断片日記

断片と告知

2011-01-01から1年間の記事一覧

わたしの台所

アトリエのあるアパートの裏には空き地がある。住宅密集地にぽかりと、柵で囲まれた小さな原っぱがある。真ん中に、おそらく姫りんごの木、端に大きな銀杏の木と欅の木、ほかに名前のわからない木が何本か伸び、その周りの地面をハナニラとムラサキハナナが…

告知ふたつ

葉山のARAHABAKIさんで開催される「はなとオブジェ」展のDMに、花の絵を描きました。黄金週間の10日間、葉山のギャラリーに、花、植物、を主題に作られた、たくさんの作品が並びます。海を見ながら、町歩きを楽しみながら、ぜひお越しください。展示の詳細は…

どんぐりの背伸び

古書往来座の瀬戸さんと、映画を見に行った。池袋の来月閉館する映画館テアトルダイヤで「冷たい熱帯魚」を見た。見終わって、銭湯帰りの王子、往来座に来ていたAさん、と合流し、雑司が谷のアトリエで、酒を飲んで飯を食った。途中のスーパーでゴーヤチャン…

生活の音

要町のアトリエから雑司が谷のアトリエへ、4月5日に引っ越してきた。車・往来座号に積んだ荷物を、瀬戸さん、王子、寝床やさんが運んでくれた。雑司が谷1丁目の、昭和43年築の風呂なしアパートが、これからわたしのアトリエになる。 要町にあったアトリ…

ブルクミュラー鳥ノオト

4月30日(土)と5月3日(火・祝)の2日間は谷根千の春の一箱古本市が、そしてその前後、4月23日(土)から5月8日(日)まで、「不忍ブックストリートweek2011」が開催されます。谷根千の町のあちこちで、本にまつわる企画展示がおこなわれるのですが、そのう…

読んでおきたい名作

「読んでおきたい名作 小学4年」(成美堂出版)に掲載されている作品のひとつ、「秋の夜の会話」、の挿画を描きました。「秋の夜の会話」は、草野新平さんの詩です。冬眠前の蛙の、飄々として切ない、詩です。 成美堂出版 読んでおきたい名作 小学4年

50人のチャリティー展

目白のブックギャラリーポポタムで開催される、「50人のチャリティー展」に参加します。絵描き、造形作家、版画家、陶芸家、絵本作家など、50人分の作品が、ポポタムのギャラリーとショップ内に展示されます。50人分の気持ちがぎゅっと詰まった、見応えのあ…

「火星の庭」前野さん

アトリエで掃除をしていると電話が鳴った。古書現世のパロパロ向井だった。今晩前野さんと飲むけどどうする?行く、と即答した。電話を切ったあと、待ち合わせの時間まで掃除の続きをしたが、たびたび手が止まり、気づくとぼんやりしていた。会いたいのか、…

やさいの友02号

エンターブレインのmook「やさいの友02号」、本日発売です。01号の茸の絵に引き続き、表紙に野菜の絵を描かせていただきました。表紙は、ブロッコリー、ほうれん草、ピーマン、裏表紙は、ゴーヤ、胡瓜、菜の花、です。野菜も、地の色も、あえて緑色にしまし…

甲州屋

昼過ぎ、甲州屋酒店に行った。甲州屋の店先には、しばらく前から、3月いっぱいで閉店、と書かれた紙が貼られていた。昨晩そのことを思い出し、昼飯を食ったあと、慌てて鬼子母神通りにある甲州屋を目指した。 シャッターは閉まっていたが、勝手口を見ると、…

あいおい古本市、ですよ

「みちくさ市」は中止になりましたが、明日から2日間、月島の相生橋のたもとに建つ「相生の里」で、「あいおい古本市」が行われます。震災から2週間経ちましたが、いまの時期のイベントは、中止にするにしろ、開催するにしろ、どちらも等しく覚悟がいります…

地震の日から

3月11日午後2時過ぎ。大きな地震があった。目白と椎名町の間にある、目白図書館にいた。ぼんやりと本を見ていた。地震だ。誰かが小さく叫んだ。地下にある事務所から、職員の人たちが階段を駆け上がってきて、固まっている利用者に注意をあたえ、棚の間を見…

アパートの住人

少しだけ空いた時間で不動産屋を覗き、アトリエの物件を探した。相変わらずそれらしい物件は無かったが、ひとつだけ、以前気になっていた部屋がまだ残っていた。決まりかけたんだけどキャンセルになったのよ、と不動産屋の女性は言い、見てくれば、と気軽に…

金沢へ

7日から9日まで、2泊3日で金沢に行って参ります。Dさんに会い、銭湯、21世紀美術館、オヨヨ書林、を見に行く予定。しばらくメールが見られません。急ぎの連絡は、携帯電話までお願いいたします。

イケブックロ2

明日3月4日から6日まで、3日間の古本市です。どうぞよろしく。 ******イケブックロ 2****** 〜わめぞの古本・雑貨市 in 池袋〜 池袋で古本1万冊の古本市、第2弾! 春の池袋に再び、3日間だけ「本のオアシス」が出現します! 池袋に本の文化が根付きます…

みちくさ市、本日受付開始

3月20日開催の「みちくさ市」の出店者募集は、本日、2月25日(金)21:00から、受付開始いたします。たくさんの方のご応募、お待ちしております。 ※募集締め切りました。たくさんのご応募、ありがとうございました。 ■参加募集要項 http://kmstreet.ex…

園芸なんでもQ&A

NHK出版「とことん答える800問!園芸なんでもQ&A」の、表紙と各章扉の挿画を描きました。雑誌「趣味の園芸」に投稿された7年分のお悩みが1冊の本にまとまりました。植物名の索引のほかに、お悩み別の索引が載っているところが楽しく便利です。2月18日…

ブックカフェのある街

前野さんは、ある日突然仙台に来たわたしを、家に泊め、飯を食わせ、話しを聞いてくれた人だ。前野さんは、仙台にある「火星の庭」というブックカフェを、旦那さんの健一さんとふたりで経営している。突然行ったあの日。ほら、ケンあれどこだっけ。「火星の…

一籠CD市

アトリエからの帰り道に古書往来座に寄ると、これから古書信天翁に行きましょう、と唐突に瀬戸さんが言う。夜10時までやっているという一籠CD市をのぞきに、日暮里まで、瀬戸さんとふたり山手線に揺られる。 日暮里駅に着いたのは夜8時過ぎ。いつも賑やかな…

化粧なんて

黒い襟の部分に日焼け止めがついて困る、と買ったばかりの上着の、襟の白っぽくなった部分を見つめながら嘆くと、冬に日焼け止め?と驚かれる。本屋で働いていたころ、化粧もしないシミだらけのわたしの顔を見た同僚が、日焼け止めくらい塗ったら、と言った…

次男

渋谷で打ち合わせを済ませ、携帯電話を見ると、着信履歴にいくつも同じ名前が並んでいる。いまどこですか。電話の向こうから不機嫌な声がする。渋谷だけど。え、なんで?声はさらに不機嫌になる。プリントゴッコをしに来るとは言ってたけど、何時に来るとは…

余寒見舞い

プリントゴッコで、余寒見舞い申し上げます、を作りたいと、はっちこと橋本くんがアトリエにやって来る。窓際の流しで、指先のオイルパステルを洗い流し振り返ると、20代にしては白く突き出た腹を見せながら、橋本くんが真新しい黒のスエットに着替えている…

盛り合わせ

今日は「ふくろ」の半額の日ですよ、と王子が言うので飲みに行く。「ふくろ」は池袋の西口と東口にある大衆酒場で、毎月8日はつまみが全品半額になる。今日は半額なんだから、いつもと違うもっといいもの頼みなさいよ、と言われて食べた刺身の盛り合わせが美…

ベニーランド

豆腐のサラダとタンと山椒合えと生ビールをのせたテーブルの向こうに座る人は、風呂なしアパートを見たことがない、と言った。大学時代を仙台で過ごし、3〜4万あれば風呂付きのアパートが借りられるから、友人の家も、自分の家も、風呂付きが当たり前だっ…

ゴンドラ

中央図書館を目指して都電の線路沿いを歩く。道の正面に建つサンシャイン60を見上げると、窓拭きのゴンドラが2台、数階分の差をあけて、ビルにぴたりとしがみついている。サンシャイン60の窓は大きいので、ゴンドラ1台で拭ける範囲は、窓1枚だけのように見…

書くと描く

どういう文章が好きかわかるほど、本を読んでこなかった。文章を書くときに、こう書きたい、と目指すものが何もなかった。それでも人目にふれる場所に書くのだから、発表するのだから、つまらないものは書きたくなかった。嫌いな言葉や言い回しを使わなけれ…

中平卓馬とニューカヤバ

先週のこと。 中平卓馬の写真を見に行かない、と王子を誘う。池袋から有楽町までの地下鉄の中、王子が、なんで中平卓馬なんですか、と聞く。死んでいる人じゃなく、いま生きている人の写真が見たかったから、と答える。中平卓馬を選んだのは、ちょうど銀座と…

アトリエ探し

鬼子母神の節分で、豆を3袋ひろう。その後、古書往来座の瀬戸さん、寝床やさんと、雑司ヶ谷不動産巡りをする。いま借りているアトリエはこの春に追い出される予定で、どこか近所にアトリエとして使える安アパートを探す必要があり、不動産屋慣れしている瀬戸…

風邪

前兆は下痢だった。何度か便所に行き、腹と背中に嫌な寒気があるなと思いながらも寝て、翌朝目が覚めると、寒気は全身に広がり布団から出られなくなった。ふだん、どんなに閑なときでも、起きて外に出て何かしているふりをしないと気がすまない貧乏性のわた…

焼きそば

おじゃまします、と靴を脱いで上がると、ホットカーペットの上で寝ていた猫たちが、どどどどど、と猫にしては重い足音をさせて逃げていく。逃げないのは首を怪我している1匹だけで、ケンカで負けてからこいつは、いつ訪ねても寝てばかりいる。触っても起きな…