断片日記

断片と告知

コロナの冬 12月24日から12月30日

12月24日金曜日

晴れ。猫のうんこが臭い。トマトソーセージほうれん草パスタ。Sは往来座へ。こたつ布団、こたつ敷きなど大物を洗濯。パルコの世界堂に画材を買いに行く。帰り道、来月久しぶりに一箱に出るため、サンシャイン通りブックオフを見るが欲しかったテーマの本を探せず。サンシャイン60くまざわ書店で『凪のお暇』9巻買う。S家に戻り、買ったばかりの9巻を読むが、似た展開の繰り返しで読むのが辛くなる。夜、家に寄り母に大和芋をもらう。大倉に買い物に行くと店内はすっかり正月モード、冷蔵の棚に紅白のかまぼこや黒豆、数の子なんかが並び、天井からおせちの品書きの紙が垂れ下がっている。レジのところでニンニクひとつを手に持ったuに遭遇。知らないおじさんが作った四角くない餅をいるか?と聞かれる。往来座へ。nにセブンイレブンのチキン、saさんに缶チューハイをもらい、小さなクリスマス。面白かった、手話のところで館内にすすり泣く声が響きました、と「ドライブ・マイ・カー」を観たasさん。以前、古書探訪の撮影に来てくれたOさんが来店し本を買ってくれたそうで、asさんに米粒写経の栄ハイ動画を見せる。東上線が止まっているとdeさんがやって来る。東上線組のnとdeさんを残し、先に帰る。往来座向かいに出来たビリーザキッドは本日開店。店内に人影は見えないが、街に漂う匂いが変わった。帰り道、ぽつぽつと雨が降り出す。夕飯は、オニオンスライス、ゴーヤチャンプルー、かぼす煮麺。映画「E.T.」を観る。自転車が空を飛ぶシーンからずっと泣いてた、と「E.T.」をはじめて観たS。ポスターで使われている光る指先のシーンは見当たらず。S家泊。

東京都の感染者数、39人。

 

12月25日土曜日

晴れ。母にもらった大和芋でとろろ蕎麦。Sは往来座へ。仕事の文字と絵。夕方、往来座へ。Sと東上線上板橋まで。北口駅前にあった古い呉服屋が閉店し柵で覆われている。SはS家の実家へ。わたしは北口のイトーヨーカドーの裏手から若木通りに出、スーパーベルクスの手前を右折し住宅街に入る。若木通りの角にもその先の角にも、大きく赤字で「ゆ」と書かれた看板がありわかりやすい。看板をたどるとすぐ路地の奥右手に銭湯「ときわ健康温泉」が見えてくる。白い大きな建物で、1階が銭湯、見上げると2階からうえがマンションになっている。入り口右手にコインランドリー。正面ののれんをくぐると左手に下足箱、自動ドアを越えると大きなロビーがどーんと広がる。手前から、テレビスペース、謎の地下に行く階段、大きな金魚が5〜6匹泳ぐ巨大な水槽、30センチくらいある亀1匹だけが泳ぐ緑色で塗装された室内にしては大きすぎるプール、マッサージチェアの置かれたスペース、がロビーの右半分を占めている。それらの手前にテーブルと椅子の休憩スペースもある。ロビー左手は手前から、自販機、入浴券の券売機、ゆっぽくんや銭湯グッズの並ぶショーケース、フロント、飲料水の冷蔵庫、壊れた入浴券の販売機、自販機と並び、その先にまた下足箱と反対側の銭湯の入り口がある。券売機で入浴券480円を買い、フロントに渡す。フロント右手に女湯ののれんがさがる。広大なロビーと違い脱衣所はとても小さい。壁沿いの青緑色のロッカーは、下が大きく、上が小さく、その間がちょっとしたものを置く棚になっている。右手奥に喫煙所と書かれたガラス戸があるが、手前にものが置かれ入れないようになっている。壁のあちこちに「黙浴」のポスターが貼られている。脱衣所と打って変わって洗い場はとても広い。左手手前から立ちシャワーが1台、大きめのサウナ、サウナと男湯との堺の壁に沿って左手はずっとカラン。折り返して右手の湯船の壁に沿ってもカラン。右手は手前から、滝のように水が流れ込み半分が泡風呂になっている大きな水風呂、水風呂の壁に沿ってまたカラン、露天に続く出口、出口の外に半露天のカランが3つ、と少しでも壁があればカランが並ぶ。外に出ると、右手に岩風呂の露天、左手に薬湯の露天がある。岩風呂は無色透明の湯で、せり出した屋根と塀の隙間から空が見える。薬湯はぬるめの茶色で、壁の貼り紙と見ると、火龍薬湯、とあり、生姜などのスパイスが入っているらしい。刺激はないが池袋北口の中華食材店と似た匂いで、薬湯というよりもスープのようだ。こちらは空が半透明のアクリル板で覆われ空がぼんやりとしか見えない。どちらの露天も湯船だけで4〜5畳分くらいありゆったりしている。洗い場に戻ると、露天に行く通路を越えて、右手の壁沿いから正面にかけて巨大な湯船がひとつだけある。湯船のなか右手前からぐるっと回るように紹介すると、なにもないゆったりスペース、寝ジェットがふたり分、アクリル板で覆われた打たせ湯、真ん中の島をぐるっとまわるように作られた歩行湯、向かい合わせに設置された強烈なジェットがふたり分、円筒形であちこちから湯が噴き出すマッサージジェット、電気風呂、とある。この広大な湯船の中央には石の玉が置かれ、真ん中から湯があふれ続けている。打たせ湯と歩行湯の床には足の裏のツボ押し用のデコボコした小石が敷かれている。ひとつひとつがとてもゆったりしており、ジェット系もすべてビンビンに生きている。真ん中の玉をシンデレラ城としてそのまわりをぐるっとアトラクションが囲む銭湯のディズニーランドのようだ。正面奥の壁には外国の城か教会かの写真が貼られているが、全体が青く色あせている。壁全体を覆うタイルは白っぽく、ところどころモザイク状の柄タイルが入り、なぜか梁の部分だけ白いパール状のタイルが貼られている。天井は四角く高く露天に面した壁の窓は大きく、この大きな建物を支える梁が真ん中にどーんと通っている。ロビーも洗い場も外から見て想像出来ないほど立派で大きい。露天と電気とジェットと水風呂とを繰り返し入る。湯からあがり、フロントの女将さんに銭湯遍路の判子を押してもらう。明日競馬だよ、という男性客に、有馬?と女将さん。客はひっきりなしに出入りし話しかける暇もない。外に出、建物のまわりをぐるっと回る。大きいはずで、この区画全部にこの銭湯が建っている。わたしが入った入り口の路地に面して男湯の露天の壁があり、ぐるっと回った反対側の入り口の路地に面して女湯の露天の壁があり、さっきまでいた露天の声が路地にまで響いている。S家に行くと、Sがひとりで昔の写真の整理をしている。S母がSに請われて成田の実家から持ってきたもので、SとS兄が小さかったころ、S母やS父、Sの祖母たちの写真が年代ばらばらで大きな箱に入れられている。6時近くにS母が戻り、SとS母と近くの焼肉の崔安閣へ行く。遅れてS兄も来る。S家の忘年会。生ビール、マッコリ、ナムル、チョレギサラダ、上タン塩、ミスジステーキ、カルビ、桜ユッケビビンパ、石焼ビビンパ。S家の庭を誰かが通り抜けているんじゃないか問題を話し合い。鍵、貼り紙などでの対策。会計後、土産にでかいトマトをもらう。S家に戻り、S兄と写真を見る。懐かしー、と子どものころの友人の名前をあげていくS兄。小学校のときのやつの名前は出るけど大学のころのやつの名前は出ないなー、とS兄。S母に菊芋と干し柿をもらう。上板橋に泊まるS母を残し、SとS兄と東上線で池袋に帰る。S兄とJRの改札で別れる。地下道を西武デパートまで来ると、クリスマスのポスターがバリバリ音をたてて剥がされ、正月のそれと入れ替えられている。ツルハで猫砂、猫エサなどを買いS家に帰る。帰り道、あ雪、とSが言うので空を見えると、白いフケのような小さなものが舞っている。映画「ネバーエンディング・ストーリー」を観る。こんなに短かったけ?昔みたときはもっと長かった、とS。S家泊。

東京都の感染者数、38人。

 

12月26日日曜日

晴れ。納豆ご飯。Sは刻んだショウガをのせたサバ缶を飯にかけて食べている。ドキュメント72時間で、新大久保の24時間格安弁当屋と、碧南の24時間オープンのスケボーパークの回を見る。弁当屋の回は夏の衆議院選を挟んだ3日間で撮影。津波で家を失い仮設住宅からも出されいまは仕事を探しに東京に出て新宿のガード下で寝泊まりしているという男性が、なにか政治に言いたいことはとスタッフに聞かれ、何もない、と去っていく。妻を早くに亡くし子どもをふたり育て50歳のころは地獄でしたと語る男性も、政治になにも期待していないと弁当を買って去っていく。Sは往来座へ。仕事の文字と絵。夜、往来座へ。めずらしいことりちゃん。写真集の仮版を見せてもらう。SIさんにいただいた羊羹チョコを食べながら本搾り。ハナマサで買い物。猛烈に寒い。めずちゃんを雑司が谷駅まで送り、ファミマで買い物して帰る。夕飯は、寒いので豚しゃぶ鍋、しめにラーメンをふたりで1玉。映画「男たちの挽歌」を観る。香港ノワール映画としてよく名前を目にするので今年観てはまったジョニー・トー監督っぽさを期待して観たらだいぶ違い、まだサナギのようなノワールだった。男たちの挽歌が86年、トー監督のヒーロー・ネバー・ダイが98年、ザ・ミッションが99年。S家泊。

東京都の感染者数、43人。

 

12月27日月曜日

晴れ。カレーの壺で作ったカレー。食べているとタマ(猫)が走りながらうんこをしていく。今年で廃業する銭湯に行くかどうか迷っていると、廃線のときに群がる鉄オタの人みたい、その時だけ深刻ぶる浮かれた野次馬、とS。Sは往来座へ。仕事の文字と絵。夕方、キアズマ珈琲でUさんと待ち合わせ。描き終えたクロッキー帳を渡す。市場にいる東の鬼、名古屋の鬼、西の鬼。市場で買えなかった暗い気持ちを置いてくる善光寺。駆け落ちして欲しかった息子。人から言われてあぁそうですかってあっさり割り切れてしまうより、割り切れないものを抱えたままムトーさんは生きていかないと、とUさん。Uさんと池袋のジュンク堂前で別れる。往来座へ行くと、店内は閉め、外の均一棚だけ出して営業している。めんどくさくなっちゃった、とS。法明寺で枯れ葉を拾い糸でつなげ、妖怪ばらんの撮影。本絞り。夕飯を作るのが面倒になりSとジュンク堂裏のばしとんへ。ほぼ満席でカウンターで飲む。ホッピーセット白、枝豆、スパイシーポテト、もつ煮込み、もやし、焼きとん。M家泊。

東京都の感染者数、35人。

 

12月28日火曜日

晴れ。ヨーグルト。鬼子母神前から都電に乗り飛鳥山まで。停留所の端に立つ人影に近寄ると待ち合わせをしたKOさん。ふたりで明治通り沿いに建つ洋食屋ゴリノスへ。生ビール2杯ずつ、ポテサラ、菜の花ベーコン炒め。昼飯としてわたしはタンシチューセット、KOさんはカキフライとわたしのライスを少し食べる。KOさんは、本当なら今年の秋に退職し、飛鳥山のマンションで新生活をはじめるはずだったが、仕事の区切りがつかず、長年住んでいる川口と飛鳥山を行ったり来たりの生活をしている。年末は飛鳥山で過ごすとのことではじめてのランチ会になった。小三治師匠は守られてるなって、幸せになっちゃおっていいよね、M1見ててもさっぱり笑えないナイツは笑えるんだけど。KOさんはわたしのブログを読むと、仕事で酸欠になった脳に酸素がいくと言う。気になるところをプリントアウトし、これってどういう意味?とたずねてくる。わからないことはわからないまま書いています、忘れないように、まわりにとんちの謎掛けみたいなことを言ってくる人がたくさんいるんです、と答える。食べ終え、飛鳥山の前を右折し公園沿いの道を田端方面に向かって歩く。公園、病院、体育館、神社と大きなものが道に沿って並んでいる。緑が多い。このあたりは地盤が固いの、地震保険に入らなくて大丈夫ですよって言われたの、とKOさん。KOさんがおいしいという古河庭園そばのケーキ屋に行くがシャッターがおりすでに正月休みに入っている。甘味を求め、少し戻って平塚神社の入り口にある和菓子の平塚亭へ。予約の餅を取りに来た人たちが外に2〜3人並んでいる。店内奥のテーブルには大きなのし餅が何枚も広げられている。ドラマのロケ地だそうでショーケースに伊東四朗の写真が飾られている。豆大福とみたらし団子、小さな雪だるまのようでかわいらしい正月の餅の一番小さいやつを買う。KOさんは白い餅と黄色い粟餅の切り餅を買う。KOさんのマンションへ。遠くにあらかわ遊園の観覧車。KOさんは豆大福をわたしはみたらし団子を食べる。団子の焦げたところがきちんと焦げた味がしてうまい。窓から見える神社の緑、買うかどうか迷っているテレビ、ほこりが出る床暖房、レースのカーテンを内側につけた窓辺、戸を外して入れた冷蔵庫、ぼられたかもしれない木の棚。KOさんの新しい部屋を見ながらお茶を飲む。さっきKOさんが買った白と黄色の切り餅と、nにと時計をいただく。夕方一緒に散歩、飛鳥山公園を横切り王子駅まで。改札でKOさんと別れ、京浜東北線で日暮里まで、常磐線に乗り換え北千住、東武スカイツリーラインに乗り換え竹の塚で降りる。東口駅前に出ると小さめのロータリーのまわり三方が古めの団地で囲まれている。正面の団地の1階にはマクドナルドや喫茶店が並ぶ商店街になっている。団地の間を抜けて赤山街道に出、しばらく歩き増田橋交差点を右折、はじめの角を左折すると銭湯「高砂湯」の明かりが見える。来る途中、団地があちこちに見えたが、ここ高砂湯の横も古い都営のアパート群が建っている。入り口の左右の壁はガラスブロック、真ん中にのれんがさがり、のれんの上部のガラス部分にうっすら「高砂湯」という文字が見える。のれんは真ん中に「ゆ」と赤字で描かれ両脇に虎が3匹ずついる絵柄。正面の傘入れのロッカーに「常連さんへの感謝を込めて無料開放致しますコロナ下の為常連さん優先で人数制限をしますので!!」と赤マジックで書かれた紙が貼られている。両脇に下足箱、左手が女湯の入り口。引き戸を開けると右手に番台。財布を手に持ちながら入ると、あ、今日はいいんで、と店主。なにかできることはないかって思ってたんだけど、と常連客が話しかけると、いやいやいや、と笑いながら店主。常連客たちは脱衣場で着替えながら、今日でみんな持って帰らなきゃ、とロッカーの下の棚に置かれた風呂敷包みを眺めている。入り口側の壁にロッカー、うえにフランス人形や真っ白いサンゴが飾られた島ロッカーが真ん中にひとつ。洗い場向かって左手の壁沿いに3人分のベビーベッド、その横に杖を付く人物の大きな彫刻が置かれている。男湯との堺の壁は鏡張り、壁の一番向こうに番台から見えるようにテレビが置かれている。いつからそのままなのか、大人の入浴代155円と書かれた紙が壁に残る。洗い場。両脇の壁にカラン、島カランが真ん中に一列。桶は黄色いケロリン。桶はたくさんあるが椅子の数はとても少ない。途中椅子がひとつ空き座ってみるが、おそらくふだんからこの銭湯に来る人の数しかないと気づいて元に戻す。正面奥、向かって右手に小さめ深めの泡風呂、左手に広めでジェットがふたり分ついた広い湯船がある。湯船のなかは細かい水色のタイルが貼られている。湯はどちらもものすごく熱いが薄める人はひとりもいない。湯船のうえのペンキ絵は、手前に浜と海があり小さな島が浮かび、その向こうに大きな富士山がそびえている。天井は高く白く、湯気抜きもどーんと高く、上の方は湯気で煙ってよく見えない。洗い場に、今日は混んでるねぇ、ほら今日でおしまいだから、と常連たちの声が響く。脱衣場で着替えていると、常連じゃないんですが、と言いながら入ってくる客と、いいですよー、と答える店主。銭湯遍路に判子をもらう。ペンキ絵についてたずねると、5年前かな、2016年に田中みずきさんに描いてもらった、と店主。男湯のペンキ絵をたずねると、うーんと困った顔をする。海があって島があって対岸があって、でも、なんとも言えない絵でね、こないだも男湯の絵を女性のお客さんに聞かれて、もうおしまいの時間で人もいなかったから見てもらったんだけど、その人もうーんなんとも言えない絵ですねーって。女湯の絵がメインなんですよ、と笑う。鏡の前の棚にあった少し前の「1010」と足立区の銭湯のチラシをいただく。下足箱の前で靴を履いていると、ここはいつからだっけ?47年前、自分が生まれる前からあって、もともと銭湯で、工場の、と男湯の客と店主の会話が漏れ聞こえてくる。今日で廃業する銭湯の店主は、客になにか言われるたびに、ありがとうございます!はい!はい!どうも!と大きく答え合間に、しゃしゃしゃしゃしゃっ、と笑う。帰りは赤山街道を線路の向こうまで歩き、八百屋の角を曲がって竹の塚駅の西口に戻る。電車を乗り継ぎ池袋に戻ると、上板橋から車で戻ってきたSから電話。ジュンク堂前で待ち合わせ、一緒にユザワヤに行く。往来座のショーウィンドウ用の赤い布と次回の妖怪撮影用の布を買う。東池袋マルエツで買い物。夕飯は、トマトアボカド、菜の花のからし和え、マルエツで買ったパックの寿司。Sが昨晩作った「商店妖怪帖ばらん」の動画を見る。映画「コンタクト」を観る。こんな映画だったっけ?とS。S家泊。

東京都の感染者数、46人。

 

12月29日水曜日

曇り。食パンをトーストし玉ねぎと目玉焼きをのせる。Sはそのうえにスライスチーズをのせたものを食べ、さらにチーズトーストも作って食べている。食パンは昨日Sが上板橋でもらってきた、街でたまに見る変わった店名の高級食パンと宣伝しているもの。味はふつう。Sはブログを書いたりユーチューブを見たりごろごろしている。3時過ぎ、Sを残して家を出る。目白駅から山手線で新宿へ、中央線で吉祥寺まで。吉祥寺は構内も街もすごい人出。東急裏手の藤村中学高等学校の横の銭湯「弁天湯」へ行く。竹の塚の「高砂湯」もここ「弁天湯」も、Nさんから今年廃業すると聞きたずねた。藤村学園が道から数メートル引っ込んでいるので、だいぶ手前から弁天湯の大きな建物が見える。近寄って見ればみるほど体育館かと思うほど大きい。正面右手に緑色のテントの「コインランドリーべんてん」。正面入り口両脇はガラスブロックで昨日の高砂湯と似た雰囲気。のれんをくぐると右手と正面に傘ロッカー、左手に下足箱がある。正面奥のガラス戸に小さな文字でプリントアウトされた廃業のお知らせが貼られている。「CLOSED 休業のお知らせ いつもご利用頂きまして、誠にありがとうございます。令和3年12月31日を持ちまして弁天湯は老朽化等により休業の判断をさせていただきました。突然のお知らせになり申し訳ございません。開業以来、80年近く吉祥寺という街で営業できたのも、ひとえに皆さまにご愛顧いただいたお陰です。心より感謝を申し上げますと共に、皆さまのご多幸を心より申し上げます。置き荷・置き桶を行っている方は年内にお引き上げお願い致します。吉祥寺 弁天湯」。入ると右手にフロント、正面にソファとテーブルの置かれたロビー。脱衣所を削って造られた広めのロビーから凝った天井、柄物の壁紙で覆われ、大きな丸い穴が3っつ開いている、がよく見える。左手の壁には、田中邦衛佐野史郎又吉直樹などたくさんのサイン色紙が貼られている。左手に女湯の入り口。入ると、右手のロビー分削れた部分に鏡とドライヤーの棚、左手の壁沿いにロッカーと、上部は仕切りのない10人分くらいのベビーベッドで下がロッカーになっている棚が横にずらーっと並んでいる。真ん中に島ロッカーがひとつ。脱衣籠も現役でも床にいくつか。ガラス戸を開け、道に面した庭だった部分に出ると、横長の棚があり常連たちの置き荷が並んでいる。外廊下の右手奥には便所もある。洗い場の入り口には、小さな洗面台と、床部分にも蛇口がカランの小さな流しがある。脱衣場と洗い場をわけるガラス戸には黄色やピンク色の、丸なのか雲なのかの形をしたシールがもこもこと全面に貼られている。洗い場。右手と左手の壁沿いにカラン、真ん中に大きな銭湯の定番の島カランが2列。島カランは、湯はよく出るが水はちょぼちょぼしか出ない。カラン上の鏡にも黄色やピンク色の丸シールがところどころに貼られている。正面奥の湯船は、向かって右から、ふたり分のジェット、壁の柵から湯が流れ落ちるラドン効果のある泡風呂と少し区切って電気風呂、薬湯、と3つ並んでいる。薬湯はピンク色で、由布院の湯、コスモス色、と効能の書かれた紙がパウチされ置かれている。ペンキ絵は、男湯と女湯の壁の真ん中に大きな富士山、富士山の裾野はピンクと緑っぽい雲で覆われ、その下に海と島とヨットが見える。絵の左下に「2021.9.23 ナカジマ」と白ペンキでサインがある。天井は水色のパネルがびっちり貼られているが、湯気で曇って天井近くはほぼ見えない。ふつうの銭湯だと男湯と女湯のあいだに大きな梁が1本建つが、ここは男湯女湯にそれぞれ1本ずつの計2本の梁が天井を支えている。湯からあがり、体を乾かしながら脱衣場をうろうろしていると、10人分のベビーベッドが置かれた通路の一番奥に古いマッサージチェアを見つけ、その後ろにポスターのようなものが立てかけてあるのに気がつく。弁天湯と書かれた暖簾の下に浮世絵のような男女がいる絵柄で、脇に、09年、向井秀徳タテタカコジム・オルーク、の文字が見える。ポスターの右横には掃除機が置かれ、その後ろに向井秀徳のぼろぼろになったパネルも見える。脱衣場のあちこちで、ここ31日で閉めるんだって、うそー、気に入ってたのに、あんな貼り紙じゃ気が付かないわよ、と叫びのような声が上がっている。銭湯遍路の判子を女将さんにもらう。間に合ったわね、と言われ、閉店なんですね、と返すと、そう、と小さく笑う。写真の許可をもらいロビーから天井を撮る。ありがとうございました、と女将さんに頭をさげて外に出る。閉めるんだってー、と話しつつ、お客はひっきりなしに訪れ、外で写真を撮っている人たちも多い。ブックオフで買い物。そこからヨドバシの通りに出ると、ヨドバシの横がどーんと更地になっており、その向こうに銭湯の煙突が1本見える。近づくと、休業中の銭湯「よろづ湯」のもので、まわりの建物がなくなったため煙突も建物の横っ腹もすかっと見える。風俗の無料案内所の前で写真を撮っていると、えーなに?煙突、かっこいいね、と言いながら男たちが通り過ぎていく。JRで池袋まで帰り、東池袋マルエツでSと落ち合い買い物。こないだ見て気になっていた冷凍の焼き鳥と焼きとんの串を買う。本搾り。夕飯は、トマトアボカド、オニオンスライス、焼き鳥と焼きとん、かぼす煮麺。トースターで焼いた焼き鳥はうまいが、フライパンで焼いた焼きとんの肉は固い。ゴットタンのマジ歌選手権を見る。S家泊。

東京都の感染者数、76人。

2008年に弁天湯をたずねたときは、ガラス戸には東郷青児のような透かしがあり、ペンキ絵にはバスが走り、農夫病を気にしていた。入った瞬間に目に入る凝った天井にはひとつもふれていない。  阿佐ヶ谷住宅 - 断片日記

 

12月30日木曜日

晴れ。ひき肉玉ねぎじゃがいもミックスビーンズのカレー、ルーはカレーの壺。TVerで「ヤギと大悟」見る。ゲストの定型文のような態度、年配の女性を見ればギャル、お嬢さんと声をかける、がうるさく、ゲストに気を使う大悟も面白くなく、大悟とヤギだけをただただ見せて欲しい。Sは1年に1度の大掃除で往来座へ。わたしはS家で洗濯掃除をすませ、家に寄りアイロンを持ち、少し遅れて往来座へ行く。nとtがショーウィンドウの前の棚から本をすべて出し、空になったショーウィンドウのガラス窓を拭いている。去年はここにはっちがいたよねー、あれ?一昨年だっけ?とnと話す。わたしはユザワヤで買った赤い布を棚の大きさに沿って切っていく。Sは切った布のシワをアイロンで伸ばし、棚にテープで貼り付けていく。ショーウィンドウを元に戻し、nとtは店中のガラス窓を拭き、わたしは流しと便所を掃除、Sは外でいらない額縁を細かく切りゴミに出せるようにしている。saさん、めずらしいことりちゃんが来店。Sが缶ビールを買ってきたのでみなで飲む。めずちゃんは「HALO」と付録のベトナム写真集を納品。写真集は、めずちゃんが長年仕事で通ったベトナムの社食を写したもので、写真も、リソグラフの表紙も造本もとても楽しい。閉店作業をしていると、外を通りかかった人が店内をのぞき、名画座手帳ってなんですか?とたずねてき、説明するとその場で1冊買ってくださる。日芸の映画学科に通っていたそう。7時になり、tと先に予約していた升三へ。年に数回しか行かなくても1回しか行けなくてもその人にとって大事な場所ってあるんです、行ったほうがいいです、とt。tと生ビールを飲んでいるとnとSもやって来、乾杯。往来座の忘年会。生ビール、焼酎のお湯割り、シーザーサラダ、唐揚げ、おでん、野菜のオーブン焼き、さわらの西京焼き。今年出来たことと来年やりたいことを話し合う。元升三店員のGOがカウンターで飲んでおり、GOが西口でやっている店のチラシをもらう。店はコンセプト飲み屋で女の子がいる魔界とのこと。チラシにはティッシュではなく白いマスクが1枚ついている。忘年会終え、nは池袋方面へ、だいぶ飲んだtがふらふらと雑司ヶ谷に帰っていく。Sとツルハドラッグで買い物して帰る。飲みすぎて早々に寝る。S家泊。

東京都の感染者数、64人。

コロナの冬 12月17日から12月23日

12月17日金曜日

雨、晴れ。食堂でもらったキーマカレー。ユーチューブのライブカメラで砂漠のほか、淡路島モンキーセンター、サンシャイン60通り、などを見る。Sは往来座へ。今日は昼過ぎから往来座で工事、新しいネットが繋がるとのこと。夕方、雨が降り出し、往来座に雨を知らせる電話をかける。夕方家に寄り、母に煮物をもらう。夜、往来座へ。夕方の雨で外の均一が濡れたそう。ネットの工事どうだった?と聞くと、出来なかった、とS。配線の場所がわからなく、延期になったとのこと。だってこのビルのネットの配線なんだよ、営業が何度も来てじゃぁやりましょうかってなって、それなのに工事の人たちがわかりません、ってどういうこと?工事の人はすげーいい人だったけど、とS。Sは明日のBスポで使う小道具を作成している。asさん、ru先輩に読み終わった『神々の山嶺』の感想を伝える。あんな山に登んなきゃいいじゃんという思いをはねのける谷口ジローの絵。本搾り。『全集 伝え継ぐ日本の家庭料理』をツイッターで宣伝。帰るころ風が強くなりぱらぱらとまた雨が降り出す。夕飯は、トマト、母が煮た手羽元と卵の煮物、ツナ玉ねぎ白菜クリームパスタ。明日のBスポで使う小道具の準備。夜中、強い風が吹き続ける。

東京都の感染者数、20人。

 

12月18日土曜日

晴れ。寒い。カット野菜を使ったケンミンの焼きビーフン。Sと往来座へ。1時ごろ入谷コピー文庫のHさんが来店。お菓子と、入谷コピー文庫古田新太名言集をもらう。あと数回で終わるシリーズと来年から新しくはじまるシリーズの構想を聞く。金沢のSIさんも来店。SIさんは実家の用事で今日は東京、明日から沖縄に行くそう。SIさんと鬼子母神雑司ヶ谷霊園を歩く。東京なのに空が広い、とSIさん。金沢には霜柱ができない、とも。SIさんがはじめて雑司ヶ谷という名前を知ったのは、合唱コンクールでの課題曲に出てきたから。あとからいただいたメールによると、作詞・間所ひさこ、作曲・岩河三郎の「おかあさん」という曲でとにかく暗い。亡くなったお母さんのお墓が雑司ヶ谷にあるという歌詞。霊園で、鏡花、夢二、漱石中川一政、ジョン万次郎、東郷青児サトウハチローの墓を見、東通りのラシーヌでシュークリームを買って往来座に戻る。みんなでシュークリームを食べる。シュークリームだと思って買って食べていたが、皮がデニッシュなのではとSIさんに言われる。確かに。近所のsaさんにもシュークリームを贈呈。SIさんとsaさんと金沢話。夕方、SIさんは田端へ。一度S家に帰り、夜また往来座へ。nは矢野顕子のライブですでにおらず。めずらしいことりちゃんに製作中の写真集の仮綴じを見せてもらう。綴じ方など相談。8時半過ぎ、不忍ブックストリームのため新しいパソコンでZOOMにつなぐが音声が出ず、めずらしいことりちゃんとSとでパソコンをあちこち触ってばたばたする。配信10分前には音声が開通。9時過ぎ、少し遅れて配信開始。今夜のBスポは、君の名はワン。作家の飼い犬たちの名前を当てるゲーム。配信長引き、終わったのは23時近く。配信道具を片付けてから店を出る。Sがココイチでカレーが食べたいというので東通りのココイチに行くもテイクアウトのみの営業でやめ、そのまま東池袋ココイチに行くもすでに閉店。結局、揚州商人へ。店内は12時近くなのにひっきりなしに客が入ってくる。店員はホールにひとり、厨房にひとり。注文するとお時間少しいただきます、と言われるもそう待たずに運ばれてくる。蒸し鶏のサラダ、ニラと豚肉の卵焼き、担々麺。Sは冬牡蠣のラーメン。会計のとき、お店は何時までですか?と聞くと、朝4時までです、と店員。この時間に外で飯が食べられるありがたさと、どうか体を壊しませんように。S家に帰り、明日M1の予選を見ながらピザが食べたいとSが言うので、ネットで目白台のドミノピザに注文。S家泊。

東京都の感染者数、28人。

 

12月19日日曜日

晴れ。納豆ご飯。Sは往来座へ行くが2時過ぎにすぐ帰ってくる。Sと目白台へ、Sはドミノピザに昨晩予約したピザの受け取りへ、わたしは近くのマイバスで買い物。缶ビール飲みつつ、S家に帰る。アトリエとして借りていた雑司ヶ谷1丁目のアパートの横を通ると、裏手の大銀杏のある空き地の木が伐採され下草も刈られてすっきりしている。S家に戻り、テレビの前にマットレスとテーブルを置き、ピザをセットし、M1の敗者復活戦から見はじめる。ネットで、ヨネダ2000、金属バット、男性ブランコ、に投票。マユリカアルコ&ピースも好きだった。結果、敗者復活戦の勝者はハライチ。相葉くんとハライチを見、そのままM1の本戦も見る。蠍座の女。ランジャタイは負けて勝ってる。肉うどん。あいつ東京に行ったってさ。錦鯉、ただただ楽しい。オズワルドの2回目の失速の空気。錦鯉の優勝を見て泣く。反省会、ストロングゼロ飲み会と、昼からテレビパソコンを見続ける。1日だらだらと過ごし、よかったねぇ、とS。夜、Sはフリーズドライのほうれん草の味噌汁を飲み、りんごをふたりでひとつ食べる。SはM1の合間合間に『神々の山嶺』を読んでいる。S家泊。

東京都の感染者数、33人。

 

12月20日月曜日

晴れ。ほうれん草うどん。錦鯉をテレビで探して見る。見るからに疲れていて心配。Sはモグライダーをユーチューブで探して見ている。Sは約束のない店番をしに往来座へ。砂漠のユーチューブを見ると、キリンが映っている。大きすぎて画角から首がはみ出している。水を飲むときは、前脚を大きめの八の字に、後ろ脚を小さめの八の字にし、首をぐいっと前に出して飲んでいる。ごろごろして過ごす。夕方、往来座へ。早めに閉め、Sと東上線上板橋へ。ホームから見えていたゲーセンのSAGAが閉店し、明るい八百屋になっている。改札を出、新しくできた八百屋を見に行こうと階段を降りると、うしろからS母に声をかけられる。S母は今日は上板橋泊まり、これから寿司屋に行くのをSがS母に気まずく伝え、駅前で別れる。Sと予約していた常寿司へ。ふたり忘年会。カウンターは満席ではじめてテーブル席に座る。生ビール、ひれ酒、かにみそ、穴子の白焼、なめろう、西京焼き、握りをいくつか。Sの今年は、コロナ禍の後遺症の、鵜ぼんやり、の1年とのこと。店の売り上げの低下、S父の納骨など問題片付かず。今年は自分の弱点がわかった、とS。わたしの今年は、『龍潭譚』から『全集 伝え継ぐ日本の家庭料理』の完結と、仕事で絵を描くことが苦しさより楽しさが越えた年だった。32年かかった。ことばと文法、表現の個々の挑戦が面白かったとM1を反芻。店を出、平和公園に展示されているS父の彫刻を見、ときわ台まで歩き、東上線で池袋まで。ミニストップで買い物してS家に帰る。S家泊。

東京都の感染者数、11人。

 

12月21日火曜日

晴れ。ベーコン玉ねぎブロッコリークリームパスタ。Sは布団のうえでブログを書くかユーチューブを見るかしている。仕事の文字と絵。夕方、家に寄ってから、池袋の雲吉へ。奥のテーブルにいるとすぐmiとsiが来、遅れてuとだいぶ遅れてtuが来る。生ビール、ウーロンハイ、焼き鳥、ローストチキンのサラダ、大根サラダ、おしんこ、唐タコポン酢、明太チーズポテト、しめに鴨南蛮そば。新刊、映画、ダイナー、韓国アイドル、心、介護、旅行、子どもの話など。来年は庄野潤三生誕100周年、石神井での展示とトークショーもある。6時から10時過ぎまでよく食べて飲んだ。ジュンク堂前でみなと別れ、uと法明寺前で別れる。ファミマで買い物し、S家に帰る。Sはチキンラーメンを食べたとのこと。「鬼滅の刃 遊郭編」の3話目を見る。S家泊。

東京都の感染者数、38人。

 

12月22日水曜日

晴れ。Sは猫餌を買いにファミマへ。帰ってきて納豆ご飯。Sは布団のうえでブログを書きユーチューブを見、夕方往来座へ。明日の工事の前に片付けをするとのこと。夜、マルエツまで買い物。本搾り。9時過ぎ、Sが帰る。夕飯は、トマトエシャロット、菜の花のからし和え、uにもらったかぼすを絞ったかぼす煮麺。かぼす煮麺が気に入ったSは素麺を一束追加して食べる。昨日話題に出た映画「騙し絵の牙」を観る。大泉洋。出てくる人たちに影もグラデーションもなく、失敗すると煙のように消えて終わり、次のシーンにはかわりの人が座っている。映画を観ているときに感じる魔法のようなシーンがひとつもなく、ずっとわかりやすい図説を観せられているよう。桐島のときには魔法があった。ぶつぶつ言いながら風呂に入り、最近の映画にそうした共通点があるのではとSと話す。「あのこは貴族」「すばらしき世界」「ミッドナイトスワン」も図説だった。S家泊。

東京都の感染者数、40人。

 

12月23日木曜日

晴れ。納豆ご飯。Kさんがくれたへしこを薄く切って食べる。うまい、とS。Sは往来座へ。仕事の文字と絵。夜、往来座へ。Sと来店したHと、往来座のネット環境を新しくしようと思ったら配線の配管がサビでつまっていてできなかった話をしながら、東池袋のサン浜名へ。ボエーズの忘年会。入ってすぐのふたり掛けのテーブルを離して座る。ときどき都の人たちが見回りに来る、と女将さん。壁、床、テーブルクロスなどが新しくなり、店内が明るい。生ビールで乾杯。遅れてZA先輩が来る。生ビール、焼酎のボトルとポットの湯、ポテトサラダ、チャーシューエッグ、唐揚げ、バナナチーズフライ、みりん干し。2月で閉まる衣料部、1年伸びた公設市場、聞き書き、おかえりモネ、トークショー谷根千の区域の話など。都電の終電を気にしてZA先輩が先に帰り、しばらく3人で飲んでから、Hを東池袋の駅の上まで送る。自分もみんなも年を取ったなと思う。Sとセブンイレブンに寄ってS家に帰る。セブンで買った豚骨のカップラーメンを食べて寝る。S家泊。

東京都の感染者数、37人。

『全集 伝え継ぐ日本の家庭料理』第3期

『全集伝え継ぐ日本の家庭料理』第3期が発売になります。第3期は、野菜のおかず春から秋、四季の行事食、いも・豆・海藻のおかず、年取りと正月の料理、どんぶり・雑炊・おこわ、の5冊です。「別冊うかたま」として発売中の雑誌版とこちらの愛蔵版、どちらも中身は同じです。地域ごとではなく、すしやそばなどテーマ別に編まれています。オールカラーの写真も美しくわかりやすく、地域で料理がどう作られ食べられてきたかがわかり、再現できるレシピもついています。食にまつわる読み物としても楽しい本です。

わたしは雑誌版の目次の挿絵と、愛蔵版の装画を担当しました。ADはいずれも山本みどりさんです。セットでも1冊からでもお買い求めできます。愛蔵版は書籍コードがついていますので、図書館にリクエストし入れてもらうこともできます。本屋でも図書館でも、長くたくさんの人の手に取られる場所に置いていただけたらうれしいです。

『全集 伝え継ぐ 日本の家庭料理 全16巻★12/16発売予定』日本調理科学会企画・編集 - 田舎の本屋さん

伝え継ぐ日本の家庭料理 | 別冊うかたま

f:id:mr1016:20211216170405j:plain

f:id:mr1016:20211216170438j:plain

f:id:mr1016:20211216170419j:plain

f:id:mr1016:20211216170343j:plain

f:id:mr1016:20211216170456j:plain

mr1016.hateblo.jp



 

コロナの冬 12月10日から12月16日

12月10日金曜日

曇り。ひきわり納豆ご飯。Sはコンビーフを薄く切り飯のうえにのせ、そのうえにひきわり納豆2パック卵ふたつを混ぜたものをかけて食べている。うーん、なんかコンビーフそのまま食べたい、とS。Sは風呂場でバリカンで頭を刈ってから往来座へ。体調悪くぬかりや医院に行くが混んでいてやめる。三省堂で『ミステリと言う勿れ』10巻が並んでいたので買う。夕方、往来座へ。Hさんが来店、nにかんぺ10周年のお祝いの花束を渡し、飯田蝶子関係者のユーチューバーについての話をしている。Sと池袋から有楽町線で有楽町まで。歩いて銀座SIX裏手にあるギャラリー惣へ。S母の個展を見る。これ買わない?とS母に言われSが赤い絵を買う。SとS母とタクシーに乗り京橋のギャラリー川船へ。恒例だという歳末入札展示会を観る。壁には作家名と最低入札価格が貼られたたくさんの作品が並ぶ。松本竣介長谷川利行、掛井五郎、函入りの武井武雄、と観ていて楽しい。入札は、下値と上値の入札価格をふたつを書く形式で古書会館のやり方と同じなので、SがS母に値段のヒゲのつけ方などを説明している。母が2点入札。開封は明日の1時すぎからとのこと。銀座一丁目から有楽町線で池袋に出、SとS母と西口公園向かいの銀座ライオンへ。生ビールの味は思ったよりふつうだが、つまみは量がしっかりあり食べでがありうまい。ムール貝のレモンクリーム蒸し、唐揚げ、生ハムと大根サラダ、オムライス、4種のチーズのピザ。ムール貝のレモンクリームソースを気に入ったSは、皿をさげに来た店員、会計のところにいた店員に、レモンとクリームがぎゅっと手を握っていてすごく美味しかったです、と何度も話しかけている。S母を東上線の改札まで送り、ツルハで買い物、往来座に寄ってからS家に帰る。『ミステリと言う勿れ』10巻読む。S家泊。

東京都の感染者数、25人。

 

12月11日土曜日

曇り。玉ねぎトマトベーコンのクリームパスタ。先日マルエツで安売りしていたドライトマトも入れる。相席食堂、マリックさんが曲がったキュウリをハンドパワーでまっすぐにしている。先日産経新聞で読んだ記事が腑に落ちず、気になった箇所をSに読みあげ訴える。「『聖地』でタッグ 中野、杉並、豊島区がサブカル活用」という記事で、「『オタク』の聖地は秋葉原だけじゃない」と記事がはじまる。「3区はもともとサブカルになじみが深かった」とし、杉並は全国で一番アニメ制作会社が多く、中野は中野ブロードウェイがあり、豊島区は手塚治虫が住んだアパートを再現したトキワ荘ミュージアムがある、としているが、手塚治虫トキワ荘の面々はサブカルだろうか。まんだらけタコシェがある中野ブロードウェイは確かにと思うが、記事のなかのサブカルとはオタクとはなんのことを言っているのだろうか。もし豊島区でサブカルっぽさをあげるとすればトキワ荘よりも、膨大な同人誌を扱うアニメイトKブックスまんだらけの並ぶ乙女ロードのあたりか、つげ義春が描いた「池袋百点会」とかではないだろうか。

「聖地」でタッグ 中野、杉並、豊島区がサブカル活用 - 産経ニュース

夕方、歩いて茗荷谷小石川図書館へ。次回のBスポで使う本を2冊借りる。古書会館に車で行くSに茗荷谷モスバーガーの前で拾ってもらう。古書会館で出品。駐車場に古本屋たちがたくさんおり、怖いから一緒に来て、とSに言われるが断る。終えて、雑司ヶ谷マルエツ前でおろしてもらい、買い物してS家に帰る。Sは往来座へ。「細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」を半分くらい見たところでSが帰ってくる。夕飯は、ブロッコリーのごまポン酢和え、母がくれた鶏の味噌漬けを焼いたもの。uがくれたりんごも食べる。とても眠いが、観ないと年内80本にいかないでしょ、とSが言い張る。キネハラだと思う。映画「ブラック・ウィドウ」観る。マーベルシリーズを観たのが昔過ぎて設定の多くを忘れる。この人死ななかったっけ?これ誰だっけ?と言いつつ観、観終えたあとも、あんな赤い霧で洗脳とけるとか、あの人がガラス張りの部屋に閉じ込められてどうにもできないとかなくない?キャラクターにまったく感情移入できない、などぶつぶつ言い合う。CGの戦闘シーンはすごいが、きれいな石がぶつかり合っているだけではないかと思う。S家泊。

東京都の感染者数、20人。

 

12月12日日曜日

曇り。納豆ご飯。Sはマルハのサバ水煮缶にショウガとごまをかけたものを飯にかけて食べている。Sは往来座へ。ツイッターで知ったナミブ砂漠ライブカメラを見てみると、オリックス水飲み場に集まっている。オリックスは角がまっすぐで腹の下にある黒いラインがスパッツかなにかをはいているように見える。鳥が足元をうろつき、時々ダチョウと馬が遠くからオリックスの様子を伺いつつ水を飲んでいく。夜、世界堂で画材を、三省堂で雑誌カーサブスータス置物特集を買ってから往来座へ。旅行から帰ってきためずらしいことりちゃんに沖縄の話を聞く。みんな元気そうでなにより。りょーちゃんがいつからおいらって言ってたのか宇田さんとママのふたりから聞かれたとのこと。saさん。彼女と友人(男)と3人でご飯を食べに行き、彼女が自分ではなく友人の隣りに座ることをどう思うか問題など。本搾り、飲み過ぎる。ハナマサで買い物。夕飯は砂漠のライブカメラを観ながら豚しゃぶ鍋、しめにラーメンをふたりで1玉。asさんに借りた漫画『神々の山嶺谷口ジロー、読みはじめる。S家泊。

Namibia: Live stream in the Namib Desert - YouTube

東京都の感染者数、13人。

 

12月13日月曜日

晴れ。起きてすぐ砂漠のライブカメラを見ると、まだ日がのぼっておらず真っ暗。あ、うさぎ!とS。見ると白いうさぎが水を飲んでいる。ミートソースパスタ。Sは往来座へ。仕事の絵と文字。ときどき隣りの部屋のつけっぱなしにしているユーチューブで砂漠を見るとシマウマが水を飲んでいる。ヌー、馬、オリックス、鳥が入れ代わり立ち代わり水を飲んでいく。夜、往来座へ。ハナマサで買い物。Sはまだやることがあると言うので、本搾り飲みつつ先に帰る。9時過ぎSが帰る。ハナマサで買ったチキンのサラダ、母にもらった魚の干物、干し椎茸の煮麺。サラダが酸っぱい、とS。ユーチューブで、ムール貝酒蒸しにして〜、プレイヤーチェンジ、を見る。M家泊。

東京都の感染者数、7人。

 

12月14日火曜日

雨、晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。あまったキーマカレーもらう。終えて、往来座へ。夕方、早めに店を閉め、S、n、tと池袋のビックカメラパソコン館へ。往来座のパソコンと外付けハードディスクを買う。パソコンを新調するのは3年ぶりとのこと。パソコンが思っていたより安く買えたので、4人で文芸坐そばの居酒屋ひなたへ。生ビール、緑茶ハイ、焼きとん、セロリ漬け、もつ煮込み、唐揚げ、アンチョビポテト、など。最近話題の書評、失言などについて話す。古本屋は作家に版権払ってないじゃん、と作家に思われているとは。作家と版元と新刊本屋と図書館と古本屋は四輪駆動の車のようなものではないのだろうか。買ったパソコンを往来座に置く。Sがセロテープをカットする動画を撮る。家に帰ると注文していた『広島銭湯』の冊子が届いていてうれしい。M家泊。

広島銭湯部

東京都の感染者数、24人。

 

12月15日水曜日

晴れ。1時間寝坊する。ヨーグルト。慌てて食堂アルバイトへ。新しく入ってきたアルバイトの人がなにをできるかを考える。チーフに、とろけるチーズいる?忘れないでもって帰って、と言われていたのに忘れて帰る。セブンイレブンで書影のスキャン。S家へ。Sは休日、出来たばかりの動画を見せられる。夜、本搾り飲みつつ、西友まで買い物。東池袋の高架下の店舗がみな店を開けていて明るい。サン浜名に忘年会の予約。夕飯は、豚バラ白菜水菜の柚子塩鍋。しめにふたりでラーメン1玉。「鬼滅の刃 遊郭編」の2話目見る。M家泊。

東京都の感染者数、29人。

 

12月16日木曜日

曇り。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。今日が最終出勤日なので、みんなから口々に、良いお年を、メリークリスマス、など言われる。昨日忘れたとろけるチーズを持ち帰る。S家へ。掃除。『全集 伝え継ぐ日本の家庭料理』が無事完結発売されたのでツイートする。夜、往来座へ。本搾り。新しいパソコンは調子がいい、とn。大倉で買い物。夕飯は、トマトホワイトマッシュルーム、ゴーヤチャンプルー、干し椎茸の煮麺。アメトークのサウナ芸人見る。壇蜜さんが、池袋サンシャイン60横のタイムズスパ・レスタをあげている。S家泊。

東京都の感染者数、30人。

コロナの秋 12月3日から12月9日

12月3日金曜日

晴れ。ミートソースのショートパスタ。不忍ブックストリームの見直し。Sは往来座へ。掃除。請求書書き。昼過ぎ、往来座へ。Sと近所まで台車を押しながら買い取りへ。昔、下宿屋を営んでいたそうで、2階に通されると廊下の両脇に木の戸がいくつも並んでいる。呼んでいただいた方の義母が営んでいたそうで、夫が早く亡くなり女手一つで子どもを育てるためにはじめたとのこと。昔はこのあたりに下宿屋がいくつか並んでいたそう。うちの2階も下宿をしていた。昔の2階の匂い、男臭さとタバコの混じる匂い、をふいに嗅いだような気になる。終えて、台車を押して往来座に戻る。saさんにジュンク裏の郵便局の横にできた甘味屋のシュークリームを半分もらう。最近食べたなかで一番うまかったラシーヌのシュークリームも食べてもらおうと買いに行くが売り切れ。saさんにカフェラテとりんごももらう。Sと大倉前の花屋で白い花を包んでもらい、K会長宅へ。会長に花を渡し、お父さんの祭壇に線香をあげる。奥の部屋には会長のギターとエフェクターがたくさん。相続などもろもろの書類がたいへん、と会長。オリオンビールをもらう。Sは往来座へ。わたしは三省堂書店へ。『ポーの一族 秘密の花園2』とシリーズ紙礫『ゴミ探訪』を買う。S家に一度帰り、夜また往来座へ。本搾り。asさん、ru先輩。ハナマサで買い物。夕飯は、茅野のNさんに教わったサルサソース、ホットプレートで焼肉、チンしたご飯をふたりで半分ずつ、かつおみりんをかけて食べる。昨晩から見はじめた「鬼滅の刃 無限列車編」の続き。冒頭、原作にないエピソードが足されている。S家泊。

東京都の感染者数、14人。

 

12月4日土曜日

晴れ。ベーコンブロッコリーのクリームパスタ。毎日ブロッコリーばっかりもうやだ、とS。ブロッコリーは母がよくくれるので冷蔵庫で渋滞している。戦闘シーンがかっこいい、あと長い、炭治郎の悲しみとか別にいい、と昨晩の鬼滅の感想をSがぶつぶつ言っている。Sは往来座へ。3時、Sと車で古書会館まで。入札のなかった本の出品のし直し。久しぶりにAちゃん。白山通り、不忍通りを少し遠回りして雑司ヶ谷に帰る。Sは往来座へ。夜、K会長宅に寄り、大倉で買い物してから往来座へ。poさん、miくんと妖怪の話。本搾り。夕飯は、トマトアボカド、イカとエリンギ炒め、干し椎茸煮麺。イカうまい。明日行く江戸博の予約を取ろうとサイトを見ると、ネット予約のボタンがあり、行きたい時間、名前、電話番号など入れ、最後にクレジットカードの番号をと画面に出、招待券なのになんでカード番号入れんだよ、と腹が立ちやめる。いいよ俺の番号入れるから、と見かねたSが続きを入力し、予約はできたが腑に落ちず。その後、せっかく両国方面に行くのならと近くのギャラリーのサイトを見るとどこにも住所も定休日も載っておらず、ツイッターのアカウントにも住所がなくあきらめる。「鬼滅の刃 無限列車編」続き。うまい、うまい、と言いながら弁当を食べる煉獄さんを見、頭のおかしい人じゃん、とS。Sが「ゴミ探訪」に収録されている詩と小説を朗読しようとするが、出てくる漢字が難しく、ルビもなく注もないのであきらめる。本も読めず、予約も満足にできず、行きたい店の住所も探せない。S家泊。

東京都の感染者数、19人。

 

12月5日日曜日

晴れ。ひきわり納豆ご飯。Sは、炒めたソーセージ5本にひきわり納豆のパックふたつ、卵ふたつ入れたものを混ぜ、飯にかけて食べている。米は茅野のYくんが送ってくれた新米にキビを入れて炊いたもの。ちょっと固いがうまい。古書組合のユーチューブ、コショなひと、は司書房。ちり紙交換から本を買っていたらアパートの床が抜け、その本で古本屋をはじめ、展覧会に参加するためのタダ働きからスーパーの店頭で古本を売るまでの前篇。面白いなー、と言うと、さすが北部、とS。米粒写経のユーチューブの古書探訪のコーナーに京都のレテシィア書房。そこから永六輔の口調でいろんな人を演じる、がはじまり笑う。Sは往来座へ。昼過ぎ、往来座でuと待ち合わせ、池袋から山手線で秋葉原、乗り換えて両国まで行く。電車のなかで昨夜のたどり着きたい情報にたどり着けない問題をuに嘆いていると、わたしも今日が最終日の菓子屋の2階でやっている展示の情報にたどり着けなかった、とu。ツイッターとかで書かれる、本日まで、ってのも苦手で、とu。本日がいつの本日かわからない問題。江戸博へ。Sさんにいただいた招待券で「縄文2021」を観る。土器や土偶を見ながら、どうやって使っていたのかをふたりでぶつぶつ言い合う。縄文土器には蓋がない。縄文土器に描かれた模様はここまで土のしたに埋めるの目印なのではないか。縄文土器の精度に比べ土偶の出来が拙いのは、土器を焼く大人の横でこどもが作っていたんじゃないか説など。常設展も見る。ふたりとも数年前にも来ているはずだが、体験型の展示、桶をかつぐ、とかしか覚えておらず、なにを見ても新鮮で楽しい。暖房器具のない江戸の冬は無理など。恵比寿でスカートのライブを観るuと両国駅で別れ、わたしは歩いて東陽町まで。靖国通りに出て左折、てきとうに右折し森下方面へ。高橋のらくろ〜どという商店街を見かけたので抜ける。歩いていて商店街が出てくるととても楽しい。三ツ目通りに出ると角に竹の湯、右折し木場公園まで、美術館通りから三石橋を渡り千田交番を右折、四ツ目通りを南下し東陽町へ出る。地下鉄の駅に近づくにつれ街が明るくなり飯屋が増え、離れると暗くなるの繰り返し。古くからやっていそうな寿司屋が多い。道路は碁盤の目のようにまっすぐ道に迷いようがない。水路のような川が出てくるたびに橋を渡る。マーブルさんなら行ってみたいとSが言うので東陽町で待ち合わせ、駅からすぐの団地の横にある古本と肴マーブルへ。ツイッターで本日の肴が書かれた黒板を見かけるたびに行きたいと思っていた。瓶ビールと黒板に書かれた本日の肴の盛り合わせを頼む。マグロの漬け、ムール貝のオイル煮、クミン味の赤キャベツ、春菊のおひたし、もやしのナムル、巾着の煮ものを半分ずつ。どれもうまく、盛り合わせをお替りし、ビーフシチューも頼む。焼きおにぎりも出していただく。じゃこ山椒の飯に醤油がさっとぬってありうまい。となりで飲んでいた男性が昔往来座でアルバイトをしていたNちゃんの先生だとわかる。ピンホール写真を撮られているとのこと。肴を食べ尽くし、本を3冊買い、帰る。東西線高田馬場まで。ホープ軒でトマトラーメン食べ歩いて目白まで戻る。食べすぎた、なんで止めてくれなかったと愚痴ると、飲んだあとにラーメン食べて帰るなんて久しぶりだから言えなかったとS。目白駅に置いていたSの自転車をひいてファミマで買い物。「鬼滅の刃 無限列車編」を最後まで。煉獄さん。S家泊。

東京都の感染者数、20人。

 

12月6日月曜日

曇り。寒い。冷凍していた食堂カレーの残り。マイルドうまい。「ムショぼけ」続きを見るがのれず、見る気をなくす。Sは往来座へ。入谷コピー文庫の原稿を書くが終わらず。夜、大倉で買い物してから往来座へ。本搾り。夕飯は、トマト、母がくれた餃子、とろろ蕎麦。「鬼滅の刃 遊郭編」見る。S家に10巻まであるので無限列車編も遊郭編のはじめも読んでいるはずなのに、これ誰?などSがうるさい。「ゴミ探訪」のなかの「女の髪」田山花袋を読む。スッ、スッ、と畳をこする音がずっと頭で再生され続けて怖い。小野不由美の「残穢」に出てくるエピソードそのままだが、元ネタかなにかだろうか。それとも、この家は実際にあって、知らずに同じ家をモデルに小説を書いたのではないか、と思うとよけい怖い。電気をつけたまま寝る。M家泊。

東京都の感染者数、7人。

 

12月7日火曜日

曇り。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。忙しい。賞与です、と1万5千円もらう。終えて、往来座と郵便局に寄ってから、S家へ。まだ昼飯を食べてないというSが、サッポロ一番醤油味に冷凍のコーン一袋とツナ缶を入れたものを大鍋で煮、食べている。コーンとツナ缶がケンカしていると言いつつ、いやでもこれうまいな、とS。入谷コピー文庫の原稿、書き終わらず。SはBスポの動画を編集している。夕方から雨。夜、Sと近くのマルエツまで買い物へ。本搾り。夕飯は、トマト、オニオンスライス、明太子クリームパスタ。asさんに借りた映画「夕陽のギャングたち」観る。面白すぎて衝撃が走る。中身とあっていない題名がもったいない。音楽がションションしている。3人でチューチューしているが関係がさっぱりわからない。M家泊。

東京都の感染者数、19人。

 

12月8日水曜日

雨。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。今日から来る新しいアルバイトの人は検便未提出で来られず。営業に来た業者がくれた、レバーと鶏つくね入りのおつまみパックをもらう。終えて、大倉で買い物してからS家へ。Sはサッポロ一番醤油味に手でちぎったしいたけと卵を2個入れたものを食べている。昨晩観た「夕陽のギャングたち」の音楽が衝撃的だったのでユーチューブで聞き直していると、ションション、とあの歌詞が流れた瞬間にSがラーメンを吹き出す。入谷コピー文庫の原稿。夕飯は、トマトエシャロット、食堂でもらったおつまみパック、干し椎茸の煮麺。先日ブックオフで買ったプレステ2のゲーム「Rez」をやる。音楽シューティングゲーム。2面までいくがきりがないのでやめる。その後テトリスを少しやる。M家泊。

東京都の感染者数、21人。

 

12月9日木曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、S家へ。洗濯、掃除。入谷コピー文庫の原稿、書き終わる。夜、往来座へ。貸してくれたasさんに「夕陽のギャングたち」の感想など。3人の関係は恋敵ではないかとasさん。往来座の動かないパソコンでなんとかワードを立ち上げ入谷コピー文庫の原稿を印刷し梱包、帰り道のポストから出す。本搾り。ローソン100で買い物。夕飯は、トマト、玉ねぎかぼちゃアスパラベーコンのグラタン。saさんにもらったりんご。このりんごすげーうまい、とS。早々に寝る。S家泊。

東京都の感染者数、17人。

コロナの秋 11月26日から12月2日

11月26日金曜日

晴れ。だいぶ前にもらって冷凍していた食堂のカレー。マイルドでうまい。水曜日のダウンタウンで落とし穴の回、パンサー尾形すごい。Sは往来座へ。掃除。Sと車で要町の向こうまで買い取りへ。すぐに終え、S家そばまで車で送ってもらう。仕事の絵。夜、パルコの世界堂で画材を買う。通路沿いにある占い師屋の前を通ると、なにが起こるかわからないよねー、と言いながら占い師たちが帰り支度をしている。ツルハ、大倉で買い物してから往来座へ。本搾りのシークワーサー味、うまい。手帳編集部の面々が、来年こそは早めにいろいろやりたい、とスケジュールを出し合っている。ru先輩とSは日本シリーズのいろいろを熱く語っている。巨人が出ていないので落ち着いて野球が見られる、と巨人が好き過ぎるru先輩。夕飯は、菜の花豚しゃぶからし和え、uにもらった一反木綿のような湯盛うどん。紙にあったやり方通り、うどんはさっと茹で、鶏肉しいたけごぼうを煮た汁に滝平二郎の絵がラベルに使われているビミサンという出汁醤油で濃い目に味付けしたものをつけ汁にして食べる。麺は見た目よりももっと一反木綿でぴらぴらしている。汁は塩っぱいがうまい。「おかえりモネ」続き。おまえに何がわかる、ずっとそう思ってた、とりょーちんが叫んでいる。S家泊。

東京都の感染者数、19人。

 

11月27日土曜日

晴れ。キューピーのソースを使ったカルボナーラ。Sは往来座へ。仕事の絵。ぜんぜん描けない。夜、日本シリーズを見るため、Sが早めに帰ってくる。山のほうにあるというほっともっとフィールド神戸での試合、選手たちの息が白い。いまの気温は7度です、とアナウンサー。オリックス山本の球がミットに吸い込まれていく。夕飯は、ツナをのせたオニオンスライス、大根しいたけ豚バラを煮た汁をぶっかけた蕎麦。卵もおとす。延長12回、代打からのヤクルト優勝。哲人が泣いてるー、と言いながらSも泣いている。M家泊。

東京都の感染者数、16人。

 

11月28日日曜日

晴れ。納豆ご飯。NHK日曜美術館の最後のコーナーで、鎌倉でやっている刀剣の展覧会のお知らせ。見ていた母が、美術館に行くといっぱいいるのよ、若い女の人で刀見てるひと、わたしにはさっぱりわからないんだけど。日曜だが食堂アルバイトへ。チーフと日本シリーズの話。巨人ファンでどちらかといえばオリックスを応援していると言っていたチーフに、ヤクルト優勝したじゃん、全部の試合面白かったなー、と言われる。終えて、S家へ。仕事の絵。指先でオイルパステルが溶けないのはいいが、絵を描く部屋がとても寒い。夜、描いた絵をファミマでスキャンし、往来座から送る。nは閉店後の片付けをし、Sは今晩の不忍ブックストリームの配信の仕度をしている。9時過ぎに配信がはじまるがネットの調子が悪く、すぐ離脱。ほかのパソコンに変えてみたりいろいろ試すが繋がらず、結果アイフォンで繋げ、なんとか乗り切る。画面が小さく、どう映っていたのかその場でよくわからず。Bスポは、漫画の巻数の多さを競う、ロングロンガーロンゲスト。終えて、落ち込みつつ片付け。Sとジュンク堂向かいの松屋で夕飯、ハンバーグライス、Sは大盛りカレーを食べる。ネットもパソコンも根本がよくわからないままやっているので、なにかあった際にまったく対処ができない。M家泊。

東京都の感染者数、9人。

 

11月29日月曜日

晴れ。ヨーグルト。母は今日明日と箱根に旅行。キアズマ珈琲でUさんと打ち合わせ。例年だと神宮野球大会を見ながらの打ち合わせだが、今年はUさんの見たかった試合、花巻東、が朝8時半からで、しかも人気があるので7時前から並んでいるらしいと聞きやめました、今年から配信もあるんですよ、と。Uさんの好きなパストラミサンドを注文すると、いま赤丸さん休みなのでいつものパンと違うんですけど、と店主。赤丸さんは膝の手術をしたとのこと。昔、古本屋は1、4、7、10月に目録を出せば食べていけたんです、中身がそんなにかわらなくても表紙だけかえて、でもネットが全部かえてしまった、いいものは目録じゃなくてもネットでもどこでも売れるんです、それなら目録を出す意味ってなんなのか。最近ね、また土方巽が気になって読んだり写真集を見たりしてるんですけど、体にね、亡くなったお姉さんが住んでるって、そのお姉さんがときどき背中で転ぶんですって、そのとき片足を出して体を支えるんだけど、それが彼にとっての舞踏なんですって。ぼくにとっての古本屋も、ムトーさんにとっての文字も、その片足なんじゃないですか。Uさんが、坪内さんと長谷川さんのことを書いた『ぽかん09』をいただく。Uさんが見たいというので、キアズマを出たあと、長谷川さんがやっていた小沢書店があった場所まで一緒に歩く。鬼子母神通りを抜け目白通りに出て左折、呉服屋のすぐ横のビル。ここが旧小川書店ビルだと知っていたのは通るたびに、ここが小川書店、昔は地下がサロンみたいになってて、とSに言われていたからだ。明治通りだと思ってそれとなく探しながら歩いてたんだけどそれらしいビルがなくって、こっちですかー、と目白通りに建つ、いまは1階にタピオカ屋が入るビルをしげしげと眺め、ポストの住所表示と外観を写真に撮る。ムトーさんに長谷川さんのことを書いた『ぽかん』を渡した日に小沢書店のビルが見られるなんて、と喜んでいる。同じ道を引き返し、鬼子母神のなかを抜ける。Uさんは立ち止まり、真っ黄色に染まった大銀杏にスマホのカメラを向ける。お参りしましょう、ムトーさんの分も出しますから、と、50円玉を賽銭箱に向かって投げるが、それて箱の外に落ち、それをまた拾って投げる。願いごとを頭に浮かべて手を合わせていると、そんなに長くお願いしても無理ですよ、50円なんですから、と笑っている。ジュンク堂前の交差点でUさんと別れる。往来座に寄り、Sと往来座うらの浮浪雲でラーメンを食べる。昨日の電波不良の配信は見直すのが怖い、とS。昨晩の片付けをしているSを往来座に残し、先にS家に帰る。夕飯は、スモークポークのサラダ、干し椎茸の煮麺。「おかえりモネ」を最後まで。新次が死亡届に判子を押し、みーちゃんが告白する。みーちゃんは悪くないよ、と言えるモネになった。派手さはないが静かに変化を積み重ねていく好ドラマだった。起こったことはかえられないし、忘れもできないけど、こういう考え方や折り合いのつけ方はどうですか?という作家からの未来の提案に思えた。M家泊。

東京都の感染者数、8人。

 

11月30日火曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。忙しい。終えて、往来座へ。Sと池袋西口のシネマロサへ。昨日Uさんにすすめられた村上春樹原作の映画「ドライブ・マイ・カー」を観る。細部は春樹だがテーマが「おかえりモネ」とほぼ同じで驚く。ロサ会館まわりの街のスピーカーから、客引きの言うことは全部ウソです、と強いことばが流れ続けているが、そのすぐ下で客引きをしている。ロサ会館周りの飲み屋街はまだ閑散としており、大きい豊田屋も休業している。観終えて、缶ビールを飲みながらばしとんへ。生ビール、ホッピーセット白、枝豆、スパイシーポテト、もつ煮込み、焼きトンいろいろ。モネと映画の感想など。M家泊。深夜、雨の音で目が覚める。大雨。

東京都の感染者数、21人。

 

12月1日水曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、大倉で買い物してからS家へ。Sは休日、「おかえりモネ」の音楽を流しながらブログを書き、布団に転がりながら「あまちゃん」の好きなシーン、第1回目のアキちゃんが海におりていくところ、春子さんが上京し上野をカートを引いて歩くところ、あんべちゃんがマメブーケバブーと言っているところ、を見直している。前野さんに聞いちゃった、あっちではモネがどう見られてたのか、そしたらまわりで見てる人いないって、あっちでは震災から10年でいろんなイベントがあるみたいで、とS。夕飯は、ローストポークのサラダ、母からもらった餃子、干し椎茸と卵の入った煮麺。映画「とんかつDJアゲ太郎」観る。雑。原作では描かれていた、DJのこと、とんかつのことをもっとちゃんと描きべきだと思う。原作の漫画がもったいない。M家泊。

東京都の感染者数、21人。

 

12月2日木曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、S家へ。たま(猫)がうんこをしたこたつ敷きを洗濯。洗い終わった敷物を洗濯槽から出すと、なかに小さなうんこが転がっており、うんこ汁で洗っていたと気がつく。Sから、今日買い取りなんだよねー、と電話。夕方、Sと車で要町の先まで買い取りへ。終えて、往来座へ。nがかんぺを折っている。「名画座かんぺ」は10周年120号とのこと。めずらしいことり発行の「HALO」3号をもらう。表紙の絵がいままでで一番好き。本搾り。nがかんぺを配りに行くので早上がりしSに店番をかわったが、すぐに雨が振り出し、もう閉めよっか、とS。外の均一棚を片付けだす。大倉で買い物。本搾り。期間限定だったシークワーサー味はもう売っておらず、いつものグレープフルーツ味を飲む。帰ろうとするとかんぺ配りに行っていたnが戻ってくる。これからまだかんぺを折るとのこと。夕飯は、冷奴、豚しゃぶの菜の花のからし和え、大倉で見たら食べたくなった寿司の折り詰め。いくらの軍艦ののりがうえに上がりすぎていて、ミニスカ太もも丸出し寿司のようになっている。S家泊。

東京都の感染者数、11人。

古本マニア採集帖

『古本マニア採集帖』(皓星社)が発売になりました南陀楼綾繁さんが36人の本好きたちにインタビューしています。わたしは装画と挿絵を描きました。装幀は横須賀拓さん。すてきな本になりうれしいです。一般の書店にも並んでいますが、本書を直取引で扱ってくださる書店、古本屋にはおまけとしてオリジナルポストカードが2枚ついています。本書の内容、ポストカード付きを扱う書店など、詳しくは皓星社のサイトをご確認ください。

古本マニア採集帖 | 皓星社(こうせいしゃ) 図書出版とデータベース

f:id:mr1016:20211201162414j:plain

帯を取るとこんな絵が現れます。古本マニアのみなさんです。

f:id:mr1016:20211201163239j:plain

ポストカードは、装画と同じものと、こちらの抽象画の2枚です。

f:id:mr1016:20211201162545j:plain