断片日記

断片と告知

2012-01-01から1年間の記事一覧

流れる溜める

湯につかり、湯船のへりに頭をあずける。目の先にあるはずの、風呂場の換気窓、壁や天井のタイルはなぜか見えず、もしかすると目をつぶっているのか、あけていてもどこかを勝手に歩き回っているのか、だから湯に体をあずけるとよく言葉がつながるのか。湯か…

明治通り

歩いていると、よく言葉がつながる。つながった言葉を、後で書こう、と、酒を飲んですべて忘れる。歩く道はどこでもいいが、明治通りをよく歩く。雑司ヶ谷から、新宿の画材屋・世界堂まで、歌舞伎町そばの飲み屋まで。新宿の花園神社向いにたつ、花園饅頭の…

隣りの引越し

ある日、アトリエの戸が叩かれ、出ると隣りの青年だった。彼が所属している劇団のチラシと、田舎から送られてきたというじゃが芋とパッションフルーツを手に、ぽつんと立っていた。引越しの挨拶で見たときから、きれいな顔形をしている、と思っていたが、役…

下北沢の猿

アトリエに人が来るときはたいてい夜で、飲み会で、ひとりふたりのときもあれば、アトリエが窮屈に感じるほど人が来るときもある。飲んだ日は飲み疲れて、皿やコップを流しに残したまま帰り、ゴミだけまとめて玄関に置く。 翌日のアトリエは酒と食べものの匂…

沖縄の野菜

市場の古本屋ウララでの『もの食う本』原画展を、那覇経済新聞さんに取り上げていただきました。取材のあった時間、わたしは近くのAコープで買い物をしていました。島かぼちゃ、はんだま、なーべら、島らっきょう、と泡盛を抱え、帰ってみると取材が終わって…

沖縄の本

沖縄から戻ってまいりました。古本屋ウララの帳場に座り道行く人たちを眺め、沖縄の古本屋さんたちと飲み、一箱古本市で沖縄料理の本を買い、迷路のような市場を歩き周り、毎日朝からオリオンビール夜には泡盛を飲む生活が楽しくて、東京に戻ってからもまだ…

沖縄へ

1月22日(日)から、沖縄の古本屋ウララで、『もの食う本』ミニ原画展がはじまります。展示の搬入を兼ね、わたしも明日から沖縄へ行き、古本屋ウララを訪ねてきます。展示初日の22日は、近くの珈琲屋台ひばり屋で、一箱古本市も開催されます。沖縄での一…

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。たくさんの年賀状、ありがとうございます。1月中に返信できるよう、がんばります。 クレヨンハウスの雑誌「クーヨン」2012年2月号の特集「子どもの成長を俳句で 子育てを詠む」に挿画を描…