階の古着コーナーでジーパン買う。1260円。往来座へ。本搾り。大倉ハナマサツルハで買い物。家に寄り母が作ったピーマンの肉詰めもらう。夕飯は、オニオンスライスアボカドルッコラのうえにローストポークをのせたサラダ、ピーマンの肉詰め。ハーゲンダッツのアイスも食べる。寒いので猫がみんな布団に入ってくる。せまい。S家泊。
東京都の感染者数、2362人。
9月5日日曜日
曇り。トマトアスパラひき肉のカレー、ルーはカレーの壷マイルド。うまい。Sは往来座へ。2時半、往来座へ。Sと椎名町に向って散歩。ここ数日、Sは次のBスポでなにをやるかをずっと悩んでいる。歩きながらネタを考え練り、同じ結果になってもこうやって歩いて考えることが大事なんだ、とぶつぶつ言っている。Sはその辺を考えながら歩いてるというので、ひとりで椎名町の銭湯「妙法湯」へ。マンションの1階の銭湯、左手には岩盤浴の入り口もある。ヤマザキマリさんののれんをくぐると右手と正面に下足箱、左手に自動ドアの入り口。右手にフロント、左手に飲料水の冷蔵庫と「no sento no life」の文字が入ったオリジナルTシャツなどが並んだ棚、正面に閲覧用の雑誌などが並んだソファブースがある。フロント左手に女湯ののれんがさがる。脱衣場。入ると左手の壁に洗面ブース、真ん中の壁をぐるっと回るとロッカーブース、と脱衣場がふたつに分かれている。洗面ブースには女優ライトがついた鏡が3つ、はとむぎ化粧水、綿棒、ティッシュなどが置かれている。洗面ブースの壁には大型テレビがかけられ、ベンチが境の壁に沿ってあり、壁には妙法湯の歴史やシルキー風呂の効能などが書かれた写真が貼られている。ロッカーは小さめ大きめががたがたと並んでおり、脱衣籠もある。こちらは真ん中にベンチがひとつ。脱衣場から境のガラス窓を通し洗い場に向っても、大型テレビが天井から吊されている。音は出てないが字幕が出ている。洗い場。左手に立ちシャワーがひとつ、別料金のサウナの入り口、水風呂、から正面の壁に向かってミルキーでシルキーなぬるめの湯船、その右横に、手前に泡風呂奥に座ジェットと電気風呂の湯船が並ぶ。座ジェットはボタンを押すとジェットが出、電気風呂は座ると腰ふくらはぎのあたりに向かって、ト、ト、ト、ト、ギューン、ギューン、ギュ、ギュ、ギュ、とリズミカルに電気がくる。右側の男湯との壁に沿ってカランと、真ん中に島カランがひとつ。透明の花柄の桶と白い椅子がカランの前にセットされている。シャンプーボディソープなども設置されているが、マイセットを持っている人のほうが多く見える。壁や湯船は白やベージュのタイルで覆われ落ち着いた雰囲気。電気、シルキー、水風呂と繰り返し入る。水風呂につかっているときの、体の底から冷たい空気が気管をのぼってくる感じが好きだ。カランは8割りがた埋まっており、とても活気がある。フロントで判子ください、と銭湯遍路とパラリンピック期間に3つまわると手ぬぐいがもらえるスタンプラリーの冊子を差し出すと、あー、という顔をされる。うちの手ぬぐいは昨日でなくなっちゃった、家はどこ?板橋区の宮の湯と北区の大黒湯にはまだあるみたいだけど、でも電話して聞いてみたほうがいいかも、そんなに遠くないよ、と教えてくれる。やっぱなくなっちゃいますか、と言うと、そりゃ3つだもん、と店主。コカコーラのハンディタオルくれる。手ぬぐいをあきらめ、外に出てSに電話すると、道の向こうから缶ビールが入った袋をさげて現われる。缶ビール飲みながら、Sが大学生のころ住んでいたマンションの下を通る。1階が瓦の会社でうえがマンションになっている。いま見るとだいぶぼろぼろだね、とS。山手通りのリサイクルショップ新宿広場へ。スヌーピーのボウルと皿と、小島功のカッパの絵皿を4枚買う。女将さんに聞くと、新宿広場は平成8年からここでやっているらしい。ぼくすぐそこの瓦屋さんのマンションに学生のころ住んでいて、よくここにも来てて、とSが言うと、あそこのマンション取り壊されるのよ、古いものねぇ、と教えてくれる。目白通りの無人で古着を販売している古着神社と、古着屋をのぞき、Sが小腹が空いたというので、目白のケンタッキーでトルネードサンドセットを食べ、往来座に戻る。nにスヌーピーのボウルと皿を土産で渡す。arさんが来店。ツイッターが永久凍結されたそう。解決策を探すが見つからず、再登録をすすめる。Sはまだ働くそうなので、大倉で買い物して先に帰る。10時過ぎ、S戻る。夕飯は、オニオンスライストマトルッコラホワイトマッシュルームにローストポークをのせたサラダ、Sの母がくれた餃子。Sは切り昆布と肉まんも食べる。映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」観る。三島がとても柔らかくユーモアをもって話す人として映っている。自分の見せ方がとてもうまく、写真がどれもかっこいい。学生運動の背景に映る町並みや大学、学生もふくめてとても絵になる時代に見えるが、実際はどうだったのか。S家泊。
東京都の感染者数、1853人。
9月6日月曜日
曇り、晴れ。涼しい。久しぶりに青空が少し見える。ほうれん草かき玉うどん。Sは休日、ずっと動画を作っている。夕方、パソコン持ってSと往来座へ。パソコンを店に置き、通販の発送をひとつしてから、ジュンク堂書店へ。茅野でお世話になったYくんファミリーにお礼の品を探す。子どもたちへはギターの初歩のコード表と楽譜を、Nさんには『伝え継ぐ日本の家庭料理』のおにぎりの回と信州の漬物の本を選び、どいかやさんのチリとチリリの紙でラッピングしてもらう。次のBスポで使う本も物色。東池袋のマルエツで買い物。夕飯は、エノキを刻んで入れた鶏つくね鍋。つくねにカレーの壷マイルドのペーストも入れた。スパイシーでうまい。しめは雑炊。Sはずっと動画を作っている。S家泊。
東京都の感染者数、968人。
9月7日火曜日
曇り。納豆オムレツご飯。Sはサバ水煮缶に薬味をのせたものも食べる。Sは往来座へ。3時に往来座に行き、Sと車で歌舞伎町に本の買い取りへ。玄関と廊下に積まれた本すべて、ドンキホーテで買ったという結束バンドでくくられている。久しぶりに買い取りらしい量の本だったが、結束バンドのおかげで思っていたより早く終わる。マンションの上の階にお住まいで、昔は市ヶ谷のあたりまで見えたそうだが、いまは周りにビルができてぜんぜんだめ、とのこと。1階の通用口におろした本を、Sが車まで台車で運び、わたしがテトリス状に車内に積んでいく。マンションに出入りする人たちを見ながら、住んでる人みんなユーチューバーだよ、とS。池袋とはまた違う派手目な格好の人たちがマンションや街を行き来している。終えて、一通の多い歌舞伎町をぐるっと回って明治通りに出る。路駐が多くてはらはらする。往来座に戻ると、久しぶりにHaち。9月末に出る本の話など。Haちの実家で持て余したであろうお菓子をもらう。飲みに行きたいが行けないのがつらい。わたしが本を車からおろし、Sが店の奥に積んでいく。写真集の前の棚がほぼ埋まる。大倉で買い物。本搾り飲みつつ車で帰る。夕飯は、枝豆、トマトアボカドスモークチキン、ゴーヤチャンプルー。Sはチンした冷凍うどんに卵と麺つゆをかけたものも食べる。イノさん、イノさんを見て欲しいの、とSが何度も言うので映画「学校」を観る。主演は教師役クロちゃんの西田敏行、イノさんは田中邦衛が演じる生徒のあだ名。イノさんのラブレター、どうすればよかったのかなー、とS。S家泊。
東京都の感染者数、1629人。
9月8日水曜日
曇り。涼しい。ツナ玉ねぎブロッコリーパスタ。昨日の買い取りで腕がだるく重い。TVerで相席食堂と、いろはに千鳥で豚バラの回を見る。Sは休日、ブログを書くか、動画を作るかしている。夕方、Sと本搾り飲みつつ散歩。途中、雑司ヶ谷霊園の横でご近所のhaさんに会う。昔、雑司が谷停留所そばにあった自転車屋の話など。マルエツでhaさんと別れ、サンシャイン60まで。地下のトイザラスで茅野でお世話になったYくんファミリーに恐竜の人形とバイキンマンの音が出るおもちゃを買い、つい目が合ってしまったバイキンマンが乗るモグラ型の人形を自分用に買い、1階のアクセサリーショップでYくんちのTちゃんに花の形の髪留めを買う。Sもトイザラスでウルトラマンに出てくる赤い怪獣を自分用に買っている。マルエツで買い物。夕飯は、いろはに千鳥で見た豚バラに引きずられてホットプレートで焼き肉、オニオンスライス、トマトブロッコリー。薬味をのせた肉うまい。映画「バタリアン」観る。学生のころ観た映画。こんなに面白かったっけ、と驚く。バタリアンとかオバンバとか名付けが残念でもったいない。M家泊。
東京都の感染者数、1834人。
9月9日木曜日
曇り、小雨。涼しい。納豆ご飯。今日から食堂アルバイトが再開。学生の姿なく、どうしようかと思うくらいひま。食堂のテーブルのあちこちにいままで以上に消毒液が置かれている。終えて、家に寄ると倉敷の蟲文庫さんから『月刊たくさんのふしぎ 2021年10月号 コケのすきまぐらし』と、同じく岡山の山田養蜂場が発売元の「新型コロナウイルス抗原検査キット」が届いている。検査キットは、大学で働く人全員に送られてきたもの。どちらもたまたま岡山なので、おぉ、と思う。往来座へ。Sは古本屋の仕事もせず、奥のパソコンで動画の作業をしている。新宿のヨドバシ行きたいんだよねー、ユーチューブで使うやつがいろいろそろってるんだって、とS。大倉と目白通りのカクヤスで買い物。カクヤスはリニューアルしてワインとつまみが大充実。S家でだらだらし、夜、マルエツに行き買い物。本搾り。10時過ぎ、S帰る。夕飯は、トマトセロリ、ゴーヤチャンプルー。M家泊。
東京都の感染者数、1675人。