断片日記

断片と告知

コロナの秋 10月22日から10月28日

10月22日金曜日

雨。ベーコンナスじゃがいもブロッコリーのバジルパスタ。雨降るなんて聞いてないよー、と言いながらSは往来座へ。だらだら過ごす。夜、雨と寒さで往来座まで行く気になれず、東池袋マルエツへ買い物に。本搾り買って飲みながらS家に帰る。鶏肉をネギと生姜で煮る。先日ツルハドラッグで、20ロールが4ロールに、5倍、災害備蓄用にも、と書かれたトイレットペーパーを買った。いままで買ったものの最大は3倍までだったので5倍は未知だったが使っても使っても減らなくてすごい。駅の便所のトイレットペーパー並に薄いがとても丈夫。ツイッターにはイラストレーターやデザイナーが作った投票促進用のポスターがたくさんあげられている。VOTEということばに馴染みがない人、わたしのような、はどうしたらいいのか。Sは遅くなるとのことで、先に煮ていた鶏鍋に野菜を入れて食べる。23時近くにS帰る。大鳥神社横のファミマでばしとんのM店長に会ったとのこと。明日はY元店長が池袋店に来る、来週から1年半ぶりに通常営業ができる、と喜んでいたと。Sの夕飯は、残りの鶏鍋に野菜とうどんを足したもの。古書組合のユーチューブ、コショな人で早稲田の「古書ソオダ水」の回を見る。見ながら、これはブルースだよ、とSが数回言う。M家泊。

東京都の感染者数、26人。

 

10月23日土曜日

晴れ。納豆ご飯。ふだん土曜は休みだが、大学のイベントがあるため食堂アルバイトへ。チーフは娘さんの七五三ということで休み。終えて、気になっていた新宿の本屋イレギュラー・リズム・アサイラムを目指して明治通りを歩く。日清のところを左折、文化センター通りを少し行き右折、靖国通りに出、ブックオフの斜め向かいのセブンイレブンの横道を入って2ブロック目を左折、角の飲み屋やスナックが入る白いビルの階段のぼって3階にある。アナーキスト関連書籍と大杉栄全集などと一緒に、国内外のZINE、ポスター、Tシャツなどが並び見ていて楽しい。 『オン・ザ・ロード 書物からみるカウンターカルチャーの系譜』とシールを2枚、日本全国でのまんこの別名が記載されたポストカードを買う。帰りは違う道をと、靖国通りを超えてすぐの道を入っていくと東京医大にぶつかり、左折。このあたりは歩いたことがなくはじめての景色をずっと見ていたいが、サンダルと薄着で歩くことに耐えられなくなり、明治通りに出て東新宿から副都心線雑司が谷に帰る。家に寄り、靴下上着など着、母にほうれん草セロリなどもらい、往来座へ。nに、ムトさん今年初?と靴を履いていることを指摘される。お向かいのキッチン南海、11月末に閉店だって、聞いてた?とn。今日山手線が止まってるんだって、店に人がすごい多い、とS。夜、Sといつぶりかのばしとんへ。Y元店長が串を焼いてる。Y元店長は出世し、いまはこの地区のエリアマネージャーをしているとのこと。店の前に停めているバイクも新しくなっている。生ビール、ホッピーセット白、ぱりぱりピーマン、枝豆、もつ煮込み、焼きとんいろいろ。外を歩いている人たちが店の中をのぞき次から次へと入っていくる。外を歩いていた手帳編集部のru先輩もちらっとのぞき帰って行く。みんな飲み屋の明かりがうれしくて仕方がないといった様子。しかし連日外で飲むと財布から札がばんばん消えていき怖い。ミニストップで買い物してS家に帰る。誕生日でSからもらったコーンチョコを少し食べる。おいしくて罪悪感がすごい。麦チョコとコーンチョコは高校生のころ食べすぎて太ったために禁忌の食べ物として自分のなかにあり、その禁を犯す感が半端ない。Sは甘い抹茶の粉末を牛乳に入れチンして飲んでいる。S家泊。

東京都の感染者数、32人。

 

10月24日日曜日

晴れ。いい天気。納豆ご飯。Sは昨晩ミニストップで買ったしじみ70個分のカップ味噌汁に納豆2パック、卵1個を入れ混ぜたものを丼飯にかけて食べている。うまいとのこと。冷蔵庫に入れたまま忘れていた6月末に京都に行ったときに買った玉ねぎの漬物を出すが、甘い、健康的な味がする、と言い一口くらいしか食べない。茶色くなりはじめた梨も食べる。Sは往来座へ。夕方、大塚まで散歩。ガリ版印刷所をのぞきHちゃんが作ったZINEを探すが見つからず。そのまま巣鴨駒込と線路沿いを散歩。大塚と巣鴨のあいだの線路沿いに模型屋巣鴨西友裏にプロレスグッズ屋を見つける。駒込のたんぽぽハウスを見、こんどは線路の反対側を大塚まで。山下書店、たんぽぽハウスを見、イケサンパークを抜けて雑司ヶ谷まで帰る。家で着替えてから往来座へ。めずらしいことりちゃん、miくん。本搾り。ハナマサで買い物。雑司が谷駅までめずちゃんを送る。夕飯は、寒いので豚バラとほうれん草の鍋、しめにラーメン1玉入れて食べる。映画「暴動島根刑務所」観る。先日、手帳の作業をしていたときにasさんとpoさんが話題にしていた映画。まさかの相棒もののロードムービー松方弘樹のとぼけた顔と暴力。飯よこせー。明日は検診なので、遅くに牛乳飲むなとSに言う。S家泊。

東京都の感染者数、19人。

 

10月25日月曜日

曇り。白湯。豊島区の無料の健康診断を受けにSと鶉山医院へ。いつもの身長体重、採血、尿検査に加え、50の節目でレントゲンと心電図もとる。問診でO先生がパソコンのモニターに映る心電図を眺めしばらく無言なので、なんかやばいっすか?とたずねると、いやー5年前10年前のと見比べてるんだけどかわんねーなーと思って、と。廊下には苔栽培用の水槽が置かれ、O先生の机の周りはかえるグッズだらけ、髪の毛は金田一くんのように後ろで縛っている。前は1ヶ月とかで切りに行ってたんだけど、縛れるのってほんと楽、とO先生。検診終え、Sと昼飯を食べに目白通り沿いの華天園へ。瓶ビール、餃子、麻婆ラーメン。Sは半チャーハンとチャーシュー麺。いま心がだめな時期だから食べちゃって太る、この時期の検診はつらい、とS。毎年、手帳の発売時期と検診が重なるので、来年は8月か9月のもう少し気が楽な時期にしようと提案。自分が言わないと人が動かず発展がないことのいらだちについて。食べ終え、明日の買取先の路地の確認。思っていたよりも道が太く車も入れそう。大倉で買い物。夕飯は、トマト、母からもらったさつま揚げ、れんこんピーマンの豚バラ炒め。さつま揚げを食べ、これ魚の味が濃くてうまい、とS。M家泊。

東京都の感染者数、17人。

こんなに減る日がこんなに早く来るとは思っていなかった。

 

10月26日火曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。激混み。終えて、往来座へ。白土三平亡くなりましたね、と奥で作業していたasさん。谷口ジロー展を観ていて、シートン動物記のとこでちょうど白土三平のことを考えてたら訃報が流れて、と。物販で買ったという谷口ジローの複製原画を見せてもらう。Sと車で昨日下見したご近所まで買い取りへ。本のほかに引き出しや食器など。いまはなき目白のコマースやケーキ屋ボストンの話ができてうれしい。終えて、本と一緒に買ってきたコップ皿などを商品化しすぐ棚に並べる。大倉で買い物。本搾り飲みながら車で帰る。夕飯は、トマトアスパラ島らっきょ、デミグラスソースのハンバーグ。ヤクルト優勝のニュース。M家泊。

東京都の感染者数、29人。

 

10月27日水曜日

曇り、小雨。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、豊島区の検診で池袋眼科へ。眼底検査のついでに緑内障の検査もしてもらう。目線はまっすぐ前のまま白い点が光ったらボタンを押してくださいねーと言われ、5分ほどボタンを押し続ける。正常値の範囲内とのこと。眼底検査は検診で無料だが、緑内障のほうは4千円かかりつらい。往来座の2軒隣りに建てている安藤忠雄建築事務所設計のビルの覆いが取れている。角がとんがったコンクリートのビルで、この並びではあまり見ない形をしている。往来座でtに郵便物を預かり、雑司ヶ谷郵便局に出しに行く。S家へ。日本の古本屋の自著を語るコーナーに『東京の古本屋』のはっち。ボエーズのことや『銭湯断片日記』刊行記念での内堀さんとのトークがきっかけのひとつとして書かれていてとてもうれしい。『東京の古本屋』もまた、誰かのきっかけのひとつになっていくんだろう。

日本の古本屋 / 『東京の古本屋』

Sが途中まで作ったBスポ動画を見る。poさんから作り込み過ぎについてアドバイスをもらったとのこと。見やすくなっている。夜、Sとマルエツまで散歩。本搾り買って飲みながらまた散歩。都電の線路沿いにのびる東池袋5丁目あたりの路地は、古い家が密集して残っているところと、なんとか用地の看板がたち空き地になっているところと、高層マンションになったところとで、町がまだらになっている。路地の奥に戦後のままのような木造の廃屋。東池袋マルエツで買い物。高速の高架下の飲み屋飲食店に明かりが灯っている。夕飯は、鶏つくね鍋。ハーゲンダッツのマカデミアナッツ味もひとり1個食べる。映画「北陸代理戦争」観るも途中で眠気に負ける。M家泊。

東京都の感染者数、36人。

 

10月28日木曜日

晴れ。暑い。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。途中社長が顔を出したりなんだりで、ばたばたと一日忙しい。パートのKさんは今日で仕事を辞めて、大宮に住む娘さん一家と同居するとのこと。社長の差し入れのカレーパンとあまった唐揚げもらう。終えて、往来座へ。Sにカレーパンあげる。S家へ。掃除。夜、家に寄り母にささみチーズカツもらう。往来座へ。asさん。本搾り。大倉で買い物。店を閉めて出た後、NとSと往来座の並びに建った安藤忠雄建築事務所が建てたビルを見に行く。転んで頭をぶつけたら血が吹き出そうなくらい角がすごい鋭角。道の反対側に渡りビルの全体を見ながら、かっこいいじゃん、とふたり。夕飯は、トマトブロッコリーアボカド、オニオンスライス、ささみチーズカツ。「北陸代理戦争」の続き観る。この時代の俳優たちの顔のでかさがかっこいい。北陸人の特徴みたいなものが読み上げられたと思ったら唐突に終わる。最近自分は唐突に終わる映画が好きなんだと思っていたが、そうした映画を何本か観ているうちにそうでもないと知る。物語がばーんっと大きく終わるのは好きだが、ただの唐突はただの唐突。ヤクザ映画で争いの元と描かれる利権とかシマとか盃をやるとか顔をつぶされたとかにも自分は興味がもてない。S家泊。

東京都の感染者数、21人。

コロナの秋 10月15日から10月21日

10月15日金曜日

晴れ。カット野菜と豚バラでケンミンの焼きビーフン。Sは往来座へ。洗濯。手帳販促用に、昨日ユザワヤで買った布にON SALEの文字を描く。慣れない素材で難しく毎年どうやってもうまくいかない。4時に往来座へ。店の奥で付録を折っているnを手伝う。手帳は、付録折り、付録の封入、帯巻き、opp入れ、を1000冊分やる。後から来ためずらしいことりのHちゃん、新宿でロメロの映画「アミューズメントパーク」を観て打ちのめされているpoさん、近所のuと手帳編集部の面々で作業。作業中、暴動島根刑務所、刑務所の中、スタローンが苦手なわたし向けのおすすめスタローン映画、の話などする。新入社員のころ町の電気屋での研修期間が一番楽しかったというpoさん。本搾り。例年通り2日間を見ていたが、封入作業は1日で終わる。Sは販促用の布にさげるために注文していた電球をつけたり消したり、新宿の世界堂へ額縁の受け取りに行ったりしている。新宿で迷い伊勢丹の前から逆方向に歩き、世界堂まで20分くらいさまよったとのこと。丸井っていっぱいあるんだよ、とS。ハナマサで買い物。夕飯は、トマト、先日のまつやの味噌鍋のスープの残りに白菜豚バラなど足した煮込みうどん。疲れてすぐ寝る。S家泊。

東京都の感染者数、57人。

 

10月16日土曜日

曇り、小雨。れんこんブロッコリーベーコントマトパスタ。相席食堂は、はるか師匠の回。クローゼットの奥にあった猫のうんこをSがかたしている。ファンクラブ会長のKさんから誕生日おめでとうがメール届く。50歳。30になったときも40になったときもとくになんの感慨もなかったが、50にしてはじめて戻れない一線を越えた気がする。例年なら今日から3日間雑司ヶ谷はお会式だったが、コロナ禍で昨年に続き中止。jさんの文章を考える。夜、家に寄り母が作ったドライカレーをもらい、往来座へ。Sは下にカラフルな電球をつけた布を店頭に設置している。リモコンで電球の色が変わるというもの。本搾り。閉店後、Sはステップ台のうえを空け、額装された帯文の色紙と手帳とnの本を配置。配置しているnを動画に撮ったりしている。ハナマサで買い物。誕生日だからとファミマでコーンチョコとハーゲンダッツのアイスをSが買ってくれる。夕飯は、トマトアスパラ、おろし豚しゃぶうどん。早めに寝る。S家泊。

東京都の感染者数、66人。

 

10月17日日曜日

雨。母が作ったドライカレー。味が濃く、これご飯がいっぱい食べられる、とS。『名画座手帳2022』発売日のため、Sはいつもより1時間以上早く家を出る。汚れている窓ガラスを拭きたいとのこと。だらだら過ごす。夜、往来座へ。saさん、めずらしいことりのHちゃん。本搾り。nとSは、手帳とnの本の発送作業をしている。宛先のテープ貼りを手伝う。Hちゃんに讃岐のり染のポシェットを誕生日プレゼントでもらう。カラフルでかわいい。ハナマサで買い物。寒いのでSが電気ストーブを出す。夕飯は、ハナマサで買ったにんにく味噌鍋の素に、小松菜豚バラ豆腐里芋を入れた鍋。スタミナつけたいから肉いっぱい入れて、とS。厚めの掛け布団も出す。早々に寝る。S家泊。

東京都の感染者数、36人。

 

10月18日月曜日

晴れ。いい天気。ナスベーコンのトマトパスタ。洗濯。Sは早めに往来座へ。たま(猫)がうんこをした掛け布団など洗濯。Sがホットカーペットを早く出したいというので、ホットカーペットにかける布を探しに、明治通りを歩いて新宿まで行く。金をおろそうと伊勢丹1階に入る三井住友銀行に行くと、向かいの丸井の1階がアップルショップになっているのに気がつく。世界堂の裏手に出来たイケアを地下から3階まで見るも、ちょうどいい大きさの布がなく、扱っている商品も少なく。いっそのこと素の布地を買えばいいのかとアルタ裏のオカダヤへ行く。アルタ裏の沖縄料理やんばるは営業しているものの、2階からうえが休業中で1階にしか明かりがない。表通りは人出はあるものの、裏手に入ると人がおらず、閉めたままの飲食店も多く、街が寂しい。オカダヤは売り場が縮小され、布地館はアルタの4、5階に移動とあるので、アルタへ行く。アルタ横のくだもの屋百果園は休業中で、おりたシャッターはグラフティだらけ。何年ぶりかで入ったアルタは、1階は改装中なのかシャッターだらけ。わたしが学生だったころ、ここの4階か5階には古着や軍モノ雑貨の店、中華雑貨を扱う大中か宇宙百貨があり、サブカルっぽい香りに惹かれてよく訪れていたが、いまはその気配もない。4、5階のオカダヤを見るもこちらもちょうどいいサイズがなく、そのまま高島屋のハンズ、南館のニトリを見、結局ニトリで布を買う。昨年買ったニトリの布は洗うとすぐ縮んだが今年のはどうだろうか。歩くのが面倒になり、新宿駅南口から山手線で池袋まで。三省堂ジュンク堂で立ち読みし、ジュンク堂1階にあったフェスティバル・トーキョーの一環のガリ版印刷所のスペースでリソグラフのZINEを何枚かもらう。往来座へ。asさん、めずらしいことりのHちゃん、印刷会社のふたり。本搾り。nの母親から電話が来、宮崎なまりで返すnがとても新鮮。宮崎弁って方言じゃないんだよね、イントネーションなんだよね、とn。装画を描いた『古本マニア採集帖』の情報がネットにあがりうれしい。発売は11月末。

古本マニア採集帖 | 皓星社(こうせいしゃ) 図書出版とデータベース

ハナマサで買い物。夕飯は、ハナマサで買った豆乳しょうが鍋の素に、白菜豚バラなどを入れたもの。M家泊。

東京都の感染者数、29人。

 

10月19日火曜日

曇り、小雨。寒い。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。激混み。あまったカレーもらう。終えて、大倉で買い物してからS家へ。猫たちがホットカーペットのうえで寝ている。しばらくして、車で古書会館と郵便局に行っていたSが戻る。Sは腹が減ったと言いながら冷凍のうどんをチンし、麺つゆと玉子ををかけて食べ、ユーチューブでさだまさしの「償い」をかけながらブログを書いている。夕方、Sが映画「復讐するは我にあり」のロケ地になった場所を確認したいというので、目白台まで散歩。マイバス斜め前の目白台児童遊園、とその前のバス停。いまは映画に出てきた鰻屋もなく、ブランコもなく、柵の形もかわったが、遊園内の木の形や道の形状はほぼそのまま、をスマホで撮っていた写真を見ながら確認する。マイバスが休業中だったのでコープで缶ビール買って飲みながら、薬罐(夜寒)坂を通って帰る。坂の途中にあったプレートによると、名前の由来はヤカンのお化けが出たとかなんとか。寂しい坂だったらしい。この坂をはさんで、大町桂月と窪田空穂が住んでいたと書かれている。夕飯は、トマトブロッコリー、冷奴、チンしたかぼちゃと茄子にカレーとチーズをのせてトースターで焼いたもの。明日金沢から来るKさんのために映画「さらば愛しき大地」を観ないといけない、とSが言い張るので観る。こないだSと金沢に行った際、Kさんがその日の午前中に観、シャブ中役の根津甚八が腕に本当に注射を射っていた、秋吉久美子がかわいい、と熱弁していた映画。根津甚八のブログを読むと、撮影の前に医者に相談しながらブドウ糖で注射を射つ練習をしていたとある。シャブでだめになっていく男の目の先に、風でゆれる木々や稲穂が描かれているのが印象的。映画のタイトルから受ける感じと中身がだいぶ違うなとも思うが、観終わってみれば揺れる田園風景にそれもそうかもなーとも思う。M家泊。

東京都の感染者数、29人。

 

10月20日水曜日

晴れ。いい天気。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、往来座へ。夕方、KさんとカメラマンのTさんが往来座に初来店。塩っぱいお土産と甘いお土産もらう。昼に本郷のもり川という学生向きの食堂に入ったら量が多くていまだに腹がいっぱいというふたり。Kさんは腰痛がひどく、腰に100円ショップで買った紐を巻き、立ち上がるときなど紐を引っ張って腰の骨を調節、ばらばらな背骨をはめる、とのこと。東京に行くと思っただけで具合が悪くなるんです、とKさん。nの本を買ってくれる。次の本の取材で一緒に来たカメラマンのTさんは、Kさんのことが大好き。首から下げた中国製だという動画カメラと、ごっついカメラでずっとKさんの横顔などを撮っている。9時の新幹線で帰るというので、ちょっと一杯と近くの雲吉へ。生ビール、グレープフルーツサワー、鴨スモークのサラダ、だし巻き卵、タコの唐揚げ。KさんとTさんは年齢は4つ違い。Tさんの髪が黒々しているからかとても還暦超えとは見えず。ふたりの出会いはKさんが十月社にいたときからで、もう長い付き合い。TさんはKさんがする話、文学や本や映画の周りのことが本当に好きで、それを書いて残して欲しいとお願いするが、自分は書く人ではないとずっと断られ続けているとのとのこと。反対にKさんはSに向かって書くように出しましょうよと言うが、渋い返事をもらっている。Kさんが次に出す本の資料に銭湯の記述があるというので、その部分のコピーした紙をもらう。「さらば愛しき大地」を観た話から、Kさんがすすめる映画「独立愚連隊」など岡本喜八の映画についてのいろいろ。Kさんの造本には波があり、凝ったものを作りたいときと、さらっとしたものを作りたいときがあり、いまはまた凝った本周期に入った、『龍潭譚』もそのひとつと。赤い紙に黒い活版文字で刷ったときにはほとんど文字が読めなかった、などトライアンドエラーの繰り返しだが、トライをやめないところがKさんらしくかっこいい。Kさんはグレープフルーツサワーを2杯、Tさんは金沢から車で帰るというので烏龍茶を2杯飲む。やめてよ、最後のお別れじゃないんだから、と渋るKさんTさんを池袋駅の改札まで送る。M家泊。

東京都の感染者数、41人。

 

10月21日木曜日

曇り。寒い。納豆ご飯。昨晩、Kさんにもらったコピーを読み、出てくるいまはなき銭湯の場所はどの辺だろうと検索していると、赤猫さんという方のブログにたどり着く。1960年からの東京の銭湯の変換をグーグルマップで作っておられ、ひとつひとつの銭湯の名前の変換から、書誌情報まで詳しく書かれていて驚く。コピーにあった銭湯の場所も、わたしが小さいときにはあったが名前を忘れてしまった銭湯の数々も、マップを見れば一目瞭然。すごいすごいとマップを見続けていると時間を忘れ遅刻しそうになる。

東京23区の銭湯の変遷 | 赤猫丸平の片付かない部屋

慌てて食堂アルバイトへ。終えて、往来座へ。Sは先に車で椎名町のT先生の家へ。わたしは後から歩いて椎名町まで行く。T先生宅では学生たちとSが、大学の文化祭に出す古本屋台のために本の選定をしている。学祭は昨年は中止、今年は学内の人のみで開催すると、つい先日知らされたんですよー、と学生のひとりYくん。売り物にならない本は往来座が引き取り、まだ売れそうな本は学祭用にダンボールに詰め直す。自分はいかに算数ができなかったか、中学のときに数学はもう捨てた、ノートを提出したら3くれるっていうから出した、と不得意な勉強のあれこれをつい最近の武勇伝として語る彼らを見、大学生とはこんなに華奢だったっけと思う。50になった自分とは、まったく別の生きものなんだなとはっきりわかる。Sは一度車を置きに雑司ヶ谷に戻り、わたしは先にT先生と学生たちとで近くの博多屋へ。最初に、生ビールを飲む人ー、と声をかけると、手をあげたのはわたしとT先生のふたりのみ。学生たちはソフトドリンク、カシスウーロン、グレープフルーツサワーを、弱いんですと言いながら1杯の半分から2杯くらいしか飲まない。後から来たSが生ビールばっかり4杯飲んでいる。串カツ、やきとん、マカロニサラダ、ポテトサラダ。ふたり以上の人と飲むの久しぶりと学生たち。好きなことしかしてこなかった、だから自分は売れなかったけど、ムトーさんもそうじゃない?世の中に貸し借りがあるとは思わないでしょ、とT先生に言われる。T先生と学生たちと椎名町駅前まで歩く。駅前の100円ショップは近くに大きなダイソーができたので、閉店セール中で10円ショップになっている。駅前で別れ、学生たちは電車で、わたしとSは歩きで帰る。大江戸で回転寿司を少しつまみ、往来座に寄り、ローソン100で買い物し、本搾り飲みながらS家に帰る。Sは牛乳に抹茶の粉末を溶かしたものをチンして飲んでいる。一口もらうとほんのり甘くてうまい。S家泊。

東京都の感染者数、36人。

やくにたたない、たいせつなもの

西池袋のブックギャラリーポポタムでは、いま、映画「芸術家・今井次郎」特別展を開催している。2012年に亡くなった今井次郎さんのドキュメンタリー映画の公開にあわせた作品展だ。誘っていただき顔を出すと、ギャラリーの壁のどんつきに懐かしい作品がかけられている。銀色の大きな楕円形の皿の裏に黒のマジックで描かれた顔、皿の頭には造花と電飾がくっついている。棚のうえには黒いマジックで線がひかれた白いマッコリの空ボトル。飾られた作品たちをを眺めていると、覚えてる?曇天画も買ってくれたよね、と、ポポタムの大林さんが言う。

次郎さんと会ったのは、2010年6月にポポタムで開催したわたしの個展「曇天画」のときがはじめてだっただろうか。次郎さんの家が近くだったからか、大林さんが声をかけたのか、観に来てぱっと曇天画のクロッキーを買ってくれた。

銀座だったか八重洲だったか、わたしが次郎さんの個展を観に行くと、だだっ広いギャラリーの床に、不用品で作られた作品が散らばって置かれ、奥の壁に映された映像の前で、次郎さんがひとり、マッコリの白い空ボトルで頭を叩きリズムをとっている。わたしひとりの会場に、次郎さんがポクポクと頭を空ボトルで打つ音が流れ続ける。

2012年1月にポポタムで開催した次郎さんの個展「新春JIROX実演と展示 田舎の出来事」。わたしはときどきする店番の恩恵で、展示とともに、行われたライブを観ることが出来た。ジョニー大蔵大臣、マコメロジーなど、毎回違うゲストの演奏とともに、次郎さんはギターを弾いたり歌ったり、白いマッコリの空ボトルで頭を叩いたり。ときにはゲストも一緒にマッコリの空で頭を叩いたり。

ポポタムで店番をしていると、次郎さんがふらっとのぞき、帳場の向かいに置かれた椅子に腰掛けていく。なにを話したかも覚えていない。次郎さんがずっとにこにこしているので、わたしもずっとにこにこする。

次郎さんが亡くなったのはポポタムで個展をしたその年の冬。入院中に出された食事で、カットされたキュウイやパインを目に、ちぎったパンを体や手足に、煮物を髪の毛や服に変貌させてみせた。そうして生み出されたなにかは、写真を撮ったあとに次郎さんがぜんぶ食べた。病院の人も困っちゃって、でもトレーからはみ出さなければいいですよって言ってくれて、とパートナーのかやさんが教えてくれた。薄いピンク色のトレーのうえに描かれた生きものたちは、トレーの色と同じ薄いピンク色でくるまれた1冊の本になり、いまポポタムに並んでいる。

10月末から公開される映画「芸術家・今井次郎」を試写で観た。次郎さんが作ったいくつもの曲、不用品で作られた作品、役者として出演した演劇、入院食で作られた生きものたちが、次郎さんを知る人たちのことばや映像で紹介されていく。映画のなかで、知っている次郎さんと知らなかった次郎さんになんども出会う。次郎さんに会うのに早いも遅いもない。まだ会ったことのない人に、今井次郎さんという生きかたがあるということを、映画を通して出会って欲しい。「やくにたたないたいせつなもの」を作り続け、「ここだけのはなし、幸せになっちゃお」と歌い続けた生きかたは、わたしの希望だったから。

 

***

ドキュメンタリー映画「芸術家・今井次郎」

2021年10月30日から渋谷ユーロスペースにて。

連日10時30分から1日1回上映。

初日10月30日と翌31日は、来場者全員に今井次郎さんの「ミールアート缶バッジ」をプレゼント。

上映後、10月30日(土)は石川浩司さん、31日(日)は時々自動より柴田暦さん・高橋牧さん・日高和子さん、11月3日(水・祝日)はテニスコーツのライブがあります。

次郎さんと深く関わりのある人たちの演奏を聞ける機会です。ぜひ、おでかけください。

映画『芸術家・今井次郎』公式サイト – 60年の生涯を生ききった天才のドキュメンタリー

ユーロスペース

映画「芸術家・今井次郎」公式ツイッター:@imaijiro_movie

***

映画「芸術家・今井次郎」特別展

ブックギャラリーポポタムにて、2021年10月8日(金)から10月31日(日)まで。

ブックギャラリーポポタム|東京目白にある本とギャラリーのお店 | 東京目白にある本とギャラリーのお店「ポポタム」のWebサイト。

 

コロナの秋 10月8日から10月14日

10月8日金曜日

晴れ。納豆ご飯。2年ぶりにけいこに会ってきます、とテーブルに母のメモ。けいこは所沢に住む母の妹。食堂アルバイトへ。あまった唐揚げもらう。終えて、往来座に寄ってからS家へ。『テセウスの船』7巻まで読む。夜、池袋のパルコと西武をふらふら見、無印で靴下を2足買う。ハナマサで買い物してから往来座へ。本絞り。夕飯は、アスパラアボカド、もらった唐揚げ、レンコンピーマン豚バラの炒めもの。jさんの試写。観ながら涙が止まらず。M家泊。

東京都の感染者数、138人。

 

10月9日土曜日

曇り、晴れ。ヨーグルト。目白駅から山手線に、新宿から小田急線に乗り登戸まで。JR新宿駅、ホームの一番新大久保よりにあった階段がなくなり、西口にあった大きな改札がなくなり、南側に東西に出られる小さな改札ができている。10時に登戸の中央改札で待ち合わせ。すでにいた隊長とTaやんに久しぶりと手を振る。すぐにSmちゅとTuちも来る。haちゃんはいつ来るかわからないとのことで、先に歩きはじめるが、誰もhaちゃんの携帯番号を知らないことが発覚。家に電話したり、伝言を残したり。藤子・F・不二雄ミュージアムの前を通り、あじさい寺だという妙楽寺でお参り、丘陵の住宅街と林のなかをうねうね歩き、水生植物鑑賞池を抜け、ゴルフ場の周りをぐるっと歩くと、いつもの浄水場のところに出、山の上の家へ着く。3時間、1万2千歩くらいの散歩。歩いている途中に話したのは、プレステ2での好きなゲーム、龍が如く、真島のアニキのマネなど。三国志などキャラクター作りができるゲームの面白さ。朝飯と夕飯に何を食べているか。ダイエット。仕事で怒られたこと。田口さんの本造りの面白さ。小沼丹石神井での展示。子どもを寝かしつけたあと、30分だけゲームをするのが楽しみ。腹減った、早くビール飲みたい。ゴルフ場の脇を歩いているとき、バイクに乗ったhaちゃんが、見つけた、と言いながら登場する。このあたりを歩いているはずとあたりをつけ、バイクで2周したとのこと。山の上の家に荷物をおき、近くのいなげやに酒の買い出し。庭では料理長のhaちゃんが鉄板でお好み焼きを作り、隊長がおこした火で焼肉をする。じゃんけんで勝ち、和牛4枚食べる。うまい。ちくわ入りのお好み焼きもうまい。haちゃんがホットサンドメーカーでチョコレート入のワッフルも作る。うまい。缶ビール、本搾り。なにか食べるたびに、幸せだね、とつい誰かが口にする。Kちゃんたち。そうそうこういうたわいもない話がしたかった、とアリスが言う。夕方、解散。Taやん、Smちゅ、Tuっちと生田から小田急線に乗る。登戸でTuは南武線に乗り換え、わたしは急行新宿行きに乗り換える。乗りながらこのまま新宿に行き山手線に乗り換えるのが嫌になり、代々木上原で途中下車する。小田急線沿いの商店街、ロスパペさんの前を通り、感じのいい古着屋、飲み屋が点々とつながる街を羨ましく思いながら歩く。街にいる人たちがわたしが生活している場所と外国くらい違う。山手通りに出、山手通りの1本裏道を代々木八幡沿いに歩くと参宮橋に出る。裏道のあたりはビンテージマンションや大きな家が立ち並び、参宮橋の商店街は小さな店が連なっていている。商店街を10匹以上の小型犬を引き連れひとりで散歩する男。いまどきの和風っぽい佇まいに改装された参宮橋駅。代々木に建つドコモのエンパイアステートビルがぐんぐん近く、夜空に薄紫の光が大きくなっていく。明治神宮脇の高速沿いを歩き、適当なところで左に曲がって代々木駅へ。歩くのに飽き、山手線で目白まで帰る。往来座に寄ると、今日届くはずのnの本はまだ届いておらず。最近重いもの持ち上げるとき声出さないと上がらなくなっちゃった、とS。ローソン100で買い物、家に寄り母に大根と鶏の煮物をもらい、先にS家へ帰る。疲れたので転がって『テセウスの船』を最後まで読む。ところどころ納得できないところあり。夜、早めにSが帰る。nの本はまだ届かず、とのこと。Sの夕飯は、母にもらった煮物と小松菜肉うどん。うどんを一口もらう。呪術廻戦の続き見る。nの本、うちの店が土日休みだと配送業者が勝手に判断して届かなかったとのこと。じぇじぇじぇ、とS。またS爺が送ってくれた栗を水につける。S家泊。

東京都の感染者数、82人。

 

10月10日日曜日

晴れ。れんこんアスパラベーコンのトマトソースパスタ。Sは往来座へ。蕨のJR変電所で火災、都心のJRが止まっているニュース。小三治師匠の訃報。夕方早めに往来座へ。nの本が届き帳場の前にダンボールが積まれている。nは店の奥で限定の数字を書きoppに入れ、Sは帳場でマスキングテープで封をしている。帳場の隙間に椅子を置き、nが数字を書いた本をoppに入れる作業を手伝う。夜、めずらしいことりのHちゃんも来、マスキングテープ作業の手伝い。Sは店の奥に、来週届く手帳を置く場所を空けている。Hちゃんが高松に行った話、なタ書でZINEを作った話。閉店8時ちょうどごろ限定300冊分の作業終わる。本搾りで乾杯。かんぺ1号から見開きをめくっていくと、文字がどんどん増え細かくなっていくのが、ぱらぱら漫画のようにわかる。大倉で買い物。雑司が谷駅にHちゃんを送る。夕飯は、ローストポークのサラダ、とろろ蕎麦。昨晩水につけておいた栗を茹でる。tが面白いと言っていたドラマ「ムショぼけ」をTVerで見る。役者も絵もかっこいい。呪術廻戦の続き。Sはまだ温かい栗をスプーンでほじって食べている。『テセウスの船』を読みはじめたSが、タイムマシンものの定番の過去はいじっちゃダメ、じゃないんだねー、と言っている。S家泊。

東京都の感染者数、60人。

 

10月11日月曜日

晴れ。暑い。あまって冷凍していたシチューと豚バラ玉ねぎでクリームパスタ。栗を食べつつ、相席食堂で八代亜紀サンプラザ中野の回見る。Sは布団に転がりブログを書くか、『テセウスの船』を読むかしている。夜、Sと散歩。マルエツから、昔刃研ぎ堂さんが住んでいた家の横を通り、イケサンパークから東池袋マルエツまで。刃研ぎ堂さんが住んでいた東池袋から向原に向かうあたりは、古い家がどんどんなくなり、豊島区のなんとか用地と書かれた看板が建つ空き地になっている。何度もカツ丼を食べに行った刃研ぎ堂さんの家は、路地の奥の右手だったか左手だったか、もっと奥の家だったか。周りの景色も変わりはっきりわからず。Sは、左手のこの家じゃん、ほら、ここにさ刃研ぎ堂さん風呂出してて、露天風呂だって言ってたじゃん、と言うが。イケサンパークのベンチに腰掛け本絞り飲む。往来座の向かいの喫茶店でよく師匠の姿を見た。前を通るとき道に面したガラス窓から見るともなしに中を見ると、たいてい真ん中の大きなテーブルに新聞を広げている姿があった。喫茶店は昔マネージャーをしていた人の店とのこと。高田馬場の師匠の家から、前はバイクで、最近はバスで通っていた。バス停が往来座の前にあるので、外の均一の本を手に取りぱっと会計していく師匠を、往来座にいるとちょくちょく目にした。小柄な体に、藍染のパッチワークのような、だぼっとした藍色の洒落た上着を羽織り、帽子をかぶっていた。往来座をぱっとのぞき、一言二言、nやSと会話する姿もよく見ていた。店にない本を頼まれることもあり、頼まれた本をSはネットで探して取り寄せていた。気に入った本は人に配るのか、同じものを何冊も頼まれた。これもっと若いときに読んどきゃ名人になれたのにって、人間国宝になったあとにそんなこと言うんだよ、とS。つい先日もぱっと往来座に来、ぱっと出ていく姿を見たばかりだった。自分はこうして書いておきながら、訃報が流れたとたん、ツイッターに並ぶお悔やみ申し上げますが気持ち悪くて仕方がなかった。東池袋マルエツで買い物。夕飯は、作るのが面倒くさく、ホットプレートで焼肉、オニオンスライス、冷奴。めずらしいことりHちゃんの高松土産でもらったダシ醤油でイカを炒めると屋台の100倍くらいうまくて驚く。屋台のイカって一口で飽きるけどこれはうまい、とS。呪術廻戦を最後までと、「ムショぼけ」の2話目を見る。M家泊。

東京都の感染者数、49人。

 

10月12日火曜日

曇り、雨。納豆ご飯。2年ぶりにマキに会ってくる、と母。マキは柏に住む母の友人。食堂アルバイトへ。久しぶりに激混み。あまったちくわ天もらう。終えて、往来座へ。Sがいたので、大倉で買い物して一緒に帰る。nの本と手帳の注文が続々と入っているとのこと。S家に帰り、Sはぶつぶつ独り言を言いながらパソコンで動画編集の勉強をしている。困った困った、こりゃ大変だ、といちいちうるさい。jさんの文章。ユーチューブで、宮本浩次のYouTuber大作戦、のアーカイブ見る。楽しい。夕飯は、母がくれた大根と鶏の煮物、ちくわ天、ゴーヤれんこん豚バラのチャンプルー。深作欣二の映画「県警対暴力組織」観る。戦後、ヤクザになった側と警察になった側と。ヤミ米。アカ。M家泊。

東京都の感染者数、77人。

 

10月13日水曜日

小雨。涼しくていつまででも気持ちよく寝られる。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。忙しい。終えて、往来座へ。ローソンのカフェラテもらって飲む。三省堂書店で立ち読みし、S家へ。途中、コロナ禍でずっと閉めていたジュンク堂ななめ向かいのカラオケ館に、いつぶりかの電気がついている。jさんの見直し。寒いのでモズ(猫)がずっと膝のうえに乗ってくる、重い。夜、往来座へ。Sは今週末入ってくる手帖の置き場を作るためにブツストック置き場を整理している。本搾り。もう一本飲むか、とtが言うのでもう一本。一緒に買ってきたニンニク味のかっぱえびせんがうまい。時給と交通費の話からボタンの掛け違いのような話し合いになり、本搾り3本飲んでも終わりそうにないので先にS家に帰る。以前金沢で買った、まつやの味噌鍋の素のとり野菜で鍋作って食べる。食べ終わったころSが戻る。Sの夕飯は残った鍋に肉と野菜とうどんを足したもの。M家泊。

東京都の感染者数、72人。

 

10月14日木曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。学校での授業が再開したのか活気がある。終えて、S家へ。夕方、Sが車で運んできたブツのダンボールをS家に入れる。そのまま車で神保町の古書会館へ。出品。雑司ヶ谷に戻り車を置き、Sと往来座で採寸してから池袋のユザワヤへ。赤い布地を買う。そのままパルコの世界堂へ、白い絵の具買う。額縁見るも欲しいものがなく。一旦、往来座に戻ると、手帳編集部の3人の顔が真っ白になっている。手帳につける付録の1枚が、裏表同じものが印刷されていることに気がづいたとのこと。慌ててSが東池袋の印刷屋に電話。明日には刷り上がるとのこと。データなど印刷屋とのやり取りはnにまかせ、色紙と絵を持ってSと副都心線で新宿へ。世界堂本店で額縁を見、額縁とマットをお願いする。これも明日にはできるとのこと。副都心線雑司が谷に戻り、ピアゴで買い物して帰る。夕飯は、トマトアボカド、豆もやしのナムル、クリーム明太子パスタ。復活したあらびき団見る。楽しい。S家泊。

東京都の感染者数、62人。

コロナの秋 10月1日から10月7日

10月1日金曜日

雨。台風。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。あまった唐揚げもらう。終えて、往来座へ。いつも外に置かれている均一棚がすべて店内に仕舞われ、入り口には営業を見合わせている旨の貼り紙。帳場でSとnがかんぺ折りをしている。Sが小腹が空いたというので、ローソンでLチキとペペロンチーノの大盛りを買う。nは折り終わったかんぺを持って映画館へ。大倉で買い物してS家へ。9時半、買い忘れていたトイレットペーパー、食器用洗剤などを買ってSが帰宅。夕飯は、ローストポークをのせたサラダ、もらった唐揚げ。リリーさんと伊藤さん司会の「ザ・ニュージックビデオ」見る。ミュージックビデオのなかった時代の昭和の名曲に、現代のクリエイターがミュージックビデオを作る、という番組。シシヤマザキさん。S家泊。

東京都の感染者数、200人。

 

10月2日土曜日

晴れ。暑い。土曜日晴れるの久しぶり、とS。ミートソースパスタ。Sは往来座へ。洗濯。先日uにもらったディルの鉢植え。草を間引いたほうがいいと言われていたので、ディルの間引きと、一緒に生えていたパクチーを植え替え。やる気なく過ごす。夜、Kへ。店舗前に置かれている消毒液について。効かないものを知らずに置いているところが多いとのこと。往来座へ向かう途中で雷が鳴り出し、小雨が振り出したのでS家に引き返し、濡れた洗濯ものを取り込む。往来座へ。めずらしいことりのHちゃん。nがもらった果汁100%と書かれたグレープフルーツの缶チューハイをみなで飲む。すげーうまい、ハワイの朝みたい、と言い合う。数日前からS家の古いマックがはてなブログに繋がらなくなり、もういい新しいの買う、と言っていたSが、もうパソコン注文しといたから、明日届くから、と。大倉で買い物。Hちゃんを雑司が谷駅まで送る。夕飯は、鶏つくね鍋、しめにローソン100で買った糖類0麺を入れる。これこんにゃくだ、とS。キングオブコントの最後を見ると、空気階段が優勝がしている。Sはまた遅くまで動画を制作している。早く寝ろばか、と言うと、しょーがないじゃん、やり方わかんないんだもん、と怒りながらキーボードを叩いている。S家泊。

東京都の感染者数、196人。

 

10月3日日曜日

晴れ。カイワレおろしぶっかけうどん。昨日Sが注文していたパソコンが玄関に置き配されている。往来座で使っているのと同じクロームのパソコン。Sがセッティング。さくさく動く。Sは往来座へ。天気がいいので大塚まで散歩。駅ビルのうえの旭屋書店、北口の山下書店、たんぽぽハウスをのそき、たんぽぽハウスの前の道、宮仲公園通りを明治通りまで、明治通りを左手に折れ、車でこのあたりを通るとき見かけて気になっていたリサイクルショップめだまを見、池袋大橋から西口へ渡る。トキワ通りと地図にはあるが街灯には坂下通りとある商店街を山手通りまで。このあたりは大明小学校のアトリエで絵を描いていたころよく通った道。だいぶ家や店舗が入れ替わっている。山手通りに出ると正面には元ハタボウルだった場所が更地になりフェンスで囲まれている。山手通りを要町まで、ブックオフを見、山手通りから立教裏手の西池袋通りをびっくりガードから往来座へ。また100%果汁の缶チューハイを飲む。一口飲んだところで、あ、明日ワクチンだった、とn。一杯でやめとく、とのこと。miくんが植物の本を買っている。好きな街路樹の話。大倉とローソン100で買い物。夕飯は、ローストポークのサラダ、なかがわ製麺で買った皮で作ったシュウマイ。シュウマイも皮もうまい。『明日なき身』読み終わる。「生活保護を受けながら居所を転々とし、2010年3月号『群像』に短編小説『灯』を発表。以後消息不明。」。「灯」は岡田が入居する施設、窓から工場が見える、に友人が訪ねてきて終わる。友人も、気にかけてくれる恩師も、編集者もいるのに、消えるときには消えてしまう。「しまいは、再見、で結ばれていた。」。毎年、S爺が往来座に送ってくれる栗を水に漬ける。バーピー運動を続けている。S家泊。

東京都の感染者数、161人。

 

10月4日月曜日

晴れ。カット野菜と豚バラでケンミンの焼きビーフン。TVerでテレビ千鳥、菅田くんの回。Sは動画を作るか、往来座に行き画像を撮るか、ばたばたしている。ネット環境が悪く、切れ切れになるTVerで「キングオブコント2021」を見る。男性ブランコが好き。夕方、一晩漬けた栗を茹でる。Sはここ数日編集していた動画、古本大學時代の映像、をネットにあげている。なんでこんなに忙しいの、誰にもやれって言われてないけど、ぜんぜんお金にもならないのに、とS。Sと本絞り飲みながら散歩。イケサンパーク、マルエツ。夕飯は、オニオンスライス、薬味、ホットプレートで焼き肉。Sは粗熱のとれた栗を包丁で半分に切り、スプーンでほじっくって食べている。ときどきほじった栗をくれる。アマプラで「呪術廻戦」を途中まで見る。S家泊。

東京都の感染者数、87人。

 

10月5日火曜日

晴れ。ナスベーコン玉ねぎのトマトソースパスタ。古書組合のユーチューブ、コショなひとは「青いカバ」。いいなぁさわやかで、とS。前回の「杉野書店」も面白かった。昼過ぎ、Sと山手線で新宿まで、中央線で三鷹まで行く。山手線の車窓から新宿歌舞伎町あたりに建築中の鱗みたいなガラス張りのでかいビルが見える。三鷹に早めに着いたので駅近くを散歩。駅のしたを流れる玉川上水沿いを歩き、しばらく前にネットで話題になっていた三鷹電車庫跨線橋を渡る。昭和4年に建てられた陸橋が90メートルに渡って架けられている。橋の真ん中あたりに女子高生がふたり、ぺたっと橋のうえに尻をつけて座っている。渡り終えると太宰治がこの陸橋の階段をおりているところの写真と解説のプレートが置かれている。予約した時間になり、三鷹駅前の三鷹市美術ギャラリーで「デビュー50周年記念 諸星大二郎展 異界への扉」を観る。原画の迫力、漫画のなかに出てくるイメージソースが合わさった展示でとても見応えがある。初期のころの絵、とくに見開きや大きいコマの絵が力強く格好よく、しびれる。2時間近く観、入り口にあったヒルコの顔ハメで、Sに写真を撮ってもらう。中央線で新宿まで。Sが行きたいといっていたユーチューブグッズが豊富にあるという西口のヨドバシカメラへ。一帯が巨大なヨドバシだらけで驚く。長距離バスの乗り場だったところは、ヨドバシのベンチ置き場になっている。ユーチューブ撮影用の三脚など買い、探していたライトは見つからず、南口の東急ハンズも見るも同じ商品しかなく。ハンズから出、コンビニで缶ビール買い飲みながら歩く。帰って飯を作るのも面倒くさく、2年ぶりに世界堂そばの呑者家へ。生ビール、ウーロンハイ、もつ煮、チーズハムカツ、焼き鳥、秋刀魚寿司。ソース嫌いのSが、ソースがかかったハムカツを食べたとたん、うまい、と言う。空いていたので入ったが、飲んでいるうちに席が埋まっていき、ただ飲んでいるだけなのに不安になってくる。新宿3丁目から副都心線雑司が谷まで帰る。M家泊。

東京都の感染者数、144人。

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                          

10月6日水曜日

晴れ、曇り。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。チーフがレタスを切っているときに指も切る。ざっくりいったらしく、営業時間終えても血が止まらず。いつもお世話になっている鶉山医院も鬼子母神診療所も午後は訪問診療のみ、清水クリニックは定休日。医療情報に詳しいKに電話し近所の病院をたずね、チーフはユニフォームを着たまま教えてもらったKクリニックへ。仕事時間終えてもチーフは戻らず。往来座へ。夕方、Sと車で新宿御苑のそばまで買い取りへ。終えて、Sは往来座へ戻り、わたしは大倉で買い物してS家へ。夜、S帰る。夕飯は、冷奴、山芋の千切り、クリームシチュー。テーブルに並べてみてはじめて晩飯が全部白っぽいと気づく。Sは手帳の付録作りで頭がいっぱいいっぱい、ここ数日ひりひりしている。アマプラで呪術廻戦の続き。ごじょう先生がかっこいい。水曜日のダウンタウンおぼん・こぼん師匠のザ・ファイナル見る。M家泊。

東京都の感染者数、149人。

 

10月7日木曜日

曇り。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。昨日指を切ったチーフは、病院で4針縫ったとのこと。労災。漫画のように指に厚ぼったく巻いた包帯に、さらにサランラップを巻いている。1週間後に抜糸とのこと。給食もはじまり食堂はにぎやかで忙しいのに、指に包帯を巻いたチーフがウロウロしている。終えて、池袋の三省堂へ。夕方、ポポタムへ。亡くなった今井次郎さんの展示。次郎さんとはポポタムでの展示を観たり、観てもらったりした。曇天画のクロッキーも買っていただいた。ポポ番をしていると、ふらっと立ち寄りレジ台の向かいの椅子に腰掛けなんてことのない話をしたりしなかったりした。打楽器として使っていた白いマッコリのボトルが大好きだった。銀座かどこかでの展示を観に行ったとき、誰もいないギャラリーの奥で、次郎さんがひとりマッコリのボトルで頭を叩きリズムを取り続けていた。『JIROX MEALS』買う。次郎さんが病院食で作り続けた顔、生き物たちの写真集。往来座へ。本搾り。はぁ疲れたー疲れたー、とS。夕飯、なにを食べたか忘れた。呪術廻戦の続き見る。見ている途中で大きな地震、東京は震度5弱。Sは往来座に電話、まだ店にいたnに崩れたものがないかを聞いている。大丈夫とのこと。M家泊。

東京都の感染者数、143人。

コロナの秋 9月24日から9月30日

9月24日金曜日

晴れ。鶏肉ナスパプリカのグリーンカレー、ルーはハナマサオリジナル。手軽でうまい。鶏肉の白、ナスの黒、パプリカの赤、が炒めていて楽しい。Sは往来座へ。昼過ぎ、東池袋の再開発地域を歩きながらスマホで動画を撮る。封鎖されている柵に、この奥に住人がいます、と書かれた貼り紙。再開発に反対する黄色いのぼり。日に日に町の解体が進んでいく。伸びてきた髪にげんなりし、近所の美容室を検索して予約の電話。やりたい髪型はあるものの名前がわからず、下を刈り上げ頭頂部に髪を残す、ちょんまげ、などで検索するとマンバンという単語と写真が出てくる。念のため電話でマンバンが出来るかどうかを確認すると出来るとのこと。夕方、鬼子母神通りのSヘアへ。どれくらい切ります、と聞かれ、怖いのでこれくらいで、とスマホで探しておいた浅めのマンバンの写真を見せる。よかった、電話でマンバンって聞いたとき、どうやって女性らしさを出そうかと思って悩んじゃって、天辺にちょっとだけあるやつかと思ってたからドキドキしちゃった、と美容師さん。頭頂部に髪をまとめ、襟足にバリカンを当てる。いきますよー、わー、とはしゃぎながら襟足、耳の後ろ、もみあげを刈りあげていく。女でマンバンをやるのはじめてとのこと。マスクの紐のあたりが切りにくそうなので、一瞬マスク取りますか?と聞くと、大丈夫、もう2年もこれだもの、慣れました、たまに店に入ってきたとたんマスク取る人もいて、でも言えないんですよー、女性はまだいいんだけど、男性は耳の後ろ側の際までびっしり生えてる人がいるから大変。刈りあげ部分は薄過ぎても怖いのでおすすめの9ミリにしてもらう。放ったらかしでぼーぼーだった部分も整えてもらい、シャンプーして終わる。長い部分をおろしていると刈りあげた部分はまったく見えず、薄毛のおかっぱに見える。3週間くらい経って生えてきた毛が長過ぎだなーと思ったら次はもっと短く刈りあげましょう、ちょうどいいなーって感じだったら9ミリで正解かも、ちょっと様子みましょうか、コスパがいいのは自分で刈ること、真後ろは人にやってもらって。酔っぱらってやったらだめですよ、と念をおされる。髪が軽くて気持がいい。小腹がすき、S家で昨日nにもらったイチジクのパンをトースターで焼いて食べる。夜、往来座へ。マンバン頭、ru先輩とnには好評。長いもっと刈ったほうがいい、次は俺が刈る、とS。本搾り。大倉で買い物。夕飯は、シソ豚つくね鍋。Sはイチジクのパンと梨も食べる。映画「タクシードライバー」観るも途中で寝落ち。音楽がムーディー。S家泊。

東京都の感染者数、235人。

 

9月25日土曜日

曇り。明太クリームパスタ。Sは往来座へ。『火の鳥』読んで過ごす。夜、家に寄り、母が作った手羽元と玉子の煮物もらう。大倉で買い物してから往来座へ。Sとnは、先日買い取りし店の奥に積んであった本の山から市場に出品する分を仕分けて縛っている。『東京の古本屋』献本分から1冊もらう。本搾り。今日の昼、Aラージでマトンカレー食べたんだけどすごくおいしかった、とru先輩。夕飯は、ブロッコリーアボカド、母にもらった手羽元と玉子の煮物。映画「タクシードライバー」の続き観る。頭のおかしくなった帰還兵が皆殺しにして終わるのかと思っていたらぜんぜん違った。トラビス最後死ぬかと思ってたのに、とS。S家泊。

東京都の感染者数、382人。

 

9月26日日曜日

曇り。ナスとひき肉のカレー、ルーはジャワカレーハーフとバーモントの中辛。「こころ旅」、岐阜の飛騨古川の回を見る。鯉のリボンちゃん。瀬戸川に泳ぐ鯉に向かって日野正平が手紙を読んでいる。これ俺いっぱい出てくる、と『東京の古本屋』を読みながらS。Sは往来座へ。『火の鳥』と『東京の古本屋』を読む。わたしもぽつぽつ出てくる。本のなかのSは、昼間は三升屋の弁当を食べ、店では古本屋の仕事をしている。最近のSは、家で昼飯を食べてから出勤し、店でも家でも動画ばかり作っている。日常は同じことの繰り返しに見えてそうでもなく、このときだけのなんでもない日々のことがことばになって本に残っている贅沢さ。夜、往来座へ。saさん、めずらしいことりのHちゃん、miくん。本搾り。ハナマサで買い物。夕飯は、豆もやしのナムル、冷奴、豚肉ピーマンレンコン炒め。ハーゲンダッツのアイスをふたりでひとつ食べる。S家泊。

東京都の感染者数、299人。

 

 9月27日月曜日

曇り。寝坊。かき玉うどん。昼のニュースで小室圭さんが長い髪を結んでいるのを見、あの頭うらやましい、俺もやりたい、とS。慌てて支度をし、Sと車で神保町の古書会館へ。古書会館の駐車場も近くの駐車場も埋まっており、空くまで古書会館の周りを3周する。カーゴ2台分を中央市に出品。終えて、車で内神田へ。コインパーキングに車を停め、Sは免許の更新のため神田免許運転更新センターへ。わたしはその間、神田周辺を歩き、銭湯「稲荷湯」の場所を確認。神田西口商店街のアーチを見、そのまま商店街を散策。tabacco、公衆喫煙所、と書かれた自動ドアに人が出入りし、ガラス戸の向こうで煙草を吸っている。飯屋が道の両脇にびっしり並び、それ以外はマッサージ屋と個室ビデオ屋の看板が目立つ。2時40分の開店時間を目指し、銭湯「稲荷湯」に戻る。ビル街でぱっと見どこに銭湯があるのかさっぱりわからないが、レンガタイル貼りのビルの1階にのれんがさがる。白いのれんの真ん中に横に「稲荷湯」、右端に縦に殿方、左端に縦に婦人、その横に長谷川と黒文字で書かれている。のれんをくぐると、左手に下足箱、正面に自動ドア。入ると正面にフロント、手前に小さなロビー、フロント左手が女湯の入り口。入り口のうえの壁に、滝のうえに富士山、の絵がかかる。脱衣場。小さな島ロッカーが真ん中にひとつ、その背に洗い場に向かってベビーベッドがついている。左手の壁にサイズが小さめのロッカー、洗い場の手前左手に便所とコイン洗濯機が1台。右手の壁沿いに古いマッサージ機、赤いお釜の髪乾燥機、乗るとがちゃんと音のなる古い体重計、鏡と流しが並ぶ。右手の男湯との境の壁のうえには、石造りの大きなガマが座布団にのって鎮座している。洗い場。右手に立ちシャワー1台、そのまま男湯との壁沿いにカラン、島カランが真ん中に1列。左手の壁にもカラン。湯船は奥の壁沿い右手から、あたる場所が少しずつ違う座ジェットが3台、泡風呂、と区切りなく大きな湯船に並んでいる。湯は熱めな気がするが、温度計を見ると42度。湯船の奥の壁は半分くらい凹んだ部分があり、そこだけ茶色い長方形のタイルと、所々にヨーロッパの家並みのようなタイルが貼られている。そのうえの壁は、富士山のペンキ絵。男湯との真ん中に大きな富士山、そこから裾野がずーんと壁の端まで続いている。裾野の下には、左から、満開の桜、ひまわり、紅葉した木、雪ののった松の木、が並んでいる。ちらっと見える男湯のペンキ絵は、富士山の下に桜が見える。桜とひまわりの下に、広告が5枚貼られている。便利屋、広島料理、パン屋、居酒屋、霊験目薬。ビジネス街のため皇居ランナーと近隣で働く人たちが多い銭湯だと思っていたが、以外と年配の方たちが多い。フロントで銭湯遍路の判子を押してもらう。女湯入り口にかかる絵を指し、誰が描いたものかとたずねると、奥のもそうなんだけど、田中みずきさんの、この絵を持って営業に来てね、と店主。スタンプ帳の判子の下にある枠を指しながら、ここに日付けとか、田中みずきとか書いておかないと、見直したときに忘れちゃうから、と教えてくれる。ここは俺が生まれたときからだから65年、名前の由来はそこにお稲荷さんがあるから。「稲荷湯」のビルの横手、道に面している男湯の洗い場部分が一部ガラスブロックになっている。その斜め向かいに小さな新宿稲荷神社がある。コインパーキングに向かって歩いていると途中でSと出会う。Sにも「稲荷湯」の外観を見せてから、車で雑司ヶ谷に戻る。免許更新の講習で、講師の人の話し方が早すぎて何を言っているのかさっぱりわからなかった、とS。本籍地がわかるというバーコードが印字された紙を渡されたが、なにに使うかまったくわからない、とS。渡された冊子によると、昨年から交通事故の死亡者数が戦後はじめてくらいに減ったとのこと。道路に描かれたひし形のマーク、あれわかった、近くに横断歩道がありますよ、ってマークだった、とS。雑司が谷に戻り、Sと歩いて、池袋西武の地下のトミカショップへ。ミニカーを見るも欲しい車が見つからず。そこからビックカメラ、ヤマダラビのトミカショップも見る。ビックカメラで広島の路面電車のミニカー買う。西武の地下のガーデンでつまみ、みつぼで焼きトンを買い、往来座へ。店の奥にテーブルをセッティングする。Hちが来たのでローソン100に酒を買いに行き、缶ビールで乾杯する。『東京の古本屋』刊行記念飲み会。遅れて丸三での仕事を終えたZA先輩来る、また乾杯。近所のuとMiが通りかかってHちの本を買っていく。後からuが実家から届いたぶどうを届けてくれる。東京、コロナ、古本屋の三重奏。BOEES。宮崎県のシャッター商店街。心霊動画。まじめな姿勢で書かれたものは長く残る、とu。11時過ぎまで。久しぶりに飲み会というものをした。片付けて帰る。M家泊。

東京都の感染者数、154人。

 

9月28日火曜日

曇り。ミョウガ山芋納豆ご飯。昼過ぎ、Sと目白駅へ。山手線で高田馬場まで、東西線に乗り換えて木場まで。Sは、今日の切符はぜんぶ持って帰るからと言いながら、言ったそばから忘れて切符を自動改札に吸わせている。木場公園を抜けて東京都現代美術館へ。予約していた「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」を観る。神話、死、瀧、繰り返し。すごい情熱だなぁ、とS。売店見るもなにも買わず。過去作品にマスクをコラージュした作品。常設展も観るかと聞くと、もういっぱいいっぱい、無理、とS。木場公園で蚊にくわれたので近くの薬局でウナクールと本搾りを買う。ウナクール、すぐ効いてすごい。本搾り飲みつつ、門前仲町まで散歩。歩いているとすぐ川にあたる。富岡八幡宮、すぐ横の成田山深川不動産の周りには道沿いに屋台がたっている。植木屋、焼そば、焼き鳥、古道具。夕方で屋台は仕舞いつつあるが、観光地に来たようで楽しい。深川不動産は、社のすぐ裏手に高速の高架が走っている。越中島東京海洋大学の横を抜け、明治丸の横から向かいの相生の里を眺める。一平ちゃんを思い出す、とS。中の島公園から相生橋にあがり、橋を渡って月島へ。Sはまた股擦れが痛いとがに股で歩いている。せっかくだからもんじゃ食べたい、ともんじゃストリートを歩くと、道の片側が高層マンションになっていて驚く。もんじゃストリートは半分くらいシャッターがおりているが、開いている店にはそこそこ人が入っている。飲める店がなさそうなのでもんじゃは諦め、普通の居酒屋に入るとたまたま信州料理の店。誰もいない2階のテーブル席で食べ飲み、蕎麦でしめる。門前仲町も月島も歩いていると路地の奥に小さな飲み屋の明かりがぽつぽつ見える。とてもうらやましい。有楽町線で月島から東池袋まで。マルエツで買い物し、都電の線路でSと別れる。M家泊。

東京都の感染者数、248人。

 

9月29日水曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。食堂の営業時間が終わり、テーブルに置かれた飛沫防止用のパーテーションを拭いていると、一緒に拭いていたTさんが大きなため息をつき、これしなくて済むように早くなって欲しい、と独り言のようにつぶやく。終えて、家に寄り、母にミョウガをもらう。大倉で買い物してからS家へ。Sは休日、布団に転がるかブログを書くかしている。あまりにも手持ち無沙汰だから短いの作った、と、nがカンペを折る動画を見せてくる。さいとうたかおの訃報。夜、Sが散歩したいというのでマルエツまで。買い物して本搾り飲みながら、歩いたことのないマルエツの向かいの高速高架したを探検しつつ帰る。夕飯は、トマトアボカドブロッコリー、冷奴、なかがわ製麺で買った皮で作ったシュウマイ。皮がつるつるしてうまい。映画「ベルリン天使の詩」観る。学生のころ好きだった映画のひとつ。子どもが子どもだったころ、と字幕が流れた瞬間に、あー、と思う。有楽町の駅出てすぐの果物屋の向かい、焼きそばと立ち食い蕎麦屋の隣、1階がゲーセンのその2階の映画館で「ベルリン天使の詩」と「東京画」の2本立てを観たこともあった。いつも遅刻してくるYUさんと。M家泊。

東京都の感染者数、267人。

 

9月30日木曜日

曇り、ときどき小雨。納豆ご飯。NHKフジロックの感染対策を追いかけた番組。クラスターは発生しなかった、とのこと。食堂アルバイトへ。終えて、往来座へ。Sが一日店番。頼まれてローソンでアイスコーヒーのメガを買い、郵便局に分厚いゆうパックを出しに行く。S家へ。掃除。ここ数年、全集『伝え継ぐ日本の家庭料理』で目次と表紙の装画を描き、単発の絵を描き、金沢での展示も3度あり、常に目の前にあることを追いかけ過ごしてきたが、8月に全集最後の装画を提出し、その後ぽつぽつ装画の仕事があったもののそれも終わり、あれ?この先ぽかっとなにもない、と2ヶ月経ったいま急に実感が押し寄せる。家に寄り母の作ったピーマンの肉詰めもらう。夜、往来座へ。本搾り。夕飯は、豆もやしのナムル、トマトブロッコリー、冷奴、ピーマンの肉詰め。「ベルリン天使の詩」の特典映像を観る。M家泊。

東京都の感染者数、218人。

コロナの秋 9月17日から9月23日

9月17日金曜日

曇り。かき玉うどん。TVer水曜日のダウンタウン野田クリスタルをただのいいやつにしちゃだめですよ、と角田さん。Sは往来座へ、今日は一日店番。昨晩寝落ちした「SPEC~翔~」の続きを見る。仕事の版画。夜、家に寄り、母に茹でた栗と鶏の味噌漬けもらう。母がテレビでとうちゃこの「こころ旅」を見ている。長野県の茅野だって、と母。往来座へ。asさん、ru先輩、と座談会で出かけていたnが戻ってきている。うなぎ弁当をもらったとのこと。本搾り。スマホでasさん、ru先輩の顔を撮りセブンでプリント。店にあった松方弘樹の講演記念と印字された額にプリントした写真を入れ、ふたりに見せるとヒーヒー笑っている。自分の顔ではなく、お互いの顔を持って帰ってもらう。家での置き場に困る、家族になんて言えば、とのこと。大倉で買い物。夕飯は、母がくれた栗、オクラのおかか和え、トマトブロッコリー、鶏の味噌漬け。「SPEC〜天〜」観るも途中で寝落ち。S家泊。

東京都の感染者数、782人。

 

9月18日土曜日

台風。大雨、小雨、曇りの繰り返し。ベーコンレンコン玉ねぎのクリームパスタ。「こころ旅」を探すと辰野編もあったので少し見る。これ父に見せたかった、とSがしくしくしている。Sは往来座へ。仕事の版画。夜、ファミマでスキャン。往来座へ。本搾り。今日はすげー働いた、とSとn。奥の文庫と新書の山が片付いたそう。Sとnは最近店に来なくなった人たちの安否を気にしている。ローソン100で買い物。sさんに、ワクチン大丈夫でした?と聞かれ、ピンピンです、と答える。sさんも早く射ったほうがいいですよ、と言うと、人員に余裕がなくて行けないんです、次の日も念のため休まなきゃと思うと、とsさん。夕飯は、シソ豚つくね鍋、しめに雑炊。飯を食べながら「こころ旅」の辰野編を見る。横川渓谷の蛇石を見、ここ行ったことある、おばさんに連れられて、とS。手紙と写真が紹介されると、これやばい、泣いちゃう、とS。「SPEC〜天〜」の続き観る。思わせぶりに疲れ、もういっか、となる。S家泊。

東京都の感染者数、862人。

 

9月19日日曜日

快晴。風が気持がいい。白飯に納豆オムレツ。Sはサバ缶に薬味をのせたものも食べる。TVerで「かまいたちの知らんけど」で、濱家が37年間通ったイズミヤ上新庄店に最後のご挨拶、を見る。羨ましい。Sは往来座へ。Sが店から持ち帰った文庫の『火の鳥』シリーズを読みはじめる。夜、茅野のYくんファミリーに送る、ギターのピックを探しに池袋のクロサワ楽器へ。ヤマダラビの横にあった店は移転したらしく、シャッターに貼ってあった地図の場所、交差点のユニクロの裏手に行くも、そこもシャッターがおりている。旧豊島区役所のあたりにも楽器屋があったなーと探しに行くと、イケベ楽器が開いており、いちごの絵と亀の絵のピック買う。往来座へ。本搾り。明日、名画座手帳の帯ゲストを発表するため、Sとnがそわそわしている。miくん。めずらしいことりのHちゃんが出そうとしているZINEを見せてもらう。miくんが、いま一番好きな書き手、鳴門煉煉さんをHちゃんとnにおすすめしている。すでに使われていた断片。ハナマサで買い物。夕飯は、もらった焼き芋を輪切りにしてトースターで焼いたもの、オクラのおかか和え、豚肉レンコンピーマンの炒め物。S家泊。

東京都の感染者数、565人。

 

9月20日月曜日

晴れ。ミートソースパスタ。誰かの経験や発言に対して「わかる」と言うことばで返すことをSはよく問題にしている。わかるわけがない、と。98%を占める好きでも嫌いでもないはずの事をそのどちらかに決めるな、と。わたしは「いい」ということばが好きじゃない。いい本屋、いい本、いい店、いい絵、いい人、いい町。「いい」と言えてしまう上から目線に何様だてめーという気になるが、楽なのでつい自分も使ってしまう。なるべく「好き」を使っていきたい。「こころ旅」のほかの回も見る。思い出の場所に行くまでに、車ではなく自転車で時間をかけて行くところが好きだ。Sは休日、ずっと動画を作っている。nから借りたマックは使いこなせず、結局、古い2ギガのマックでちょこちょこ作業をしている。夜7時。ツイッター名画座手帳2022の帯ゲスト2名を発表。香川京子とヴィム・ベンダース。その直前にSが作った開封動画をユーチューブにあげる。往来座にパソコンを戻してから、ジュンク堂書店で茅野のYくんに送る文庫を2冊買う。Sが選んだのは南木佳士の『ダイヤモンドダスト』と『医学生』。缶チューハイ飲みつつ、東池袋まで散歩。Sは、さっきアップしたツイッターリツイート数と動画の再生数を気にし、スマホを見ながら歩いている。西友で買い物。東池袋のサン浜名の裏手から都電の雑司ヶ谷停留所までの一帯、再開発のためフェンスで囲まれた町をSに見せつつ帰る。区役所並みの高層マンションが2棟建つらしい。新しめのマンションも家もすでに真っ暗で人気がないが、フェンスで囲まれたなかに、再開発反対の黄色い垂れ幕をさげた家が3軒だけ残り、窓に明かりが灯っている。夕飯は、トマトアボカド、山芋の千切り、鶏肉の薬味のせ。M家泊。

東京都の感染者数、302人。

 

9月21日火曜日

晴れ。納豆ご飯。近所のuからディルの芽が出たからいるかのライン。食堂アルバイトへ。ひま。終えて、往来座へ。手紙を書き茅野に送る荷物に入れ、隣りのローソン100から送る。23日着とのこと。6時半、本搾りを買い、Sとuの家へ。ディルの鉢受け取り、本搾り渡す。鉢をSの家に置いてから3人で大塚まで散歩。空蝉橋のうえまで来ると、中秋の名月を写真を撮る人たちが橋のうえにぱらぱらといる。大塚駅の日比谷花壇のサブスクでuがオレンジのバラを受け取り、南口に出、なかざわ製麺でぶっとい麺とチャーシューとラーメンスープ買う。腹が減ったねと歩きながら飯屋を物色するが、明かりがついていてもテイクアウトの店がほとんど。たまに入れる店もあるが、賑わっている店に入るのも怖い、といういままでとは逆の気持ちになる。向原あたりまで歩き、なか卯の看板を見つけ、空いているので入る。券売機が2台あり、わたしが親子丼とかぼすうどんのセットを店内で、のチケットを買い終わった瞬間、隣りで買っていたSが店内ボタンがない、テイクアウトのボタンしか押せない、と言う。7時45分ぴったりに券売機が店内飲食チケットを中止したため。店員に払い戻しか、3人で来たのでどうにか3人分だけなかで食べさせてもらえないか頼んだ結果、中でどうぞとなる。卵の甘塩っぱいご飯が空腹にしみる。なか卯ってこんなにおいしかったっけ?とu。カツ丼とかぼすうどんのセットを頼んだSが、丼の影に隠れていたかぼすに気付かず、食べ終わったあとにかぼすだけ絞ってなめている。食べ終わり、近くのセブンで酒を買い、飲みながらイケサンパークへ。園内は8時までで中には入れず。警備員が周り、なかのベンチで月を見ている人たちを注意している。注意されるのも面倒で、公園向かいのガードレールに腰掛け、酒を飲みながら月を見る。雲が晴れた瞬間をねらって月を撮っている人たちがぱらぱらいる。Sの父の墓問題から、子孫がいない我々の墓問題にまで話が発展。墓はやめて、骨はダイヤモンドに加工し、スイート10ダイヤモンドのように死んだ人たちを首からぶら下げていけばいいのでは、と意見が出る。東池袋の再開発の横を抜け、ミニストップで買い物して帰る。M家泊。

東京都の感染者数、253人。

 

9月22日水曜日

晴れ。納豆ご飯。食堂アルバイトへ。終えて、大倉で買い物してからS家へ。Sは休日、ずっと動画を作っている。作業がひとつ終わると、見てー、と見せてくる。Sが腹が減ったというのでわかめ肉うどん作る。横尾忠則展と諸星大二郎展のネット予約。夜、マルエツへまで買い物へ。本搾り飲みながら帰る。夕飯は、トマトブロッコリーアボカド、冷奴、エノキをまぜた鶏つくね焼き。映画「復讐するは我にあり」観る。雑司ヶ谷が出てくると聞いてはいたが、雑司ヶ谷も隣りの目白台もロケ地としてたくさん出てくる。雑司ヶ谷として雑司ヶ谷が出てくるシーンと、映画のなかでは浜松だが雑司ヶ谷をロケ地として使っているシーン、とがある。主人公、緒形拳演じる榎津巌が殺人と詐欺をしながら各地を回るうちのひとつの浜松の旅館は、雑司ヶ谷大鳥神社横の道から七曲がりを入った先にある場所が使われている。電柱の「おそばの松月」の看板の横にタクシーで来た緒形拳、タクシーを降り本納寺の塀の脇を歩いていく。松月は本納寺向かいの角にあった木造の古い蕎麦屋。10月になるとうちの町会は2階の座敷に集まり万灯行列の花を作っていた。鬼子母神商店街の肉屋と、都電の線路を越えてすぐ右手にあった刃物屋でとんかちと釘とテープを買い、けやき並木参道の奈良歯科横にあったアパートの1室に戻る緒形拳。このシーンは雑司ヶ谷雑司ヶ谷として出てくる。商店街を歩くシーンでは、焼き鳥の豊島屋、都電の線路を越え、左手に中華の大観、その並びの木がもしゃっとしているところは銭湯、二又には高田書店も見える。アパートの部屋の窓から大きなけやきと、窓を開けたとき、ちらっと向かいの並木ハウスが映る。アパートでの殺人がばれたあとは、窓から参道沿いにあったラーメンの三幸も見える。浜松の旅館の女将とその母を殺したあと、質屋を呼び車を止めに行くシーンでは、目白台のマイバスそばの目白台児童遊園の周りがロケ地として使われている。電柱には目白台を隠しきれずに椿山荘の看板が映る。道の向こうにはいまもある消防署と周辺の木々が見える。角の古い鰻屋もそーいえばあったようなと記憶がうずく。映画は全面ぬるっとしている。男がここまで人を殺していく理由もわからず、倍賞千恵子がどうしてそんなに三国連太郎に惹かれるのかもわからず、それもふくめてぬるぬるしながら、骨がぽーんと飛んで終わる。見終わったあと、雑司ヶ谷目白台が出てくるシーンを見直し、写真に撮る。Sは出てくるシーンの時間も手帳にメモしている。Sは映画観ながらマルエツで買った梨を食べている。S家泊。

東京都の感染者数、537人。

 

9月23日木曜日

晴れ。暑い。先日大塚で買ったなかがわ製麺のぶっとい麺でラーメン。Sが煮干しラーメン、わたしがピリ辛油そば。麺の量が多く、太く、煮干しラーメンも汁なし麺に見える。油そばうまい。宝軒の太麺を思い出す。しもふりチューブでやっているバーピー運動を今日からやることにする。Sは布団でグズグズしつつも往来座へ。『火の鳥』の続きを読む。子どものときに読んだよりも何倍も面白い。諸行無常さにぐっとくるのは老化の兆しか。夕方、東池袋の再開発地域へ。スマホのカメラでフェンスに囲まれた地域を撮るもちゃかちゃかし過ぎてうまくいかず。サンシャイン60へ。エスカレーターで前に立った親子連れが、休業中のポケモンセンターを見て、あ、やってない、と悲しげにつぶやく。くまざわ書店で立ち読み。東池袋マルエツで買い物。夜、往来座へ。閉店後の店内で、nの本の宣伝用の動画をSが撮影。タイムキーパーを勤める。本搾り。nおすすめのイチジクとクリームチーズのパンをもらう。夕飯は、ローストポークをのせたサラダ、レンコンとゴーヤのチャンプルー。夜中に腹痛で便所にこもる。Sは遅くまでさっき撮った動画の編集をしながら、また梨を食べている。S家泊。

東京都の感染者数、531人。